ローカルで生成AIを使う最低限のPCを作ろうと思う 2023年12月版
はじめに
2023年 生成AIが一般に公開されてからはや一年が経とうとしています。
ChatgptをはじめStable Diffusionなど生成系AIが広く利用されるようになった元年でした
一般的に利用しようとするとクラウド上のサービスを使います
無料でも少しは利用できますが質のいいGPUを利用しようとすると優良サービスを使うことになります
2023年はいろんなクラウドサービスを試用してきましたが混雑時には使いたくても使えないという共用サービスのクラウドならではの不満点もあります
自分のPCで動作させることができればいいなぁ
と何度も考えましたが2023初頭では動作に必要なGPUがすごく高価だったこともあり検討はしてみたものの諦めるしかなかったのが実情でした
2023年も師走に入り相場も落ち着きまた生成AI側も進化を続けることで動作に必要なスペックも下がってきました
だったらここらで一度検討してみようと思い色々調べてみることにしそれをこちらのノートにまとめています
はじめに2(GPT4)
2023年は生成AIの分野で重要な年でした。ChatGPTやStable Diffusionなどの生成AIが広く一般に普及し始めた年であり、多くの人々がこれらの技術を活用し始めました。しかし、これらの技術をフルに活用するには、高品質なGPUを搭載したクラウドサービスを利用する必要があることが多く、無料サービスでも限定的な利用しかできません。クラウドサービスは便利ですが、混雑時のアクセス制限など共有サービス特有の問題も存在します。これらの問題を解決するため、自分のPCで生成AIを動かせたらという思いが強くなりました。2023年初頭には必要なGPUの価格が高騰していたため、多くの人々がこの考えを諦めざるを得ませんでした。しかし、年末になり市場が落ち着いたこと、さらに生成AIの技術が進化して必要なスペックが下がってきたことで、再びこのアイデアを検討する良い機会が訪れました。このノートでは、ローカルで生成AIを動かすための最低限のPC構成について、調査した結果をまとめています。
生成AIとは何か?(GPT4)
生成AI(生成型人工知能)とは、人工知能技術の一種で、新しいコンテンツやデータを自動的に生成する能力を持っています。この技術は、特にテキスト、画像、音声、音楽などのメディアコンテンツの生成に用いられます。生成AIの主な特徴と用途を以下に示します。
主な特徴:
データ駆動: 生成AIは大量のデータを学習し、その学習したデータを基に新しいコンテンツを生成します。
自動生成: この技術は人の介入なしに新しいコンテンツを生成する能力を持っています。
多様性: 生成AIは多種多様なスタイルやフォーマットのコンテンツを作成することができます。
適応性: 新しいタイプのデータや要求に応じて、生成内容を調整することが可能です。
主な用途:
テキスト生成: AIが記事、物語、コード、対話などのテキストを生成します。ChatGPTはこの一例です。
画像生成: 例えば、Stable DiffusionやDALL-Eのようなツールが、テキストの記述から画像を生成します。
音声生成: 音声合成技術を使用して、リアルタイムで自然な音声を生成することができます。
音楽生成: AIが独自の曲や音楽を作成することも可能です。
データ拡張: 既存のデータセットを補完または拡張するために、新しいデータを生成することもあります。
生成AIは、クリエイティブな作業の効率化や、新しい形のコンテンツ作成において革命的な役割を果たしています。この技術の進化は、エンターテイメント、教育、ビジネス、科学など多岐にわたる分野で新しい可能性を開いています。
2023年の生成AIの動向(GPT4)
2023年の生成AI(人工知能)の動向は、以下のような重要なトレンドと進展によって特徴付けられています。
技術の進化と普及
高度化したアルゴリズム: 2023年には、生成AIのアルゴリズムがさらに洗練され、リアルな画像や自然なテキスト、進化した音声生成など、より高品質なコンテンツを生成できるようになりました。
マルチモーダルAI: テキスト、画像、音声など複数のモードを組み合わせた生成AIが普及し、より複雑でリッチなコンテンツの生成が可能になりました。
