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小学生のポケモンぬりえから学ぶポケモンの収益世界一のメディアミックス1


「うちの子どもがポケモンぬりえばかりやっているんです。」
「どうしてあんなに夢中になるんですかね。」
との書き込みが僕のSNSにあった。僕も子どもの頃にぬりえを夢中でやった記憶がある。ぬりえという単語にはノスタルジーさがある。このインタビュー企画でぬりえを調べて見たら面白いのでは、と直感的に感じた。

少し調べて見ると、ポケモンと塗り絵のマーケットのリアルに驚愕した。
「塗り絵の本が600万部突破!?」
「ポケモンのメディアミックス市場はダントツで10兆円超え!?」
今回の取材を通しポケモンぬりえから知った世界を紹介する。

ポケモンぬりえ好きな友人のお子さんに会うために世田谷区仙川に向かった。

駅を降りると若い世帯の多いベッドタウンという感じで、小さな子どもを連れた親子連れが目立つ。都心に近い割に高層マンションはそこまで多くなく、見上げた空が広く感じられる。8月下旬、午後を過ぎた残暑の真っ只中。太陽は高く煌々と街を照らす。歩く人は建物がつくるわずかな陰を縫うように歩く。お伺いするお土産にスイカを一玉買い求めようとスーパーを転々とするが、既にスイカの時期は終わりのようで、数店舗を巡ってようやくカットスイカを見つけることしかできなかったので、追加でこれから旬となるブドウを買い求める。えらく厳しい今年の夏も、果物的にはしっかりと季節の移り変わりをしているようだ。

友人一家が住むマンションの一室にお伺いして、ポケモンぬりえにどハマリ中のダイホくん(6歳)に挨拶をすると、シャイな子のようで目線を僕からズラしながら返事をしてくれた。
子ども対象の取材および撮影は非常に難しい。写真を撮ろうとすると隠れてしまったり、逃げてしまったりする。心が打ち解けてからでないと一言も話してくれなかったりする。つまりは出会った瞬間から、既に取材対象であるダイホくんとの信頼関係作りが始まっている。いきなりに「君のぬりえを見せてよ。」と言っても気分を害してしまう可能性が高い。ぬりえは子どもとって宝物のように大事なものだろう。自分たちの立場に置き換えればわかることだが、お初にお目にかかる突然の来訪者に「あなたが大事にしている〇〇を見せてください。」と言われても、気分が良くないし、見せないだろう。大事なのはまずは信頼関係を構築することだ。

まずはダイホくんと遊ぶ。ダイホくんは毎日のようにドラえもん版人生ゲームのようなボードゲームで遊ぶというので一緒に遊ぶ。ここで僕は大失敗をしてしまう。ダイホくんにゲームで勝ってしまったのだ。実は子どもは性質的に大人よりもメンツを気にしたりする。子どもがついつい知ったかぶりや有る事無い事言ってしまうのはメンツを守る為だとも言われている。
ゲームをしながら程よくペースを併せて行き、いい勝負を続ける。そして最後に逆転負けをして、相手のメンツを立たせる。というのが僕の計画だったが。最後の方は、僕のサイコロが奇蹟的な采配を見せ、先にゴールしてしまった。まいったな、と思う。ダイホくんの顔を見るとなんとも言えない顔をしている。それはそうだ。彼は毎日のようにこのゲームをやっているのに、初めてやった僕に負けてしまったのだから。


作戦は見事に失敗した。どうしよう。

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