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これは何故か? 【日本語訳】

この日本語訳は筆者による拙訳であり、正確性を保証するものではありません。ご理解の上でご覧になってください。

これは何故か? 1957年6月8日人民日報社説

これは何故か?

 中国国民党革命委員会中央委員、国務院秘書長補佐の盧郁文は、5月25日、民革中央小組拡大会議上で、共産党の整風運動に協力する方法を議論する際に、他人と異なる意見を発表したため、匿名の手紙で脅迫された。この手紙にはこう記されていたー「民革中央拡大会議上でのお前の発言を紙上で読み、我々は十分に憤慨している。我々は譚惕吾先生の意見に完全に同意する。お前は譚先生の指摘する無恥の徒の“典型”であると我々は考える。お前は現在、既に国務院秘書長補佐の宝座に登り詰めている。お前は過去には共産党と党外人士との間に壁と溝を作ることに少なくない力を注いだのに、今度は虎の手先となるとは、本当に恥知らずだ。我々は警告する。早く戻ってこい!さもなくば人民はお前を許さない!」

 このような事件が、共産党の整風運動中に起こったことは、厳重な意義がある。全ての人々が考えるべきである。これは結局のところ何故か?

 5月25日の発言で、盧郁文は何を話したのか?まとめると、第一にブルジョワ民主主義とプロレタリア民主主義(社会主義民主主義)を混同してはならず、共産党の領導を削弱したり取り消してはならないこと、第二に、ブルジョワ国家の議会のように毎日喧嘩をし、議論をしても決定せず、形式主義とはいえない、つまり討論が行えない会議をしないために、国務院は開会時に事前に文書を準備すべきであること、第三に、彼自身は共産党員と打ち解けて付き合っており、間には壁や溝がないこと、もしある党員の間に壁や溝があるならば、「両側から壊し、埋める」べきであり、両者が主動的に行うべきであること、第四に、共産党人はある批判に対して反駁することができ、この反駁は報復や打撃とはみなされないということ、第五に、党外人士への職務と権限の付与を如何にして実現するかについて、具体的な意見を提供した。このような事実に基いた真理の追求、ざっくばらんな意見の発表が、何故「虎の手先」、「恥知らず」なのか?何故「早く戻る」必要があり、さもなくば「人民はお前を許さない」のか?我々と多くの読者は同じように問わずにはいられない。

 盧郁文の発言を「虎の手先」ということは、共産党はつまり手紙の書き手の中では「虎」である。共産党が中国人民を領導し、中国人民の不倶戴天の敵である帝国主義と封建勢力に対して作戦を行っていた時、確かに虎のように勇敢であり、如何なる力量もそれを恐れさせ、屈服させることはできなかった。しかし人民からすれば、共産党は人民の最高の友人であり、人民を助けて人民に圧政を敷く反革命勢力を覆し、人民を助けて土地、工場及び生産資料を回収し、人民を搾取階級による残酷な圧搾から解放し、歴史的命運を自己の手中に掌握させ、現在ちょうど人民富裕、人民幸福の社会主義と共産主義の遠大な目標に邁進している。共産党領導の時代ほど、広範な人民が明るい希望と生活の喜びに満ち溢れた時代はないだろう。共産党も錯誤を犯したことがあり、欠点も存在するが、共産党の整風運動はこのような錯誤と欠点を是正するためにある。党と社会主義事業に対する善意を持つ一切の人々は、共産党の整風運動に積極的に意見し、援助し、以て社会主義事業を強化し、党の人民群衆に対する領導を強固にする、そのような時に、社会主義民主を擁護することや、共産党の領導権への言論を「恥知らず」、「虎の手先」と言い、共産党を人を食らう恐ろしい「虎」に例える者がいる。そのような者の政治的な面目が、まさか人民の警戒を引き起こさないわけがあるまい。このような者が盧郁文に警告した「早く戻ってこい」とは、一体全体どこへ「戻る」のか?考えてもみてもらいたい。当然このような者は、別の場所では、口先では彼らが如何に真の社会主義を擁護して共産党を擁護しているか云々と言う。しかし、労働人民の先鋒隊に対し敵視するような人々が、共産党の整風を助け、社会主義事業を擁護するとでもいうのだろうか?

であるからして、この脅迫状はまさに広範な人民への警告であり、特定の人物が党の整風運動を利用して尖鋭的階級闘争を進行するための信号であり、目下の政治生活の中の重大事件であると認める。国内の大規模な階級闘争は既に過ぎ去ったが、階級闘争は、特に思想戦線上では消滅していないことを、この手紙は我々に伝えている。革命の古い先輩である何香凝は、「今日は新時代だ、共産党と毛主席の領導の下、我々は社会主義に向かっている。この時代は、一切が清一色であり、左派、中間、右派はないのだろうか?いや違う。」と良く言い表した。彼女は、極少数の者は社会主義に対し面従腹背であり、心の中では実際は資本主義に憧れ、頭の中では欧米式の政治に憧憬の念を持っており、彼らはまさに現在の右派であると指摘する。「共産党の整風を支援する」という名義の下、少数の右派分子は共産党と労働者階級の領導権に対して挑戦し、甚だしきに至っては共産党に「退陣」せよと公然とわめきたてている。彼らはこれに乗じて共産党と労働者階級を打倒し、社会主義の偉大なる事業を打倒し、歴史を逆行させようと企図している。資産階級専制への後退は、実際は革命勝利以前の半植民地の地位への後退であり、中国人民を帝国主義とその犬の反動統治下に再び置くことである。しかし彼らは、今日の中国は以前の中国ではなく、歴史を逆行することを広範な人民は許さない、ということを忘れている。全国の整風運動を進める一切の地方で、このような右派は整風運動を利用して共産党を孤立させ、社会主義を擁護する人を孤立させたかったようだが、結果的に本当に孤立したのは彼ら自身であった。各民主党派と高級知識分子のうち、盧郁文が言うように、未だに侮辱や威嚇を利用して、「公正」な態度を装って人々の言論に圧力をかけ、甚だしきに至っては脅迫状まで書いて自己の目的を達成しようとする少数の右派分子がいるが、しかしこれはやり過ぎではないだろうか?盛者必衰、彼らはこの真理がわからないのだろうか?

 いくらある者が共産党の「退陣」を叫び、共産党を擁護する人に向けて脅迫状を書いても、共産党と人民群衆に如何なる動揺も発生しないことは、非常に明白である。共産党は依然として整風をしなければならず、依然として党外人士の一切の善意ある批評に耳を傾けなければならなず、人民群衆は依然として共産党領導の下社会主義の道を堅持しなければならない。あのような威嚇と罵倒は、我々の国家の中で、未だに階級闘争が続いており、我々が階級闘争の観点を用いて現在の現象を観察し、正確な結論を出さなければならないということを我々に喚起するばかりである。

1957年6月8日 人民日報社説


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