産業への影響
クリエイティブ産業の変革: 芸術、デザイン、映像制作などのクリエイティブ分野において、生成AIが大きな影響を与え、新たなスタイルや手法が生まれました。
ビジネスプロセスの最適化: 企業が生成AIを利用してコンテンツ作成、データ分析、マーケティング戦略などの業務を効率化しました。
アクセシビリティと普及
より手頃な価格: AIモデルの効率化とクラウドコンピューティングの進歩により、生成AIのアクセスが容易になり、より多くの個人や小規模ビジネスでも利用可能になりました。
エンドユーザー向けアプリケーション: 一般消費者向けの生成AIアプリケーションが多数登場し、日常生活でのAIの活用が進みました。
倫理的および法的課題
著作権と知的財産: AIによるコンテンツ生成が著作権や知的財産権の問題を引き起こし、法的枠組みの見直しや新たなガイドラインの必要性が議論されました。
偽情報との闘い: 生成AIによるリアルな偽情報やディープフェイクの増加に対して、対策としての技術開発や政策の策定が進められました。
教育と研究
学術分野への応用: 教育や研究分野においても、生成AIがデータ解析、教材作成、シミュレーションなどで広く活用されるようになりました。
教育プログラムの導入: AIと機械学習に関する教育プログラムが多数の教育機関で導入され、次世代のAI専門家の育成が進みました。
これらの動向は、生成AIの急速な進化とその社会への影響を示しています。この技術は、人間の生活やビジネス、クリエイティブな活動に新たな次元をもたらし、同時に新しい倫理的および法的課題を提起しています。
クラウドサービスの利点と欠点(GPT4)
クラウドサービス、特に生成AIに関連するものは、多くの利点と一部の欠点を持っています。これらの特徴を理解することは、特に生成AIを利用する際に重要です。
クラウドサービスの利点
スケーラビリティ: クラウドサービスは需要に応じてリソースを簡単に拡大縮小できます。これにより、ユーザーは必要な時に必要なだけの計算能力を利用できます。
コスト効率: 高価なハードウェアを購入する必要がなく、使用したリソースに応じてのみ料金を支払うため、初期投資が少なくて済みます。
最新の技術へのアクセス: クラウドサービスは最新の技術やソフトウェアへのアクセスを提供し、常に最新の状態を保つことができます。
メンテナンスの容易さ: ハードウェアやソフトウェアのメンテナンス、アップデートはサービスプロバイダが行うため、ユーザーはこれらの面倒を見る必要がありません。
リモートアクセス: インターネット接続があればどこからでもサービスにアクセスでき、柔軟性が高いです。
クラウドサービスの欠点
インターネット依存: クラウドサービスはインターネット接続に依存しているため、接続が不安定だとサービスの品質に影響します。
プライバシーとセキュリティの懸念: データが外部のサーバーに保存されるため、プライバシーやセキュリティの問題が生じる可能性があります。
コストの予測困難: 利用量に基づく課金モデルは、予期しない高額な料金が発生するリスクがあります。
パフォーマンスの問題: 特に高負荷時には、レスポンスタイムが遅くなることがあります。
カスタマイズの限界: クラウドサービスは一般的に標準化されたサービスを提供するため、特定のニーズに合わせたカスタマイズが困難な場合があります。
これらの利点と欠点を総合的に考慮し、特定のニーズや状況に応じてクラウドサービスを適切に利用することが重要です。特に生成AIのようなリソースを多く消費するアプリケーションの場合、これらの要因がより顕著になります。
ローカルPCで生成AIを動かすための要件
ローカルPCで生成AIを効果的に動かすためには、特定のハードウェアおよびソフトウェアの要件を満たす必要があります。これらの要件は、使用する生成AIの種類や目的によって異なる場合がありますが、一般的な基準は以下の通りです。
ハードウェア要件
高性能GPU: 生成AI、特に画像やビデオを生成する場合には、高性能のグラフィックスプロセッシングユニット(GPU)が必須です。NVIDIAの高性能GPU(例:RTXシリーズ)が推奨されます。
