麻酔についてよくある質問

※随時、更新します!

Q1. そもそも「全身麻酔」とは何ですか?

Q2. 「全身麻酔」と「鎮静」の違いは何ですか?

Q3. 麻酔中に起きたことがあります。

Q4. 背中を刺された後に眠りに落ちた後に手術中なのに痛みで目が覚めたことがあります。全身麻酔が効かなかったのでしょうか?

Q5. ちゃんとした「全身麻酔」なのに手術中に起きたことがあります。

Q6. 麻酔でボケは悪くなりますか?


Q1. そもそも「全身麻酔」とは何ですか?

A1. 意識がなく、痛み刺激に反応しない状態にすることです。全身麻酔は呼吸停止や循環抑制を起こすため、麻酔中は麻酔科医による全身管理が必要になります。

Q2. 「全身麻酔」と「鎮静」の違いは何ですか?

A2. 鎮静とは薬で眠っている状態のことです。この眠りの深さにもピンからキリまであります。(極論にはなりますが)深い鎮静状態だと「全身麻酔」になります。浅い鎮静状態だと、麻酔科医による全身管理は不要ですが、途中で覚醒したり、痛みに反応したりします。

Q3. 麻酔中に起きたことがあります。

A3. 全身麻酔ではなくただの鎮静であれば、途中で覚醒してしまうことがあります。以下の手術や処置であれば、全身麻酔よりも鎮静(+局所麻酔)で行うことが多いです。(→胃カメラ、大腸カメラ、採卵、流産・中絶手術、肘や膝より先の手足の手術)

Q4. 背中を刺された後に眠りに落ちた後に手術中なのに痛みで目が覚めたことがあります。全身麻酔が効かなかったのでしょうか?

A4. それは、脊髄くも膜下麻酔+鎮静だった可能性があります。脊髄くも膜下麻酔は別名“下半身麻酔”といって、背中から針を刺して局所麻酔薬を注入することで下半身を一時的に完全に麻痺させます。下腹部や脚の手術を行うときに使われます。上半身は起きていますが、手術中は全く動けないため、鎮静を併用して眠ることがあるため、この「脊髄くも膜下麻酔+鎮静」のことを「全身麻酔」と勘違いされることがありますが、別物です。脊髄くも膜下麻酔は数時間経つと効果が切れてしまうため、手術時間が長引くと途中で痛くなってしまうことがあります。もし脊髄くも膜下麻酔の効果が切れて手術の痛みが耐え難くなったら、全身麻酔に移行して手術を行います。

Q5. ちゃんとした「全身麻酔」なのに手術中に起きたことがあります。

A5. 残念ながら全身麻酔の術中覚醒は非常に稀ながら起こりえます。ただ、手術終了後に麻酔覚醒している途中の記憶や、術後の頭がぼんやりしている状態(せん妄)で記憶が混乱しているという可能性もあります。判断は難しいため、麻酔を行った麻酔科医に直接、確認をしてみてください。 

Q6. 麻酔でボケは悪くなりますか?

A6. 手術後2-3日は“せん妄”といって、一時的な認知障害で混乱をしてしまうことがありますが、これは自然に治ります。
ただ、高齢者はどうしても回復をしにくいため、身体機能も認知機能も入院前と同等なレベルへ完全には戻らないことをご理解ください。

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