見出し画像

父の人生を変えた『一日』その95 ~工事を恐れろ~

その95 ~工事を恐れろ~
 某スーパーゼネコンは事故を起こすとイエローカードがでる。経営者は安全講習が義務付けされて安全教育の缶詰教育を強いられる。2回事故を起こすとレッドカードで出入り禁止となる。
同業者の事故情報は随時当社に共有される。ある事故は、小さな結線間違いの事故だったがお客さまからはかなりの苦情がきたという。そして、別の例でも、現場で古い木柱を新しいコンクリート柱に変える仕事中に事故が起きた。道が狭く作業者が入れなかった。そのために職長は自ら木柱によじ登っていった。その木柱はかなり古木だったので、中はすかすかの空洞であった。そして班長が上に上がった時点でその木の柱が折れて班長もろとも地面にたたきつけられた。腰をかなり強打。大変は事故である。
そもそも、作業者が入れない段階でもっと塾考すべきであった。この木柱は上っても「大丈夫」という判断ミスが招いた大事故である。この「大丈夫」とういう「過信」が事故の原因であった。
 またある時は、連続事故が原因で配電業から撤退した会社がある。廃業した社長から電話があった。
「ライオンさん高層作業車を買ってください」と。
「分かりました。現金でお支払いいたします。」
通常の評価よりも少し上げて当社が買い取った。すっかりと肩を落とした社長はまったく元気が無く意気消沈していて気の毒であった。事故絶対に避けて通る道であり、絶対に起こしてはいけないのである。


~倅の解釈~
 弊社が携わる建設業界にとって、経営する中で優先事項トップに入ってくることが「安全管理」である。親父も口癖のごとくいつもスタッフに声をかけていた。
 「初心を忘れるな」
 「すべての手順を緊張して行え」
 「工事行為そのものを恐れることを忘れるな」
 建設業界の企業にとっての一番の敵は事故である。絶対に起こしてはならないことである。大事なのは、経営者、トップが必ずスタッフ一人ひとりに声掛けすることであり、他社や他人のミス、自分自身のミスから日々学ぶ姿勢をしっかりと取れる組織の中での環境を作ることだ。
 様々な安全を徹底する方法があるが。私は「ひやり・はっと」の共有が効果的だと思う。「ひやり・はっと」とは。
 「ひやり」工事中にひやっとしたこと
 「はっと」工事中にはっとしたこと
 ただ、この共有に問題があり、スタッフからいかに正直に引き出すのかが重要。弊社は現在、東北電力OBから相談役として、弊社に来ていただき、徹底した安全管理を行っている。先日はまさしく、この「ひやり、はっと」を引き出して頂いた。資料を見て、感動した。これをしっかりと共有してまいりたい。
 親父がいつも言っていた、「工事を恐れろ」という言葉はいまだに全社に浸透してる。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?