専業になるかどうかと、なる場合の条件

注意
この記事において、大幅に内容が矛盾する項目を見つけたので、若干修正しました。


周囲から、専業トレーダー目指してます。何をしたらなれますか?と聞かれることが増えたので一度書くことにする。

前半では、専業になるかどうかを迷われてる方への記事。

後半部分は、専業になると決めたけど、専業に移行するタイミングの判断について迷われてる方向けに書いた。

結論から言うと、専業トレーダーになるのはオススメしない。
理由は、大きく分けて2つある。
それは、精神的余裕が無くなり、常に不安にさいなまれること、そして、なろうと思ってなるものではないからである。

筆者は、ならざるを得なかった理由がいくつかあり、それは家族の借金と筆者自身の社会適応性の無さが理由である。

順を追って書く。

強制的な動機が無く、他に選択肢があるならそちらを選ぶ方が良い。

これは強調してもし過ぎることは無い。

筆者の場合は、半ば中途半端な成績のまま専業になった。きっかけは新卒で3年勤務した会社をクビになったからだが、それ以上に父親が株が原因で親族から多額の借金を抱えていたのが動機としては大きい。

正直、普通に働いて返すには額が大きく、一生かかるくらいの金額だった。そのまま行ってもジリ貧になる生活はすぐに予想できた。
そこで、転職して中途半端にマーケットに参加するくらいなら、せっかく会社もクビになって時間が出来たから、これを機に相場をひたすら観察して身につけ、相場で借金を返すのが速いとなったわけである。

また、恥ずかしい話だが、会社をクビになったのはADHDが原因であり、精神内科でその診断を受けて医者から「少しADHDの中でも度合いが高いから、仕事を変えた方が良い。慎重に職を選択された方が良い」と言われたことがある。

元々、とあるメーカーの経理職をしていたが、ADHDには最も不向きな事務仕事である。
仮に転職したとしても、同じことになるのではと考えた。

ここで整理すると、
①普通に働いていては返せない借金があった
②転職後の人生が良い方向に向かうことが全く想像できなかった

この2点から、どうしても専業でやるしかなく、半ば半強制的に専業になることになった。

なぜ強制的な理由が必要なのか

冒頭で、なろうと思ってなるのではない、と書いたがその理由は、圧倒的に挫折が待ち構えていることが多いからである。

特にお金だけを目的にやると、マイナス時給もありうるため、投げ出すことも途中で待ち構えている。

筆者の場合は、親父の借金返済(途中で自らも借金を背負う)、転職が困難だったという強力な動機があったからマイナス時給の期間も耐えられたし、7年専業をやり続けられている。

もし、資産があり、生半可に仕事が出来て選択肢が沢山あればやっていなかった。
そして、中途半端にやっても勝てない世界であるから、選択肢が他にある方はそちらに行く方が良い。
あるいは、趣味でやることをオススメする。

どうしても専業になりたい方へ

それでもどうしても専業になりたいという方もいるかと思うので、ここで個人的に重要であると考えているものを書いて行く。

・売買システムの評価について

・適正別戦略と準備資金について

今回は時間の都合上2つだけ書く。

売買システムの評価について

ネット界隈で、月収100万達成という宣伝を見ると思うが、これには落とし穴がある。それは、どれだけ継続してそれを成し遂げているかである。

自分自身が採用している売買システムの評価というのは重要で、それを正確に評価する必要がある。

筆者がよく採用している評価方法は以下の通り。

まず、一回の売買のリスクをRとする。

それに対して、一回当たりの平均利益がRの何倍かを確認する(以下R倍数とする)。例えば、5Rとするなら、一回当たりのトレードの平均利益は取るリスクに対して5倍のリターンがあることになる。

そして、重要なのはここからである。

このR倍数の分布図を作成して欲しい。

どういうことかというと、標準偏差を求めるのである。
簡単に言うと、自分の平均利益にムラがあるのかどうか。

たとえば、期間あたりの平均利益が5Rならそれは凄い数字になるが、この落とし穴は連敗確率が考慮されていない点である。

どういうことかと言うと、極端な場合だと8連敗した後に9、10回目の取引でそれを上回る利益をたたき出してしまうなどで、その場合に平均利益が5Rになるケースである。ex,一回当たりのリスクが2万円として、8連敗して16万負けたが9.、10回目の取引で20万円勝つ、つまりトータルで4万の勝ちになりる。勝率によるムラがあるので、平均5Rでも地合いによって資産増加に差異が生じる。