十分なメモリ: AIモデルのサイズに応じて、大量のRAMが必要になることがあります。通常、最低でも16GB以上のRAMを推奨します。
またGPUのメモリーも多いほうが推奨されます 推奨は12G以上になります。高速なプロセッサ: 効率的なデータ処理のためには、高速なCPUが必要です。例えば、Intel Core i7/i9やAMD Ryzenシリーズなどが適しています。
大容量のストレージ: 大規模なデータセットを保存するためには、十分なストレージスペースが必要です。SSD(ソリッドステートドライブ)を使用すると、読み書きの速度が向上します。
ソフトウェア要件
オペレーティングシステム: 多くのAIアプリケーションはLinuxベースで最適化されていますが、WindowsやmacOSでも動作するものがあります。
適切なフレームワークとライブラリ: TensorFlow, PyTorchなどのAI開発フレームワークや、必要に応じてCUDA、cuDNNなどのNVIDIAのライブラリが必要です。
開発環境: コードエディタや統合開発環境(IDE)など、AIモデリングに適した開発環境を用意する必要があります。
ネットワーク要件
安定したインターネット接続: データセットのダウンロードやモデルの更新などには、高速で安定したインターネット接続が必要です。
その他の考慮事項
冷却システム: 高性能ハードウェアは多くの熱を発生するため、効果的な冷却システムが必要です。
電源: 高性能コンポーネントは多くの電力を消費するため、十分な容量の電源ユニットが必要です。
予算: 生成AIに適したPCは高価になることが多いので、予算の計画も重要です。
これらの要件は、生成AIの種類や使用目的によって異なる場合がありますが、一般的には上記のようなスペックが求められます。特にGPUの性能は、生成AIのパフォーマンスに大きな影響を与えるため、ここに投資することが重要です。
セットアップと最適化の方法
ローカルPCで生成AIをセットアップし最適化するには、ハードウェアの準備からソフトウェアの構成、さらにはシステムのチューニングに至るまで、いくつかの重要なステップを踏む必要があります。以下に一般的なガイドラインを示します。
ハードウェアのセットアップ
GPUのインストール: 高性能なGPUをPCにインストールし、適切な電源供給を確保します。
メモリの確認: 必要なRAMが搭載されていることを確認し、足りない場合は増設します。
ストレージの準備: 高速な読み書きが可能なSSDを使用し、AIモデルとデータセット用の十分な空間を確保します。
冷却システムの確認: 効率的な冷却システムが設置されていることを確認します。
ソフトウェアと環境のセットアップ
オペレーティングシステム: 一般的にLinuxが推奨されますが、WindowsやmacOSで動作するAIもあります。
必要なライブラリのインストール: AI開発に必要なフレームワーク(TensorFlow, PyTorchなど)とライブラリ(CUDA, cuDNNなど)をインストールします。
開発環境の準備: コードエディタやIDEをセットアップします。Visual Studio CodeやPyCharmが人気です。
システムの最適化
ドライバの更新: GPUのドライバを最新のものに更新し、最適な性能を確保します。
メモリ管理: 不要なアプリケーションを閉じて、可能な限り多くのメモリをAIアプリケーションに割り当てます。
ストレージの最適化: OSとAIアプリケーションがインストールされているドライブの空き容量を十分に確保し、定期的にデフラグメント(SSDの場合は不要)を行います。
ネットワークの設定
安定したインターネット: 高速で安定したインターネット接続を確保します。必要に応じて、有線接続を選択することを検討します。
パフォーマンスモニタリング
システムモニタリング: CPU、GPU、メモリの使用状況を定期的に確認し、パフォーマンスの問題を特定します。
セキュリティ対策
ファイアウォールとアンチウイルス: 適切なセキュリティ対策を施し、システムを保護します。
このプロセスは、使用する生成AIの具体的な要件と目的によって若干異なる場合があります。特に、新しいAIモデルやフレームワークがリリースされると、追加の設定やチューニングが必要になることがあります。常に関連するドキュメントやコミュニティのガイドラインを参照し、最新の情報に基づいてセットアップを行います。
