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元歌舞伎町No.1ホストが解説するガンプラの世界

昨今のコロナ禍で家にいる時間が増えたことにより人気が再燃する分野もある。その1つがガンプラだ。今回の記事では後輩で元歌舞伎町No.1ホストの石垣さんにガンプラの魅力を解説して貰おうと思う。

まず前提としてガンプラとは人気アニメ番組ガンダムのプラモデルの愛称である。男性であればガンプラと聞いてピンと来るだろうが、女性の中にはガンプラが何を指すかも分からない方もいるかもしれない。

ガンプラは今年で発売40周年にあたる。販売元はバンダイナムコホールディングス(以下バンナム)。40周年を記念して今年夏に山下ふ頭に動くガンダムが登場(※2)した事で話題にもなり、公開を12月19日に控えている。現在の社名はバンダイとナムコが合併したことによるが、ガンプラはバンダイ時代からの人気商品だ。ホビーのまち静岡で生産され(筆者の余談だが、ゲーム桃鉄の静岡イベントでおもちゃ工場につぎ込んで一攫千金を狙ったのは良い思い出)、40年間の販売総数は約5億個以上(※1)。ガンプラの値段はグレードにより大きく違うが、単価1,000円と仮定すると40年間の売上は5,000億円にのぼり、平均で1年125億円の売上ということにあり、ガンプラだけでも100億円企業というなかなかの市場規模だ。1980年に7月に初のガンプラとしてRX-78ガンダム(いわゆるファーストガンダムのメイン機体)を売り出したところ半年で販売100万個を超える売筋商品なり、人気商品としてガンプラは定着する。


バンナムは2020年現在で売上高7,000億を超える巨大企業である(※3)。キャラクターコンテンツとしては仮面ライダーシリーズ、ドラゴンボール、ONE PIECE、NARUTOなどのキラーコンテンツを保有する。ガンダム関連は巨大IP(知的財産)でありガンダムだけで年800億の売上高がある。お茶の間で大人気かつおもちゃ展開で有名な仮面ライダーシリーズの売上高が年に300億程度であることを鑑みれば、ガンダムIPがいかに大きな市場かわかるだろう。

さて、小学生の頃にガンプラを作っていた男性は多いだろう。かくいう筆者はF91とVガンダム世代である。ガンダムを2頭身化したSDガンダム全盛期でもあった。大学生くらいまでは100分の1スケールのガンダムを組み上げて自ら塗料で塗り上げるなどしていたが、いつの日が作るのを止めてしまった。

多分、多くの人が大人になるにつれて日々の仕事などに忙殺されて、もしくは大人になってもガンプラを作ってるという人目を気にしだして、いつの日か作るのを忘れていくものかもしれない。

そこで30歳を過ぎてもガンプラを作り続けている後輩の元歌舞伎町No.1ホストの石垣さんガンプラとのライフストーリーを聞いてみた。石垣さんもVガンダム世代だ。7歳でガンプラを作り始め、9歳から本格的に作り出した。今までに200体以上は作っているという。石垣さんも僕たちと同じように高校生の頃にガンプラを止めてしまった。僕が彼に出会ったのは、その頃だ。僕が住み込みの内弟子として空手道場で修行をしていた時代に、新しい門下生として入ってきたのが石垣さんだった。彼が高校生のときにガンプラを停止したのは、高校生活で服に趣味が移行していったという如何にも青春時代らしい理由だ。ただ、ガンプラへの愛情がなくなった訳ではなく、作りたいと思ったキットを買って保有しておく、いわゆる“積みプラ”はしていたという。

社会人になって、歌舞伎町でホスト稼業を始め店舗でよNo.1に登り詰め、その後はアパレル業界に転職した。人から見たら華やかな世界であるが、自分を飾り続けなければならないこと、お客さんに気を遣い続ける職業。それに疲れ始め、何にも気にせずに没頭する時間が欲しくなる。そこでストレス解消という意味もありガンプラへの熱が再燃した。

社会的なタイミングも後押しした。当時、ガンプラバトルをテーマにした“ビルドファイターズ”というアニメがヒットした。今もこのシリーズは続いており、現在3期目に突入している。このアニメ放送時期はバンナムがガンプラに力を入れ直した時代だと言われており、「このアニメの放送でかつてのガンプラユーザーの過半数が戻ってきたのでは。」と石垣さんは話す。

ライフスタイルと社会的なタイミングが合致したのがガンプラに戻ってくる好機になったといえるだろう。

次回は、石垣さんの言葉でガンプラの魅力、それがバンナムの社風に繋がっていることについて。


※1 バンダイナムコホールディングス ガンプラ - バンダイナムコホールディングス プレスリリース
https://www.bandainamco.co.jp/cgi-bin/releases/index.cgi/press/9699?entry_id=6772


※2 東洋経済オンライン 「機動戦士ガンダム」の人気が40年も続く理由https://toyokeizai.net/articles/-/297320


※3 ニッポンの数字|統計、企業決算、月次情報を毎日更新
https://www.nippon-num.com/corporation/other_manufacture/7832.html 

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