「現代mix考。」Saturation Control and the Theories
前回、予告したリバーヴ編の前に、今回と次回はサチュレーションについて語っていくことにした。
音の原理と原則から乗っ取るアプローチでいけば、先に響きの理解をしておいた方がいい。
しかし、実際にはサチュレーションを込みの前後関係に響きを足していく考え方のほうがMixそのものを組立やすいと感じたため、順序を変更させていただいた。
実際、響きの考え方としては、「この前後感、この定位にあるから、この響き方」というロジックで意思決定をしていくパターンが多い。
なので、リバーヴについて楽しみにしていた読者の方には申し訳ないが、先に前後感を語る上で外せないサチュレーションを先に語らせていただきたいと思う。
MIXにおけるサチュレーションとは何か?
さて、ここでは、Mixにおけるサチュレーションについて語っていきたい。
歪みと一言で言っても、多種多様な歪が存在する。
例えば、ギターで考えてみても、ファズのようなものから、オーバードライブ、ディストーション、ハイゲイン・・・。様々なモノが存在する。
これらを全て語るのは難しいので、ここでは「相対的なバランス関係に作用する歪」とその法則性、活用の仕方について語っていきたいと考えている。
相対的であるというのは、ある要素とある要素を比べたときに近い、あるいは遠いと感じる変化のことをさす。
ここでは単体の音作りとしてのサチュレーションというよりも、相対関係として影響を及ぼす歪にフォーカスをあてていきたい。
サチュレーションとは何か?
良くサチュレーションという言葉は聞くものの、それが何であるかを明確に定義している記事やサイトは少ない。
サチュレーションというのは、過大入力によるディトーション(歪)とコンプレッションの組み合わせだ。
実例を観てみよう。
僕が愛用している、Kelvinというサチュレーションのエフェクターがある。
これのTubeの効果を見てみよう。Boutique TUBEに過大入力をしていく。
明確に効果を測定するためにかなり過激な設定にしてはあるが、わかりやすいと思う。
これを1Khz、-18dBFSのサイン波に通すとこのようになる。
これは、画面中央の一番高く伸びている一本の線のサイン派に対して、そこから右は倍音が立ち上がって音が足されたことを意味している。
ここからわかることは、
「歪むと倍音が生成され、足される。」
ということだ。
次に、ダイナミクスはどうなっているかを観てみよう。
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