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【週刊プラグインレビュー】Purafied Audio / VU COMP

さて、怒涛の更新ではありますが、今月最後になります。
今回扱うVU COMPは昨日(2022/10/28)にリリースされたいわゆるアナログモデリングモノのコンプレッサーなんですが、あまりに良くできているため、急遽書こうとしていたプラグインの予定を変更してお届けいたします笑

エンジニアかどうか?を問わず、実機系コンプ好きな万人にオススメできる仕上がりです。
それではやっていきましょう!プラグインレビュー!

VU COMPとは?

まず、新興メーカーなので、メーカーの紹介を。
Purafied Audioは最近できたメーカーで、Mixland,Kiiveの開発エンジニアのEddie LucciolaとSam puraさんが組んで、現場で戦い続けるからこそ出来るプラグインを目指したメーカーであるとのこと。

KiiveもMixlandもいわゆるアナログモデリングとデジタルのいいとこどりが巧いメーカーで、特に直近は頭一つ抜けてきていることが多いベンダー。

Sam Puraさんは、アメリカのポップパンク界隈のレジェンド的なエンジニア/プロデューサーで、その界隈で活動している人で名前を知らない人は恐らくいないクラスのエンジニアだ。
彼のワークスリストはこちらから。

このコンプレッサーの魅力を一言で説明するのであれば、脳死で使えるが、"本物感"ある実機エミュレーションだ。
実機エミュレーションに疲れている僕も、これには唸らざる得なかった。

まぁ、音を聞いてもらうほうがはやいよね、ということで、Samさんご自身が説明しているワークスルー動画を最初に貼っておきます。

これを見ていただければ、ぶっ潰してから勝負のジャンルにおいては相当いい線行ってることがお分かりいただけるんじゃないか?とは思う笑
ちなみに、Samさんのジャッジポイントも極めて分かりやすく説明されているので、勉強という意味でも参考になる。

VU COMPはいわゆるロックサウンドで良く定番で使われているコンプレッサー4種類が搭載されている。いわゆるド定番というモノだ。

ほぼ出尽くしている他のモデリングと明らかに差があるのは一体何が違うんだろうか?
どんな工夫をしてあるんだろうか?

その点をこのレビューでは考察していきたい。

なお、今イントロセール中で60パーOFFぐらいなので、いいじゃん!となった人は今のタイミングでどうぞ。

機能面

ざっくりと、機能面を見ていこう。

INPUT OUTPUT
オートゲイン機能で同時に操作ができるようになっている。
76系だと、これがあると便利だよね。

SC HPF
85Hzにサイドチェインハイパスフィルターがいれてある。低域をコンプレッサーが無視して動く・・・という意味。

BTM、TOP
PREとPOSTでかけられるEQ。後述するがよく練られている。

PWR
バイパススイッチ

THD
0で通常の状態、-10でディストーション無しになるように作らている。

MIX
Dry/Wet

その他
AB比較機能、オーバーサンプリング(16倍まで)、Undo Redoなど。

「ねぇ?Attack Release、Retioは?」というと、オススメのセッティング以外では使用できない硬派な仕様となっている笑
極端な話、レベルノブをひねるだけで即使える"漢気仕様"である。

一番美味しい設定しか使わせねえゾ?メーン。

各種モデリングについて

まぁ、ここの読者の人なら別に解説されなくても・・・って感じだと思うんだけど、一応マニュアルがめちゃくちゃ丁寧だったので和訳して置いときます。

Type A
TYPE Aは、悪名高きブルーストライプのFET Limiter、リビジョンAをベースに、4:1の比率でモデリングし、アタックを最も遅く(驚きの0.8ms)、リリースを最も速く設定することで完成させました。ポイントは、ゲインを上げるだけでいくらでもコンプレッションがかかり、トランジェントも全く問題ないことです。このコンプレッサーは非常に艶やかで、"The Sound of Hits "でボーカルに多用していることが公表された後、一般的になりました。

Type D
TYPE Dは、FET Limiterのブラックフェイス版であるリビジョンDをベースに、ノブはTYPE Aと同じように設定されています。ブラックフェイスのFET Limiterでありながら、リビジョンFに比べて非常にエッジの効いた音色で、その点でもボーカルやギターの定番コンプレッサーとして古くから愛用されているリビジョンです。

Type F
TYPE Fは、よりモダンなブラックフェイスFET LimiterであるリビジョンFをベースにしており、ノブはTYPE Aと同じように設定されています。このリビジョンはリビジョンDよりもかなり一般的に使われていて、プラグインの中で最もモダンなサウンドのコンプレッションモデルと言えるでしょう。

3A
TYPE 3Aは、FETではなくオプティカル・コンプレッションをベースにしており、このモデルは特にSam Puraのカスタム3aを使用しています。
サム・プラのカスタム3aスタイルのレベリングアンプを使用し、最高品質のT4Bオプトセルを使用するように改造されています。T4Bオプトセルを使用しています。このモデルでは "COMP "モードに設定し、存在しない アタック/リリースのツマミはそのままにしてあります。
TYPE 3Aは、レベリング系コンプレッションの中でも特に ロバート・ファズヒルやザ・サウンド・オブ・ヒッツのエレキギターが好きな人にはたまらないコンプレッション。
エレキギターならなおさらです。ハーシュネス、エッジ、ブームなど、どのようなコンプレッションにも対応しスムースなサウンドが得られます。

マニュアルより。

基本、実際にPandaスタジオで生き残ってるモノをモデリングしているようで、3Aに関しては特注モデルだってことがわかる。

分析してみる。

まず最初に気づかされたのは、ノイズフロアの挙動だ。
ずーっと無作為に揺らいでいる。

RevAのとき。

しかも、芸が細かいことに、揺らぎ方とノイズのプロファイルが機種によって違う笑
これはコンプ切り替えられます!系のモデリングエフェクターでは僕が知る限りは初めてのことである。

それぞれのモデルごとの歪の特徴をみていこう。

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