駆逐と破壊

「意識が高い」とは一体なんだろうか。

将来に関する自分の展望を述べることができる人?就職活動を頑張っている人? 自分の周りでは「働くこと」に関して、よく考えている人が「意識が高い」と言われています。(ような気がします。)

では、就職支援センターや就活支援の学生サークルを駆逐したいと考えている私は「意識が低い」のでしょうか。これは難しい問題でしょうか。

私は大学3年生になってから、図書館に籠り、研究室で古文書を読み、分析をするも先生から強烈な指導を受ける日々です。1.2年生の時期も勉強はしていたつもりでしたが、今の勉強はどこか鬼気迫るものがあると感じています。足りない頭で当時の時代を考え、裏を取るように確実な資料を揃えて納得できる史料分析をする。これを毎日頑張っています。頑張っているけど、間違っていれば指摘される。強烈ですね。

この勉強をする理由は正直分かりませんが、おそらく古文書にある「熱」に感化されたからかもしれません。言うなれば古文書は最高にロックンロールなものだということです。これはどういう意味か。古文書はもちろん手書きですが、筆者のクセが半端ではありません。「です。ます。」を表す「候」という文字を簡略化して点で表現する場合もあれば、しっかりと、にんべんから書いて候と書く場合もあるのです。また身分制社会なので、宛名を書く際も非常に気になるところが多く、明治期の史料でしたが、県からの布達の文書で送り主がただ「〇〇県」とデカデカと書く史料もあります。これは宛先の身分が低く、自分の立場が上位にあることを暗示していたかのような気がしました。手書きでここまで情報を教えてくれる古文書はやはりロックンロールです。解読文で句読点を打ち間違えるだけで、解釈が間違ってしまう!もうロックンロールですね。やっぱり熱いね。古文書。

しかし古文書の理解力がなく、読めていない私ですが、自分のやっている勉強に対するこだわりだけは強いと思います。これは「意識が高い」と呼んでもいいかなと思います。自分のしている勉強を語ることができずに大学生なんてやっていられますか!

時期が来たらベルトコンベアの如く、就活に運ばれる大学生。「意識の高さ」を私はそこに見出すことは難しい。モラトリアムなんてものは関係ない。いいじゃないか、モラトリアム。もういっそう、遠回りしてもいいかもしれない。迷惑をかけるかもしれないが。

意識が高い。全く面倒な言葉である。

とりあえず何が言いたいかと言うと、図書館で勉強しているのに、就職活動を終えた4回生が「働くってのはさ・・・企業というのはさ・・・」と働いていないのに、後輩に就職エピソードを宗教勧誘の如く教えを垂らすのはやめてほしいということなのである。


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