見出し画像

モダン 黒単貴重品室デッキガイド

割引あり

こんにちは。BIG MAGIC ELDERSの黒田正城です。
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

チャンピオンズカップの予選シーズンがパイオニアからモダンに変わり、直近では大きな変化として《激情》と《豆の木をのぼれ》の禁止改定もありました。これからエリア予選も始まりますが、皆さんの調子はいかがでしょうか。モダンの環境がどうなっていくのか、非常に興味深いところです。

私は店舗予選1回、プレミアム予選1回の敗退を経て、どうにかプレミアム予選を突破し、本戦の権利を獲得することができました。デッキは一貫して「黒単貴重品室」です。(漢字が多いので、以降「黒単」と書きます。)有利不利がはっきりしているためTier1のデッキではありませんが、とにかく自分の性に合っているため2か月近く使い込むことになった、最近のお気に入りです。

デッキのマイナーチェンジはありますが、戦績は覚えている限りで
BIG MAGIC CUP      6-0-2 
晴れる屋 チーム戦    5-1
ドラスタ 店舗予選    5-2-1
BIG MAGIC CUP      3-2
BIGs VS はまキッズ対抗戦  0-1(瞬殺!)
晴れる屋 プレミアム予選 2-2
ドラスタ プレミアム予選 7-1
MMMファイナル      4-3
晴れる屋 年末チーム戦  4-0
と、なかなか安定しています。(MMMファイナルはマリガン地獄で惨敗でした・・・)

ちなみに権利を獲得したドラスタのプレミアム予選は、
赤単(オボシュ)   ○○
エスパーコン     ○ー(相手デッキ不備でゲームロス)
エスパーコン     ××
カスケードクラッシュ   ○○
死せる生         ○○
グリクシス死の影     ×○○

SE
エスパーコン     ○○
カスケードクラッシュ ○○
という結果でした。時期がちょっと古いのであくまでも参考程度です。

この記事では予選を突破したタイミングから2023年末までの期間に得られた経験をベースに、個別カードの採用理由や評価、サイドボーディング、デッキの改善アイディアなどを紹介したいと思います。これからエリア予選にチャレンジする人の助けになれば幸いです。予選突破時点の採用理由を軸に書いていますが、最新版と微妙に差異があります。そのため表現がちょっと紛らわしいですがご容赦ください。

また、後半部分を有料設定にしていますが、おまけとして購入いただいた方からのご質問を随時受け付けています。回答は有料記事部分にどんどん追記していくスタイルです。
記事だけですべてを網羅的に書き残すことはできないと考えていますので、不明な点があれば自由にご質問いただければ幸いです。下記のどちらかにご連絡ください。

Xアカウント:@masashiro41236



デッキ概要


ではデッキ紹介です。予選を突破したときのデッキは下記のとおりです。

黒いデッキ(紙)はFoilがとても映えることに気づきました

そしてこちらが最新版(2023年12月29日時点)です。

イクサランで登場したカードに影響を受け、いくつかの変更点があります。

黒単は、緑トロンの兄弟のようなデッキです。緑トロンは《ウルザの塔》、《ウルザの鉱山》、《ウルザの魔力炉》の3種類を揃えることが目標です。一方、黒単は4枚以上の《沼》と《陰謀団の貴重品室》を揃えることが目標です。その際、《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》があると急激にマナが増えますが、トロンと違って必須条件ではありません。

ウルザの鉱山
ウルザの塔
ウルザの魔力炉


これらの土地を揃えて大量のマナを出し、《大いなる創造者、カーン》から状況に応じたアーティファクトを持ってきてゲームに勝利する、という点はどちらのデッキでも同じで、主な勝ちパターンになります。それまでのつなぎとして《一つの指輪》が重要な役割を果たすところも同じです。

緑トロンと大きく異なるのは、1~2マナ域に手札破壊とクリーチャー除去を有している点、7枚もの《廃墟の地》によって相手の特殊地形を攻めることができる点です。デッキの構成上、多くの《沼》を使えるのでタップインやライフロスが少なく、《血染めの月》にも耐性があります。余談ですが、我々おじの世代は、デメリットのない基本地形のことを「健康ランド」と呼んでいます。つまり黒単は言い換えると「健康トロン」なのですが、若いプレイヤーにこれを言っても全く通じませんでした笑

黒単には多種多様なクリーチャー除去が入っており、手札補充も得意です。そのため「クリーチャーを場に出して、真面目に何回か攻撃して勝つデッキ」に総じて有利です。何回か攻撃して勝つ、というところがミソで、《死せる生》やアミュレットタイタンなど、一撃でゲームがほぼ決まるデッキは苦手です。他にもクリーチャーがほとんど出て来ないコントロール系のデッキなど、「上記の定義に当てはまらないデッキ」に対して不利という、わかりやすい性格です。
現在トップメタであるラクドスに対しても有利が付くところが、黒単を使う大きな理由になっていると思います。ですからメタの状況に合わせて、クリーチャーデッキが多い環境であれば黒単を使うと良いでしょう。逆に、天敵である「青黒ライブラリーアウト」の達人が店に何人もいる、というようなお店ではおとなしく別のデッキを使った方が良いと思います笑

個別カード紹介(メインデッキ)

