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レイアウト⑤ 目線と表情

「目線」はアニメにおいて視聴者に伝える手段の中で重要な記号。
外れると画面の持つ意味が変わって来る。

「表情」コントロールするには状況やキャラクター性が大きく関わる。

キャラの目線はなんとなく描くのではなく、はっきりと目的をもたせる。

表情は少しの差で大きくその意味を変えてしまう。適切な表情を探る。


目線は大切

■演出チェックする中で重要な「目線」

目線とはキャラクターがどこを見ているのか?ということだが、
これが外れるとカット内の芝居や意図して描いていることがズレてくる。

わざと目線を外した例をいくつか見てみよう。
説明文は画面に対してほしい状況。

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どうだろう?画面から何かしらの違和感を感じて欲しい状況がぼんやりしないだろうか?
ではこれを目線を合わせてみよう。赤線は外れた目線ガイド。

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違いを感じて貰えただろうか?
④で言えば目線は目玉の向きだけでなく顔の角度も重要。ただ、④の絵は厳密には向き合っておらず、アニメならではの嘘角度。

描く工程でズレる場合もあるので注意してほしい。デジタルだと別レイヤー、紙だと別紙でキャラクターを描き分ける場合があるがその場合、統合画面を考えて丁寧に描いてほしい。

目は近くの物を見るとより目になり遠くを見ると離れていく。聞くと当たり前のことと思うが、描く場合に抜けがちなので注意が必要。

そのカットに必要な目線を外すと伝えるべき情報が大きくズレてしまう。
伝えたいキャラクターの目線を明確に理解した上で描いてほしい。


表情の幅

■表情と言われると「喜怒哀楽」の基本感情があるが、アニメではそこよりもう少し踏み込んで演出する場合が多い。
表情はキャラクターの「置かれた状況、性格、心情」が大きく関わってくる。

わざと表情を外した例をいくつか見てみよう。
説明文は画面に対してほしい状況。キャラ性格、心情は大きく含まず一般的な表情で探ってみる。

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何かを画面から感じ取れないだろうか?
では絵をわかりやすく説明文に寄せてみよう。

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こちらは口元しか変えていない。だが印象の違いは大きい。
説明文には近づいたが、実はこれが正解というわけではない。

修正前の表情が場合によっては答えの一つという場合もある。

情報で絵は変化する。状況やキャラクターが違えば表情も変わる。
間違えると狙った感情を持たせることは出来ない。

細かく言えば眉毛線一本分でもキャラクターによっては表情の持つ意味が変わってくる。自分がキャラクターに持たせたい感情を理解し、丁寧にのせてあげて欲しい。


まとめ

キャラの目線はぼんやり描くのではなく、はっきりと目的をもたせ、そこから外れないように丁寧な作業を心がけよう。

状況・キャラクターから最適な感情を考え,丁寧にコントロールしよう。

自身の為にも作品の為にも目線と表情は大切に

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For the glory of Animation

最後まで読んで頂きありがとうございます。小さな知識の積み重ねが力になり、あなたがより自由な表現が出来るよう応援しています!