見出し画像

不器用な神様

わたくしの生まれ故郷京都には縁切り神社が数多くありまして。その代表格といえばこちら。

みんな大好き安井金比羅宮

安井金比羅宮、近年めちゃくちゃ人気ですね。


縁切り縁結び碑

祇園と清水寺のちょうど中間で東大路通(東山通)に面しているという好立地に加え、「縁切り縁結び碑」のおどろおどろしいルックスはSNS時代と相性がよいのか、不倫相手と…みたいなのばかりではなく普通の学業成就願いや、夜のお店の方々の売り上げアップ願いなんかも増え、いつも人がいっぱい居て雰囲気も晴れやか。



K大明神

安井さん、楽しいのですが。なんか「呪い」感が足りなくてもの足りないというか…もっとドロっとした雰囲気が欲しいということで、地元民にきいてみたら紹介してもらったのが「K大明神」。男女、友人、仕事関係の縁切りに効果抜群で、揉め事には裁判所より早いよ!という触れ込み。その穏当じゃなさに惹かれて早速いってみることに。

立地

あんまりわかりやすくない…というかなかなか辿り着けない!京都市内のいわゆる碁盤の目の地区にあるのですが、目の真ん中をGoogleMapは指していて…そこにどうやって辿り着くの??
どうやら、寺の一角がその神様を祀っているらしく、そのお寺の入り口から奥に入ったいかなくてはならない。
立地も、あまり観光客が通りかがろうとは思わないような、オフィス街と住宅街の中間地点。もうこの時点で、観光地としては安井金比羅宮から何歩も引き離されている…

なんだか動線がよくない!

大明神さんのお堂に向かうが…ロウソクや線香などの「参拝セット」はお寺側の事務所で買い求めるらしく一旦来た道を戻る。でも、寺と大明神の受付は別で、間違って寺のインターホンを押す人が多いらしく、「大明神へご用の方はここを押さないで!」と書いてある。でも、その配置ではみんな間違うでしょう…
受付には人がいなく、インターホンで呼んでくださいとあるので押したら、来るまで5分以上かかる。なんてやる気がないんだ!
ロウソクと線香を手に入れ、大明神内の燭台にローソクを立てようとするけど…なんか、マッチの置いてある位置も引き出しの奥深くで、手が三本ないと火をつけられない…
このチグハグで動線が悪い感じ…ちょっと言葉では説明難しいんですが、ぜひ現地で体感していただきたい。

大明神さんのお堂

さて、大明神様はお参りの仕方も独特です。木造のお堂の中央に神様がいて、願い事をしながらその周りを時計回りに一周してくださいとのことで。
薄暗くおどろおどろしい雰囲気。でも、案内の不親切さとは対照的にとても清潔。隅々まで掃除が行き届いている。
地元の方とおぼしき人も数名訪れている。ハイシーズンでもそこまで混まないけど、人が絶えることはない感じ。京都では支持されてるんだな。

おみくじを引く。こういう箱?から木の棒が出てきて、その番号なら運勢は何?というのが張り出されている…んですが、番号が消えてしまっている!何番かわからない!!


番号がわからない!消えてる!


2回くらい引き直したら11番でした。

笑ってしまった。いかにも西日本っぽいいい加減さ。ほっこりしてしまった。

不器用な神様

GoogleMapを見たら、「受付が不親切」と文句を言っている人がいて。でも「いや、縁切りしにくるのにそれくらいで日和るなよ。それくらいじゃないとご利益なさそうだろ」と別の人は言っている。
実は、わたしはここに2回訪れている。1回目は、人生停滞してるなー、いろいろしゃらくさいなーと思っていたときで。大明神さんの不親切さにも正直苛立ってしまい、変なところに来てしまったなーと思った。でもそこから転職活動をしたりと人生は動き、最終的にはいい縁にも恵まれたりしたので。ひょっとしたら大明神さんが繋いでくれたのかもね。

絶妙な間の悪さも、お前それを受け止める余裕を無くしてるよ、ということが言いたかったのかも。その、接客・観光業としての不器用さ。でも、それをちゃんと受け止められる余地を持った方がいいよ、というメッセージを勝手に受けとりました。

年も変わりまして、新しい縁にむけてちゃんとやっていこうと思います。大明神さんありがとう、また来ます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?