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書評『さよなら、野口健』

業界話題の1冊、名著。
私にとって(最も私の業界のほぼ全ての人がそうだろうが)憧れになり難い野口氏を元マネージャーの目線で語る。これは強烈な野口氏へのラブレターだ。

彼の悪魔的魅力が蟻地獄を生み出す。魅力は使い方次第だ。それでも彼なりの美学があるのだと知ったし活動を通して多くの人が救われてもいるのだ。

そしてあとがきで分かる。いや、あとがきがなくても構成で分かっていた。集英社インターナショナルでこの手の名著の編集はやはり田中伊織氏。野口氏の処女作『落ちこぼれてエベレスト』や、ぼくのバイブルで100回は読んだ恩師の冒険家大場さん『笑って死ねる人生がいい』、角幡唯介氏『新・冒険論』、小松由佳さん『人間の土地へ』の担当でもある。

この本の私のもう一つのイメージはメフィスト・フェレス。改めて田中氏の切り込み方に恐れ入るととも編集者として彼自身も悪魔的能力を身につけている。

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