「週刊プラグインレビュー」BRAINWORX / bx_enhancer
今月最後の更新記事になります。
皆さん、確定申告とプロダクションの年度末が重なり、バタバタしているタイミングなんじゃないかと思います。
僕もそうです笑
先日から目にまつわるトラブル続きで、鯖江のメガネを娘に踏み抜かれ故障・・・しかし花粉症でコンタクトをすると曇る・・・といったところでもうすぐ春がくるんだなぁ・・・なんて感じる日々を過ごしております。
さて、今回取り上げたいのはbx_enhancerです。
何となく、エキサイターの類か~~~と思って気乗りしなかったんですが、全然そうでもなくて、むしろ基本に忠実な有能プラグインだったのでご紹介していきたいと思います。
それでは、やっていきます!
プラグインレビュー!
bx_enhancerとは
bx_enhancerはみなさんご存じPluginAllianceの中核を担うBrainworxが開発した新作。以前取り上げたbx_masterdesk TruePeakと似たような構成でありつつ、それを個別のチャンネル単位で扱いやすいようにチューニングしたであろう一品。
何となくのネーミングセンスから、先ほどもかいたようにエキサイターやエンハンサーの類を想像していたのだが、実態はなかなかクラシカルなワークフローにデジタルプラグインの扱いやすさを追加したもので、個人的にそのワークフローにすごく納得感があった。
いつも通りだが、なかなかどうして、よくわかっている。
そんなbx_enhancerだが、どんな機能があるのか?
早速だが見ていこう。
機能面
まず、着目していきたいのがルーティングだ。
これが、画面のGUI通りじゃないのが非常によくできている。
ざっくりと要約すると、
まず歪をつくって、コンプレッサーでダイナミクスを安定させる。
次にBasisで基礎的な音の性質をつくった上で、ToneStackで調整、MSLR、FILTERを経て最後にDryWETが来ている。
これがどう良くできているのか?については感想面で記述していきたい。
bx_Enhancerはインプット、アウトプットを除くと、概ね4つのセクションで出来ている。
それぞれ解説をしていこう。
SCULPTセクション
SCULPTセクションは二つのノブと二つのモードで構成をされている。
BASISはAのモードのときにはティルトフィルターとして機能し、Bのモードのときにはミッドの大きなブースト/カットとして機能する。
BOOSTはSATとCLIPになっていて特徴は以下の通り。
SAT:入力信号に3次と5次の倍音を加えて、ブースト量をノブでコントロールする。
CLIP:ダイオードクリッパーの挙動をシミュレートしたクリッパーを搭載していて、Boostノブでハーモニクスの大小を調整できる。
Compressorセクション
VCAの挙動をシミュレートしたセクションとのこと。
POSITION:BASISやTONESTOCKのようなEQの前にCOMPをする(PRE)か、それらの後にCOMP(POST)をするのかを選ぶことができる。
Character:ニーの挙動を指定することが出来る。ソフトニー、ミディアムニー、ハードニーを持つ。
Release:100msから400msで調整をすることが出来る。
ATTACK:AttackとSlowの二択。
他、ExtSidechainも受け取ることができる。
COLOURセクション
特徴的なところだけ紹介していく。
BASSとEXCITEのABCはそれぞれのカーヴモードの変更を出来る。
BASS MID HIGHについては値が決められていて直感的に捻っていくかたちのGUIになっている。
M/S、Stereoセクション
いつも通り以下のものが搭載されている。
MonoMaker-どの周波数以下をMonoとして扱うかを指定する。リズムが立っていないときに使ってあげると良い。
StereoWidth-サイドバンドの調整をしてステレオ幅を広げたり狭めたりする。
StereoBalance-DAWに搭載されているパンと同様の作用。
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僕は現在、parasight masteringという場所でマスタリングエンジニアをやっています。
もし、マスタリングってどうしたらいいの?
自分のミックスって、どう仕上げたらいいの?
何となく今まで作った楽曲に聞きにくさを感じる・・・。
そんなご不安がありましたら、是非一度、依頼をしてみてください。
日本屈指の環境と、僕の技術できっとご満足いただける音をお届けしてみせます。
検証してみる
VCA部分はbx_masterdeskと大差なかったので詳しくは触れないが、他気になったところについて書いてみたいと思う。
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