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大きな玉ねぎの下

2022.11.05

Creepy Nuts Major Debut 5th Anniversary Live“2017〜2022”in 日本武道館 

M1 メジャーデビュー指南
M2 ヘルレイザー
M3 新・合法的トビカタノススメ
M4 助演男優賞(SPARK!!SOUND!!SHOW!!時として主役を喰っちまうRemix)
M5 ぬえの鳴く夜は
M6 どっち
M7 かいこ
M8 シラフで酔狂
M9 たりないふたり
M10 阿婆擦れ
M11 生業
M12 刹那
M13 トレンチコートマヒィア
M14 15才
M15 デジタルタトゥー
M16 Lazy Boy
M17 Bad Orangez
M18 のびしろ
M19 土産話
M20 未来予想図
M21 だがそれでいい

始まる前にいつもスタートをなにでかましてくるかを予想して見事に毎回外すのだが、今回はメジャーデビュー5周年のライブだからメジャーデビュー指南じゃない?と一時予想していたもののいやさすがにかましすぎじゃない?という謎のムーブからないと思っていた曲。
ビートがなった瞬間に鳥肌がたった。指南する人とRで向きを変えながら軽快な掛け合いで進む。でも、あの軽快な掛け合いの中に所々自分たちの強い意志を感じる曲。この後のMCで上手くいくか不安だったと言っていた2人。その時代を知らないのにもうこの時にはメジャーデビューしたての2人の世界線にいた。

最後「すごいやん、俺、未来見えてたやんけ」と、そしてそれを一つ一つ実現してきた「俺と松永」という一言に最高に痺れた。

2年前行かずに後悔した武道館。来てよかったな。始まる前に徐々に席が埋まっていくのをアリーナから眺めててすごく嬉しかった。

お久しぶり皆さん。お久しぶり武道館。ヘルレイザーのテンポめっちゃ好き。

合法。ぶち飛び定期。

「助演」じゃなくなった紛れもなく主演の2人。あれいつもと違うぞってなった時の鳥肌。あとからRemix.verって知ったけれどこれはあのライブの場で初めて聞いてよかったと心の底から思った。音源なんか比にならないくらいかっこよかったマジで。(まじで)


色んなところで2人が言っていた初期の頃は交渉から始まるという話。ずっと残ってたけれど今はフェスなどの映像を見てもみんなが彼らに向かって手を挙げ飛び跳ねている姿をみる。その場を自分たちの場に変えている。前半の怒涛の畳み掛け。最高の熱量。HIPHOPという音楽でこちらに語りかけてくる。あくまでも自分達の話。だけどなぜか己にも響いてくる。Rが言っていたHIPHOPの良さを体感する瞬間はたくさんある。

ドンキホーテ(J-POP)にもヴィレヴァン(サブカル)にも居場所がなかったCreepy Nutsが武道館でどっちを歌っているのすごい良かったよね。

”自分の殻や繭に潜み
時代の色に眉をひそめれば
ほら若い子らに"かいこ"と言われる
それでも孵化しきって我を出すか (who got juice now)
フカしきれずに終わるか”
Creepy Nuts「かいこ」

かいこはもうここが好き。ゴンフィンガー🤞

ここでシラフの酔狂挟むかーってなる。初めて行ったライブは去年の横アリ。Caseのツアーファイナルだった。そこで初めて聞いた。その時知らなかったこの曲も今ではしっかり小指あたりに”シラフで酔狂”と掘られています。()

元々Creepy Nutsはラジオきっかけ。なんならそのラジオはオードリーのオールナイトニッポン始まり。たりないふたりが大好きで、人生しんどかったあの時、あの最後の漫才で確かに救われた人のうちの1人。背伸びせず竹槍で攻め続けてる背中とアップデートしようとしてるその背中ずっと追い続けている。もうなりたいふたりだからライブでは聞けないかなとうっすら思ってた。6月にやったファンクラブ限定のPremiumLiveの時に聞けてもう一生胸に刻んでおこうと思ってたのにまた聞けて涙腺崩壊下瞬間。

また、PremiumLiveの時のMCに遡るがRが昔の曲はやりづらいと言っていた。時代的な背景だったり今の自分を指すようでしんどいから(意訳かも)と。それをアップデートさせて披露してくれるんだからとんでもないですよあの人たち。


ずっと聞きたかった曲がある。ひとつはまだ聞けてない。「板の上の魔物」そして今回現実になった。Rと松永はよく全てなくなってもラップとDJが出来ればいいそれが好きだからそこだけはぶらしたくないと生業だから。



Caseのアルバム制作の時にRがかつての自分の言葉で今の自分を傷つけていると、すごく疲弊してしまったとインタビューかなんかの媒体で発言していたのを目にした。その中でたりないふたりを通して1度作りかけていたものを全て壊して1から向き合い作り上げた「Case」
紛れもなく自分なのだと傷つけたのもかましてきたのも自分なのだと。15才がデジタルタトゥーが残したもの。

”自分のようで自分じゃない
他人のようで紛れもない
簡略化されたカリカチュアじゃ表せぬ多面体
15年先の未来 まだ逃げ切れない
開きすぎたページに本当の顔は見当たらない
おまえが欲したいくつかを手に入れて
おまえが嫌ったいくつかを身につけて
おまえが願ったいくつかを諦めて
おまえと誓ったいくつかを忘れてる。”
Creepy Nuts 15才より

”いくつか”ではなくもう”いくつも”を手に入れて”いくつも”過去の自分を背負って立っていると訴えかけられてた。さすがにくらった。俺は俺のために歌っていると言った人に着いていこう。


こんなに誠実な人知らないなと思った。

そんな中で、と歌われた2020年以降の楽曲たち。「Lazy Boy」のなか止まる時間なんてないこと、その時間の中、得たものもあること。幸せもあること「Bad Orangez」で、それまでは見えなかったものが見えたもの。
生きて生活を続けてるだけでも立ち止まって振り返ってができないまま過ごしているのに、分刻み秒刻みで生きている2人は尚のことだと思う。その中で、ここまで多彩な景色を見つけているのまじで感謝したい。


定番となったのびしろも最初は30歳になった自分たちの歌とか言ってたなーって回顧。松永が爆発的なヒット曲がないと嘆いていたけれどもう鬼ヒットでしょ。これがガチで嬉しい。オトナという3文字で括らずかましていこうっていう曲だったはずなのに、色んな世代に広まって応援歌のようになっているんだよね。人生気持ち理論と一緒でのびしろしかないって天才だよね。なんでも乗り切れる気がするもん。


起承転結の結。こんなに綺麗に結ぶんだ。物語の作り方がうますぎる。土産話も横アリで聞いてその先のライブでこんな形で披露されるとは思ってもいなかったし、こんな状況でも彼らは将来に不安を抱えててラジオが終わりとか考えているんだとか。でも自分たちに関係なくあの人たちはHIPHOPし続けてるだろうな。かっこいいよね。嬉しいよね。好きな人が好きなこと貫いてくれるの。


本当に人生色々あるしこのライブの前日に推しメン卒業発表したり本当触れなくて良かったんじゃないかとか今まで経験したことない感情が出てきてどうしようもなかったり....
だがそれでいいんだよね。いいんだよ。全部背負って生きていくんだよね。


しんどくなったら(そうじゃなくても)彼らが救ってくれるよ。また聞きに行くんだろうな。

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