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昭和の日

緊急事態宣言が発出されて、私の職場も自宅待機対応をとりつつ毎週月曜は状況確認とミーティングのために出勤するシフトが組まれた。ただ火急の依頼はあるわけで、その処理を行うためにトータルで3日ほどだったが数時間だけ出社することがあった。クライアントとの対面はなく、自分の作業を仕上げて帰るというものである。膠接着は科学接着剤とは違って、その日のうちに次の工程へ進むことができない。接着後の諸々を終わらせるためだけに往復するのは勿体ないなと思い、この3日間はカメラを提げてぶらぶらしながら徒歩の割合を増やして出退勤した。不特定多数が利用するいつもの電車に乗るよりは、というのもある。3駅分歩いてみると、今まで見られなかった素敵な光の世界が広がっていた。たまに電車が止まっているときに、それくらいの駅数を歩くことはあったのだけれど、それはいつも帰宅時の夜の話で、太陽の光があらわにしてくれる景色は写欲を刺激するに十分すぎた。


Covid19 街並み019

Covid19 街並み011

Covid19 街並み026

機材はタグをご参照


36枚撮りを往復しただけで撮り切ってしまうくらいに楽しい東京感光。最寄り駅にあるカメラ屋さんへ巻き上げたフィルムをドロップしてしまおうと思ったら、このお店も5月6日まで休業するとの貼り紙を前にしょぼぼんと家路を急いだのでありました。そんなこんなで、4月29日に撮影した写真がようやくあがってきたので3枚だけ載せておきます。自作したサイドグリップの使用感も併せてチェックしてみようかと思いまして、感触はそこそこ良かったので少しだけ形状をブラッシュアップして、より手になじむように改良のアイディアが生まれた感光でもありました。

パチンコ屋さんが閉まっている光景や、駅前の通りが準シャッター商店街のように閉ざされている感じは、ポジフィルムに残しておいて正解だったのかもしれないと思います。気兼ねなくカメラを抱え、気兼ねなく写真を撮れる日がやってくることを願うばかりです。

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