この場合だと、地合いによって利益にムラが生じて、複利効果が効かないor運悪くDDを食らったりしたら破産という事態が待ち構えている。

そして、偏差の求め方であるが、簡単に書くと、平均利益曲線と各売買のR倍数を表示させるだけである。

良質な売買システム、つまり地合いに影響を受けにくく安定して利益が出せる場合、R倍数の分布は平均利益曲線の周辺に密集することになる。

逆に売買システムの脆弱性がある場合、つまりムラだらけの場合は平均利益曲線から乖離してR倍数が分布する個数が多いことになる。

簡単に言うと、平均点50点のテストで60点、40点の生徒が多い物をAとして、90点、10点と出来る出来ないにムラがあるテストをBとすると、Bは作成者の嗜好が濃く反映されている良質とは言えないテストになる。

要はAの売買システムが当然良いので、システムを評価するときはAに近いものであることを確認することが重要だと言える。

データを作成するときは、出来れば1000-2000回分の取引をベースにやる方が良い。サンプル数が少ないとデータにもムラが生じやすい。

逆に言うと、これだけの売買データを取ってもシステムにムラが無い場合は、かなり固い売買戦略を採用していることになる。

・適正別戦略と準備資金について

適正というのも重要であり、これも分けて書く。

まず、自分の直近の売買200-300回分で良いから、それを振り返り自分がどのタイプのトレーダーあるいは投資家かを見極める。

以下をベースに見て行く。

・一日当たりの取引数

・仕掛けから決済までの平均保有期間

・一回当たりの平均利益

・システムによる売買機会

・売買機会

これらを一個ずつ分けて書くのは面倒なので割愛するが、例えば、一日当たりの取引数が多い、あるいは保有期間が短いのであれば長期投資には向かない人である。

逆に、腰を据えて持つのが多いし、多少の値動きで決済をせずじっくり様々な材料で判断して大局を見るのが得意なのであれば、スイングからポジション、あるいは長期投資をベースに戦う方が良い。

この時、重要なのが一日あたりの売買機会がどうかも重要で、一回当たりのリターンがそこまで無い場合は、売買機会が多いほうが良い。

逆に低勝率型の場合はリターンが小さければ、専業になるべきではない。


例えば、腰を据えて大局を判断するタイプを例にとる。
この方の場合、一日に1-2回は売買機会があるとして、R倍数が5倍程度。
一回のリスクが口座資金の1-2%で勝率が3割なのであれば、破産確率は1%を切るので、十分専業で戦える。
低勝率型でもリターンでそれを補っていることと、一回当たりのリスクを抑えているので、損切りが多くなっても収束は狙いやすいのである。

このように一つ想定のタイプを作って、それをベースに加算減産方式で自分がどのタイプのトレーダーかを見て行くのが好ましい。

上記で挙げたタイプのトレーダーであれば、準備資金は100-150万でも良い。そこから加減して行く。

筆者の場合は、割と潤沢な資金から始めた。
これを借金の返済に充てれば良いじゃないかと言われるが、それでは返しきれない額であるので、返した所でジリ貧が待ち構えているから返済にしようしなかった。

ただし、他のNOTEでも述べたが、借金を背負うまでになり、トレードに回せる資金が50万まで落ち込んだことがある。

もちろんここからでも挽回は可能。

参考程度に聞いていただければ良いが、筆者のケースだとそれを5分割にして10万スタートで海外のハイレバ口座を使い、最初は一ヵ月で120万ほどまで増やせている。

この時採用したのは、連勝が続いた場合のみリスクを増やして、連敗が続けばロットを一気に落とすというやり方で対処した。リスクコントロールとマーチンゲール、あるいはモンテカルロ法という資金管理を使い、期待値が高いと思った場所だけフルレバ勝負。それ以外は一切やらないという押し引きで収束しやすい売買を心掛けた。

ただ、あくまで自分のシステムの平均期待値、平均売買機会、インからアウトまでの平均回転率、平均勝率、これらを総合して、各項目の評価が高い程、準備資金は少なくても良いし、それほど優れないのであれば資金は潤沢に用意した方が良いと考える。


さいごに

システム評価もそうだが、教科書通りでなくても構わないと思っている。

ナンピンもあり、ポジポジ病もありである。

ナンピンしない、あるいは期待値と売買機会、回転率も全部高い地合いを見極められる目を持っているのに、一日3回以上はやらないという自己ルールを設けるのはハッキリ言うとカモになりやすい。

自分の本能が受け入れやすく、また結果も客観的に長期間固いと評価されるのであれば基本自由。

自分が無理なくやれるものを採用した方が結果として長続きしやすいし、そのようなシステムを複数持てているのであれば専業になっても良いかとは思う。

以上になる。

長々と書いたが、読みにくい記事で申し訳ない。

何かの参考にして頂ければ幸いである。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?