見出し画像

酉の市 祝祭と破壊

11月11日の夜。新宿三丁目駅から地上に出たら、なんだか街のオーラが違うと思った。酉の市をやっているからだった。
「オーラ」の正体は人の数と屋台の匂い。花園神社の前に列ができている。
そして、普段新宿に来ないけれど、酉の市だから来ている人が半分くらい混じっているようなのだ。4人以上で連れ立って歩く人、新宿であまり見ない気がする。ホストとお客っぽい男女とかももちろんいたけれど。
歌舞伎町は、区役所通りを挟んで西側の「トー横」的な人たちと、東側のゴールデン街の人たちと、年齢層も違って別の人達だけど、なんだか日陰者が多い街ではある。目抜き通りをあるけないというか。でも、今日はどちらでもない、ヤンチャそうな人達が混じっている。
酉の市のとき、花園神社のすぐ横のはずのゴールデン街は全然混まないらしい。人は大量に通り過ぎていき、室外機にポイ捨てされた、上に物置けないようにナナメにしてやると店主が怒っていた。
1人で入るのがデフォルトの呑み屋に入ることのない人生。自分とは別の人生だけど、きっとそういう人が多数派のはずで。
どちらも、同じ東京で生きていて。普段交わることはないけれど、たまにはお祭りをやって、空気が入れ替わること。それがこの祝祭の意味なのだなと。
いつもと違う新宿の表情を見られてよかった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?