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基礎④ キャラクターの頭身

■一般的な商業アニメにおいて、アニメーターがキャラクターを描く時、最も重要なのは顔が似てるなどではなく「頭身」である。

守らないと何が起こる?

■作品のバランスが崩れ、キャラクターを壊すことになり、作業としてはリテイクの可能性と繰り返せば演出や制作からブラックリスト入りも考えられる。

☆もちろん自由度が高く頭身がバラバラでも許される作品もある。
だがそういった作品は少なく、ほとんどの作品において頭身を守ることは必須の事柄であると考えて下さい。

頭身が崩れた上りがりに対してリテイクの時間もない場合、演出や作画監督が頭身ををすべて描きなおさなければならない。(ここで恨みを買う)

頭身が違えば画面のおさまりも変わる。つまり頭身が違うとレイアウトをすべて描きき直す可能性が高くなり、直すにもスケジュール上の限度はある。そういったことが重なると待っているのは
 「クオリティの低下」と「スケジュール崩壊」

極端な例だが某国民的アニメ風のレイアウト二枚を見比べてとあなたはどう思う?

基礎41

基礎42

頭身とは?

■では具体的に頭身とは何か?
一般的に頭を大きさを基準にして全身で何個入るかを表す言葉で、頭5個分なら5頭身。と言った割合を表す言葉。

基礎頭身

表向きには頭身合わせて下さいは上記の事を指すイメージだが、含まれる意味が単純ではない。

頭身はキャラクターのバランス

■求められるのはバランス。
頭身を合わせることは頭の大きさ云々よりキャラ表から示されている
「キャラクターのバランス」を写しとって欲しいということ。

基礎頭身2

上記のキャラクターはすべて同じくらいの頭身。はたして合わせていると言えるだろうか?もちろん答えは「NO」ではどうすれば合わせられるのか?
以下の2点を意識すればズレ幅は軽減できる。

基礎頭身4

①はキャラ表から素体を自分なりに作りそれに従って描く。
②はキャラ表からそのキャラクターを構成するパーツのラインを掴む

ではもう一度、頭身だけが何となく合っているキャラのシルエットを見てみよう。キャラ表との違いを感じて頂けただろうか?

基礎頭身3

もっと分かりやすい例を見てみよう。
並ぶシルエットが同じキャラの場合受ける印象は違ってくる。

基礎頭身5

バランスを読み取りシルエットを大事にする事。
キャラクターのシルエットはそのキャラが持つアイデンティティ。

まとめ

頭身はアニメーターにとって守らなければならない最低限。
新人はキャラの顔を似せるのに意識がとられ、頭身を忘れがち。
まずは自分なりにキャラクターのバランスを読み解き、手癖で描かないようにしましょう。
どんなに動かしても頭身が違えば狙った動きも伝わりません。

自身の為にも作品の為にも頭身は大切に。

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For the glory of Animation




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