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ふわっと口語で愉しむ『言志四録』まとめ 言志録1~171

底本

 佐藤一斎および「言志四録」については、こちらをご参照ください

【ご注意】勝手に現代口語に訳すというか、かなり著者なりの言葉になっていますので、ご興味を持たれたら原典にも触れてみてください。

参考:講談社学術文庫 川上正光訳、岩波書店 日本思想体系46「佐藤一斎 大塩中斎」(1980年5月23日第1刷)

M&Aオンラインの著者連載コラム
「M&Aに効く『言志四録』」
「M&Aに効く論語」


171 自然に学ぶ

空を見上げたり、
遠く大地を眺めると、
太陽も月も輝いて
星も燦然としている。

春の風は穏やかに生命を育み、
雨や露は恵をもたらす。

霜や雪は心を引き締めさせ、
雷は威嚇して空気を震わせる。

山は変わらず、
川や海は広大ですべてを受け入れる。

谷や絶壁は深く、
野原は広く、隠すところがない。
みな、いきいきとして、休むこともない。

自然はそれだけでバランスをとる。
人間の世界でいえば、政治のようなものだ。

自然は正しい道を教えてくれる。
自然現象の中から学ぶことは多い。

人の上に立つ人ほど、
こうした自然からの教えが大切だ。
(言志録 171吾俯仰)

◆◇ ◆◇ 訳者の蛇足 ◆◇ ◆◇

(どんな偉い人も自然の前では頭を垂れる)
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170 主観

ものごとを正しく知ることは、
どうすればできるのだろう。

自分が進むべき道を進み、
正しい行動を取り、
全力を発揮して
ようやく
ものごとを正しく知ることになる。

この正しさは、
自分自身の中にあるものだ。
主観的に知ることに意味がある。

すべての事象を、
客観的に知ることだけが
正しくて優れていると、
思わない方がいい。
(言志録 170窮理二字)

◆◇ ◆◇ 訳者の蛇足 ◆◇ ◆◇

(客観性は大切だが、自分の腑に落ちない限りその正しさは自分のことにならない)
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