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9月以降のPWFMについて

こんにちは。BIG MAGIC ELDERの黒田正城です。

今回の記事は、9月以降に開催されるPWFMに関して、私の個人的な考えをまとめたメモ書きです。プレイヤーの一意見として、気楽に捉えてもらえると嬉しいです。ではさらっと行きましょう。

本題の前に

私は今回のPWFMを企画・開催してくれるウィザーズを全面的に応援しているということをお伝えしておきたい。紙のスタンダード環境を盛り上げる起爆剤として、プロモカードの準備やルールの設定など、色々と苦労されたことだろう。ただ、ユーザーの意見を聞いてみると改善の余地もありそうなので、ネット上での評価や今後の期待を簡単にまとめてみた上で私の意見も述べておこうと思う。

PWCSとPWFM

PWFM(プレインズウォーカー フレンドリーマッチ)は、前身のPWCS(プレインズウォーカー チャンピオンシップ)から生まれ変わってできた大会である。
PWCSは優勝者に特別イラストの《放浪皇》が配布されるイベント。強さとイラストを兼ね備えた大人気のカードということもあって、競技性や緊張感の高い大会であったが、おそらくこれはウィザーズの想定していた姿ではなかったと推測する。

強さもイラストも過去最高クラス


PWFMになってからは「フレンドリー」という名の通り、敷居を下げてスタンダードを気楽に楽しもう!という趣旨が強くなっている。そのため賞品も優勝者だけでなく、じゃんけんで参加者1名に配布されるよう変更され、気楽に大会を楽しめる雰囲気が好評だ。途中のラウンドで負けても「じゃんけんあるし最後までやろう」となるので、プレイヤーが続々とドロップして閑散とした決勝戦が行われることはなくなった。私も暇を見つけてはニッコニコのフレンドリースタイルで参加し続け、マジック歴の短いプレイヤーと当たったらデッキを強化できそうなレアをプレゼントするなど、スタンダードの布教活動に取り組んできたつもりである。

次環境でまた活躍してほしい

このPWFMについて先日アナウンスがあり、次回の賞品が特別イラストの《ヴェールのリリアナ》になることが発表された。リリアナはこれまでに登場したプレインズウォーカーの中でも屈指の力を持つ強カードであり、長年にわたって活躍している。今回の新イラストを考慮すると、放浪皇にも引けを取らない人気カードになるだろう。

これはいけません、いけませんよ!

PWFMのターゲットは誰?

これがはっきりしていないので、今回のPWFMに対して賛否両論が出ていると感じている。主に初心者~中級者を対象に、「マジックの裾野を広げるための、敷居の低い大会」をイメージしていること自体は大変良いと思うが、賞品の豪華さがその方向性と合致しておらず、違和感を感じる。マジック歴の短いプレイヤー全員が黒いデッキを使うわけでもないし、「リリアナって誰?」というプレイヤーもたくさんいるはずだ。
26年ぐらい前の私の経験だが、カードが十分に揃っていないような時期に未知のカードと出会い、少しずつデッキが強くなっていく過程は最高に楽しかった。初期段階のプレイヤーがより一層マジックにハマるための起爆剤は、プロモパックのようにレアが複数手に入る賞品ではないかと思う。
ゲームそのものと、カードを集めることに面白さを感じてくれれば、この時期のプレイヤーは勝手にどんどんハマっていく。このイベントが終わったあとも遊び続けてくれることが重要だから、「運が良ければ高額なプロモカードがもらえるかもしれないから、スタンダードをしよう!」はちょっと違うように感じる。
余談だが、最近は禁止改定の際、なぜそのカードが禁止になったのか?を理由も含めて丁寧に説明してくれるようになった。こういったイベントの趣旨、方向性についても、もう少し明確に示してくれるといいなと思う。
→店舗に配布された案内文で完全に解決されました。ウィザーズありがとう!!

なぜ参加賞は《ファイレクシアの憤怒鬼》なのか?

リリアナの件と関連して、この点についてはあえて意見を言いたい。前回のPWFM参加賞は、見た目麗しい《希望の源、ジアーダ》。天使デッキの必須パーツでもあり、パイオニアでも活躍するぐらいの力を持っている。これが実質参加賞になっていたため、継続してPWFMに足を運ぶ十分な理由になっていた。

使ってみるとビックリ。めちゃ強いんです。


今回の参加賞を振り返ってみよう。20年前ならいざ知らず、「団結のドミナリア」発売後のスタンダードで《ファイレクシアの憤怒鬼》を出されたことは一度もないし、このクリーチャーが初期段階のプレイヤーのデッキを強化する可能性も残念ながら低い。黒いカードで縛りをかけたかったのなら《喉首狙い》や《強迫》、《しつこい負け犬》、《墓地の侵入者》など、使用頻度が高く、もらって嬉しいカードを別イラストにしておくだけでも、満足度は格段に上昇したと思われる。もしくは美麗な《沼》でも良かったのではないか。枚数を揃えるために何度も参加するモチベーションにもつながったはずだ。
参加賞が高価なカードである必要はないが、集客にもっとも影響のある項目と考えるので、本当にもったいない。次回以降、十分に検討していただきたいと思う。さっきも書いたけどプロモパックでもいいんだよ・・・


ドラフトではとても強い。けどね。。。

なぜカード配布の方法は「じゃんけん」なのか?