それでは、個別カードの紹介に入ります。まず、定番中の定番から一応やりましょう。必ず4枚使うカードなので、変更の余地はないパーツだと思います。

《思考囲い》

当たり前すぎて紹介する必要性を感じませんが、黒いデッキの必須パーツです。たった1マナで最も厄介なカードを落とすことができる挨拶カード。モダンの黒いデッキと言えば《悲嘆》がセットとして使われていますが、黒単には《悲嘆》を入れるスロットがありません。大抵の場合《思考囲い》がデッキに入っている唯一の妨害手段であり、極めて重要な存在です。続唱やトロンのように、特定のキーカードに依存しているデッキに対しては、このカードの有無がキープ基準にもなります。今のところ、一度もサイドアウトしたことはありません。

《致命的な一押し》

これも当然のように4枚採用のカードです。《敏捷なこそ泥、ラガバン》や《エスパーの歩哨》のような1マナクリーチャーだけでなく、《黙字録、シェオルドレッド》などの4マナサイズも一瞬で対処。やはり1マナというのは非常に効率がよく、最近やたらと見るようになった《オークの弓使い》に対しても、ほぼいつでも対応することができます。また、カスケードクラッシュのサイトークンにも、このカードのおかげである程度抵抗できます。ちなみに黒単には《廃墟の地》が実質7枚入っていて、紛争を容易に発生させられるのでとても使い勝手が良くなっています。
除去するクリーチャーが入っていないデッキと当たることも多いので、頻繁にサイドアウトします。緑トロン、死せる生、青白コンなどが代表例です。

《オークの弓使い》

一度このイラストになったら戻れません笑

黒マナが出るならとりあえず入れておけ、という壊れカードです。むしろ、このカードのために黒マナを足すデッキもあるぐらいです。
モダンはレガシーのように強力なドロー呪文が飛び交うわけではないので爆発力は控えめですが、相手が《一つの指輪》を起動するタイミングなどに合わせてプレイするとたまりません。ブロッカーとしても優秀で、動員トークンと本体で《大いなる創造者、カーン》を2回守ることも多く、このデッキに欠かせない重要なパーツだと思います。新しいイラストのバージョンがめちゃくちゃかっこよくてお気に入りです。

《大いなる創造者、カーン》

なかちかさんに譲ってもらった、このイラストがお気に入りです

このデッキのメインエンジンです。使い方はほとんど緑トロンと同じで、戦況と相手のデッキに応じて致命的なアーティファクトを持ってくる、ということになります。
1回目は《一つの指輪》になることが多いです。次いで《液鋼の塗膜》も、相手の土地を阻害する目的で使うことが多いですね。相手の土地をアーティファクトにしてから、カーンの+能力で0/0のクリーチャーにすることで土地破壊が可能です。起動型能力が使えなくなるというカーンの特性を利用して、相手のアップキープにプレインズウォーカーをアーティファクトにすることもあります。
大量のマナが出るようになったら、《隔離するタイタン》や《街並みの地ならし屋》にお呼びがかかります。《タイタン》は4Cオムナスに対する最終兵器で、着地すればほぼゲームを取れるでしょう。《街並みの地ならし屋》は適当に相手のパーマネントを破壊するだけでも十分強いですが、特に黒単だと触りづらい《力戦の束縛》を破壊できるのが高評価です。

《一つの指輪》

このイラストも最高です

言うまでもなく、デッキの中で一番強力で最も気持ちのいいカードです。メインに3枚、サイドに1枚です。《大いなる創造者、カーン》で持ってくる第一候補となりますので、メインデッキには実質7枚入っていることになります。こちらも新しいイラストがめちゃくちゃカッコいいので乗り換えました。サイドの1枚だけは別バージョン(サージFoil)です笑

ちなみに、このカードが禁止されるべきか?という件については諸説ありますが、私は禁止する必要は無いと考えています。ラクドスやカスケードクラッシュ、ハンマータイムなど、指輪を使わずに結果を残しているデッキがたくさんありますし、バーンデッキのように、指輪が文字通り重荷になるマッチアップもあるからです。「ダニで割れるから」という理由だけではさすがに不十分ですが、デッキの多様性を生み出す非常に良いカードだと思います。
まあ、目の前のプレイヤーがニッコニコでカードを引いていたら我慢できないので、やられる側からするとゼッタイ禁止!!だと思いますが・・・笑

《不憫な悲哀の行進》

序盤は軽いインスタント除去として活躍し、後半は除去を兼ねた巨大なライフ獲得手段になります。《一つの指輪》によって受けたダメージを一気に取り戻すことができるので、見た目以上に大事な役割を果たしていると思います。またプレインズウォーカーを対象にできる点が、とても気が利いていて素敵です。クリーチャーに向けてプレイした際、そのクリーチャーが除去されて対象不適正になるとライフが増えないので、切羽詰まった状況のときは注意しましょう。
重なって引いた場合にはピッチコストに当てることもできますが、手札でだぶついていることも多いです。もしかすると、このカードだけはメタに合わせて3枚に減ることがあるかも・・・と思っていたのですが、最近は一周回って4枚必須だと思っています。

さて、ここからは1~3枚の採用になります。調整の余地がある枠ですね。今回の採用理由をメインに解説したいと思います。

ここから先は

13,986字 / 37画像

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?