『吉宗評判記 暴れん坊将軍』@時代劇専門チャンネル 全207話完走
3/30(水)放送分で、昨年から放送された松平健主演の『吉宗評判記 暴れん坊将軍』の全207話を完走した。第1話から通して観たのは実は初めてで、リアルタイムでも再放送でも飛び飛びでは観ていた。月~金の帯放送というのは観る方はかなりキツいのだが、ま、本編約46分なので、空いた時間にさっと観るというスタンスで、なるべく溜めないようにしていたのは良かったのかもしれない。だが、TVKで勝新太郎主演の「座頭市物語」「新・座頭市」が火~金の帯で放送されていたときは2本立てになっていたので、これはさすがにキツかった。
第1話「春一番! 江戸の明星」から最終話の第207話「しばし名残の八百八町」まで。序盤のころは中村梅之助主演の『遠山の金さん捕物帳』も同様なのだが、試行錯誤しながらが続いて、次第におなじみの形になってくるのが興味深い。最初に吉宗が本気で切ろうとしたときに、有島一郎演じる加納五郎左衛門が「上様、切ってはなりませぬ」と言ったことをきっかけに、悪人でも峰打ちし、親玉は御庭番が切るというパターンに落ち着いていく。だが、吉宗がどうしても許せないというときは、お庭番に「手出し無用」と言って自らが成敗するというパターンも生まれた。そして、ワンパターンにならないようにという工夫が随所に施され、さまざまなパターンが生まれたというのも、順番に見ているからこその発見だった。
吉宗に成敗される悪役たちも実力派揃いで、田口計、川合伸旺ほか、何度も登場する人もいて、見るたびに「何度目だよ」とツッコミを入れつつも楽しんでしまうのも時代劇の楽しみ。あと、悪役でも善人役でも出演している人も実はいて、小池朝雄、小林昭二などがその例だ。現在は有名でも、当時は無名でこんな役で出ていたのかなんていうを見つけるのもまた楽しい。そして、和崎俊哉は序盤はめ組の小頭役で出演して、途中、別の役でも出て、第88話「燃やせ!限りある命を!」で御庭番の半蔵役でレギュラーになるという変則パターンになった(エンドロールではレギュラーになる前まで小頭としてずっと画面に映っていたということもあった)。さらに、後のシリーズでレギュラー出演することになる田中綾子(当時は田中綾名義)が最初は端役、出演を重ねるごとに出世していって、後半ではヒロイン役で出演するというところまで来るというプロセスが見られたのも興味深かった。
時間はかかったが、全207話を完走できたのは正直、ホッとしているし、よくやったものだと本当に思う。4/4(月)からは第2シリーズも始まる。『暴れん坊将軍』全話放送は続くが、まだほんの4分の1程度。どこまで続けられるかはわからないが、行けるところまで行ってみようかと考えている。