署名する
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白鳥もどるシベリアの兵帰還まだ
冬銀河もうすぐお湯が沸きますよ
銃を持つ照準合わせて雪強し
雪積もる銃よりペンもちたくて
雪やんで青空広げて署名する
恋しきは人参ごろっと母のスープ
オリオンを指さす兵は十八歳
僕はぼくであること白鳥渡る
息白く映画のなかにいるようだ
腕がもげ痛いと泣く友冬三日月
豆のスープ熱々だけで嬉しくて
雪野原おなじ賛美歌うたうかな
笑うこと久しくなくて雪兎
凍土掘るなんのためか誰も聞かず
栗鼠見つけ追いかけて雪にたおれる
凍てついた敵のリュックに聖書ある
神いないそれでも祈る冬三日月
うずくまり「もうすぐ春だ」と呟く
キンポウゲぼくはきみの胸に飾る
きみの肌思い出し寝る隙間風
憎むことできずに銃を凍て空に
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