4月16日 決められたルールより自分を信じた。

松永真さんを語る上で、スコッティのパッケージコンペも忘れてはならない事柄です。

1986年当時は、今では考えられないことですが、ティッシュペーパーのためだけに世界各国からおよそ20人ものデザイナーを集めて、国際コンペを開いていたのです。
「コンペのオリエンテーションで出されたお題は、
・パッケージも花柄で!
・ロゴを使うこと
だったそうです。
しかし、松永さんは、日本人の『ウサギ小屋』としかいいようのない住空間を考えたとき、各部屋を占拠するティッシュごときにまで自己主張してほしくない、静かにしていてくれたほうがいい。と考えたそうです。
そして、花柄ではなくストライプに。そうすると既存ロゴではバランスが悪い(要するにダサい)から、つくりなおしちゃおう。
ということで、半年かけてロゴも一新したそうです。

いわゆるルール違反をした提案でしたが、結果として世界中の猛者が参加したコンペを勝ちとり、今でもお馴染みの超ロングセラー商品になりました。

文章抜粋
花柄とロゴという2つのルールを度外視できたのは、まだ若かった私が世界の猛者たちとまともに戦っても、勝てないと思ったことが大きい。オリエンテーションよりも、自分を信じようと決めたのです。

依頼者(クライアント)の指示に忠実であることばかりがデザイナーの仕事ではないですよね。間違っていると思えば、よりよい表現があると思えば、最適解があると思えば、自分を信じて提案することが重要ですね。
そしてなによりもデザイナーにとって重要なスキルは、その本質的な課題に対しての解決策を考えられる力なんですよね。