予算別のPC構成例
予算別にローカルPCの構成を考える際、生成AIを効率的に動作させるために必要な主要なコンポーネントはGPU、CPU、メモリ、ストレージです。2023年現在の市場価格と技術水準を考慮して、異なる予算レベルでの構成例を示します。
以下円安情勢に対応するためドルで表記しております(2024.1現在 1$=144
2025.06.6現在 1$155円前後(半年で10円以上か・・)
低予算構成(約$500-$800)
CPU: AMD Ryzen 5 3600 または同等のIntel CP
GPU: NVIDIA GTX 1650 または中古の高性能GPU
RAM: 16GB DDR4
ストレージ: 500GB SSD
マザーボード: B450 または B550 チップセット搭載マザーボード
電源: 500W 80+ ブロンズ認定
ケース: 予算内で手に入る基本的なモデル
中予算構成(約$800-$1700)
CPU: AMD Ryzen 7 3700X または Intel Core i7-10700K
GPU: NVIDIA RTX 3060 または RTX 3060 Ti
RAM: 32GB DDR4
ストレージ: 1TB SSD
マザーボード: X570 または B550 チップセット搭載マザーボード(AMDの場合)、Intelの場合はZ490
電源: 650W 80+ ゴールド認定
ケース: より良い冷却機能を備えたミドルレンジのケース
高予算構成($1700以上)
CPU: AMD Ryzen 9 5900X または Intel Core i9-10900K
GPU: NVIDIA RTX 3080 またはそれ以上
RAM: 64GB DDR4
ストレージ: 1TB NVMe SSD + 2TB HDD
マザーボード: 高品質のX570(AMDの場合)またはZ590(Intelの場合)
電源: 750W以上、80+ プラチナ認定
ケース: 高品質な材質と優れた冷却機能を持つ高級ケース
これらの構成は一般的なガイドラインです。市場の変動や個々のニーズに応じて、部品を適宜調整する必要があります。また、特に生成AIを扱う場合は、GPUに多くの予算を割くことが重要です。生成AIの特定の要件や目的に応じて、これらの構成をカスタマイズすることが推奨されます。
まとめと今後の展望
まとめ
2023年は生成AIの分野で重要な年であり、この技術はクリエイティブ産業、ビジネスプロセス、教育、さらには日常生活においても大きな影響を与えました。クラウドサービスは生成AIを利用するための主流の手段となっていますが、高性能なローカルPCによる自宅での利用も増えています。ローカルPCで生成AIを動かすためには、高性能GPU、十分なメモリとストレージ、高速CPU、適切な冷却システムが必要です。これらの要件を満たすためのPC構成は、予算に応じて多様です。
今後の展望
技術の進化: 生成AIの技術は引き続き進化し、よりリアルなコンテンツ生成、効率の良いアルゴリズム、複数モードの統合が見込まれます。
アクセシビリティの向上: 技術の進歩により、生成AIはさらに多くの人々にとってアクセスしやすくなり、個人ユーザーや小規模ビジネスにも手が届きやすくなるでしょう。
倫理的・法的枠組みの発展: 生成AIの広範な利用に伴い、著作権、プライバシー、偽情報の問題に対処するための法律や規制が進化し、より明確なガイドラインが設けられることが期待されます。
新たな応用領域: 教育、医療、科学研究など、新しい分野での生成AIの応用が期待されます。特にカスタマイズされた教育コンテンツの生成や疾患診断の支援など、人々の生活を直接的に向上させる用途が注目されています。
総じて、生成AIは今後も革新的な発展を遂げ、社会におけるその役割と影響はさらに拡大することが予想されます。技術進化に伴い、個々のニーズに合わせたPC構成やクラウドサービスの選択が、より重要な意味を持つようになるでしょう。
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