他にもくじ引きや抽選など様々な方法があるものの、余計なルール説明や準備が不要で、圧倒的に短時間で終わるじゃんけんが選ばれているのだろう。じゃんけんが嫌いな人がいるのは間違いないが、確率的にはどれでも同じ。
ただ、仲の良い店舗スタッフとプレイヤーが事前に打ち合わせて・・・など、色々と疑わしいことが可能なため、店舗によっては公平性を担保するために一工夫入れているところもある。グーチョキパーのカードを1枚ずつ用意して、スタッフが一枚を裏向きに選ぶ。全員が手を出した後に、選んだカードを公開する。というようなやり方である。これだと、プレイヤー側も後出しができない。賞品が高額になると揉めごとが付きまとうので良い方法だと思う。

お店にお願いしたいこと

プロモ目当てでまともにゲームをする気がない人、新規参入者が嫌な思いをするような言動をする人など、マジックの裾野を広げることに対して阻害要因になりそうなプレイヤーは強い気持ちで排除してほしい。このイベントは「スタンダード環境のゲームを楽しむこと」が第一目的である。ルール的に問題ないからと言って、基本土地しか入っていないようなデッキを持ち込むのも論外である。そこまで極端なのは出てこないと思うが・・・
あと、参加費は必ず取ってほしい。もしくはその店舗でパックを買った人だけが参加できるとか。無料にすると、じゃんけんだけが目的の招かれざる人種が参加することを防げないし、結果としてマジックを楽しみに来たターゲット層に嫌な思いをさせてしまう可能性がある。これは他のイベントでも経験があるので、重要だと思っている。
→これも配布された文章で完全に解決されました。ありがとう!

イベントに対する改善提案

先日のツイートでアンケートを実施し、3000名以上の人に回答いただいた結果によると、現在開催されているPWCSと同様の方式である「優勝者+じゃんけん勝者の2名に配布」で良かったという意見が6割で圧倒的多数となった。(念のため補足しておくと、回答者が私のフォロワーさん中心ということなので、偏りがあるかもしれない。)

それと、先程書いたとおり賞品がリリアナだから「少なくとも優勝者には配布してよ」という反応が出るのは当然のことだと思う。PWFMの趣旨に合致させるなら、もっと平坦に配布される賞品を用意し、リリアナのような賞品を出すPWCSを別開催するのも一案ではないか。ストアチャンピオンシップというイベントもある。
とはいえ、今回は「じゃんけんで2名に配布」で試してみる価値があると思う。これでお店にたくさんの人が集まるなら、それはそれで素晴らしい。

このイベントを楽しむための提案

ネットでデッキをコピーせずに、自分で組んで参加しよう!

我々はトーナメントで実績を残したデッキリストが配布されることに慣れ過ぎた。プロツアーの翌日には、トップ8に残ったデッキの中から自分の好みに合ったものをバイキング形式で選び、そのまま大会に持ちこんで1日を過ごすことが当然のようになっている。ただ、マジックの根源にある面白さはそこだけではない。自分でデッキを作り、試行錯誤しながら強化される過程を楽しむ時間は本当に貴重なものだと思う。

スタンダードはローテーションのルール変更によって、これから少なくとも1年近く今のカードを使うことができる。エルドレインのカードと、思わぬシナジーを生む可能性もあり非常に期待が高まるところだ。特に「決戦の後に」のカードは、ほとんど研究されておらず掘り出し物が残っているように感じる。

《僧院の導師》もいるよ
スタンダードに無限コンボあるよ!
《離反ダニ、スクレルブ》と揃ったら勝ちだよ!


今回のPWFMは、統率者のようにカジュアルにスタンダードを楽しむことが目的だと、公式がはっきり発表してくれた。我々もその趣旨に応じて、このイベントを最大限楽しんでいこう。その場に新規プレイヤーが参入して、マジックがもっと盛り上がってくれることを期待したい。
もしかしたら、じゃんけんでとんでもない賞品が手に入るかもしれない。それに、(微妙かもしれないけど)参加賞もついてくるぞ!笑


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