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表面実装とスルーホール実装のエフェクター


■言葉の意味

○表面実装
パソコンの基板で見れるような、数ミリの小さなチップ部品等を基盤の表面に直接はんだ付けする実装方法。
その技術のことを
SMT/Surface Mount Technology
表面実装部品は
SMD/Surface Mount Device
と略して呼ぶ。


○スールーホール実装
多くのハンドメイドメーカーのエフェクターに見られる基板に穴を開けてその反対側で半田付けして部品を固定する実装方法
その技術のことを
THT/ Through-hole Technology
若しくは
THM/ Through-hole Mount
スルーホール実装部品は
THD/Through-hole Device
と略して呼ぶ。



■よくある勘違い

電気電子に余り関わりがない人からすると表面実装の基板を見てデジタルと思い込む人がいる。それは間違いで、入力されたアナログ信号をサンプリングレート(インターフェイスの設定でよくみる44100Hzとかの数値)にて標本化、ビット数を指定して量子化し、0/1の数字に置き換えて符号化したものをデジタル信号と呼びこのようにアナログからデジタルに変換するAD変換部品がついたものをデジタルエフェクターと一般的に呼ぶ。



■紛らわしい物

最近、楽器のアナログ信号はそのままに量子化せず、コントロールのみをデジタル化してプリセット等が組めるようになっているような複合型のペダルも見かけるようになった。


■THT信者 以下個人の感想

世の中には表面実装は音が悪い、ハンドワイヤーでスルーホールが音がいいという人がいるが、誰かの言葉を借りるのであれば、地球が平たいと未だに信じてる人がいるのと同じような物である。
超がつくほどの精密さが要求される医療機器には基本的にはSMTで構成されており、現在世の中のほとんどがSMDで構成されている。
抵抗について取り上げるだけでも、SMDには誤差精度が1桁違うくらいに性格な部品もある。
SMDはTHDより劣っている部品なんかでは全くない。


■まとめ

音の良し悪しについては私は次の二つあると思っている。
前提として良い設計下に置いて

1-正確に前の音を次に伝える事ができる。

2-信号自体歪んでしまっても、聴感上音楽的によく聞こえさせる事ができる。

そのペダルに1番と2番のどちらを求めたいかによってもSMD,THDどちらを使用したペダルを選択したいかが変わってくる。
例えばEQといったいわゆる補正系は1番が重要なのかと個人的には思う。
Empress なんかがそうである。
コンプ、ブースター、バッファーは癖をつけたいかクリーンでありたいか狙いによってどちらでも面白いと思う。
オーバードライブやプリアンプは個人的には癖や味を出すTHDが好みである。
もちろん設計にて根本的な音作りができていてのビルダーの遊び心での部品選択における話である。

SMDのみで組んでいても良い設計で特徴的ないい音を出すペダルも山ほどある。その逆でTHDで何の面白みもない使いづらい音のペダルも山ほどある。

実際、好きな音が出れば何でもいいが、個人的にはその辺を気にしている。
各メーカーのビルダーから作り出される作品の面白さを感じたいがための私のペダル選びの選択の一つ指標である。

電源周りはより正確に設計したいのでSMD, 音声信号ラインにはSMDではなく、こだわってMELF抵抗やNOSやビンテージ部品を使用する等の工夫した基板も面白い。

食わず嫌いでなく、まずそれぞれの良さ面白さを考えた上で選んだ方が面白いと思う。
地球が平らと考える人がいたが何故だろうか、もし平と考えたら面白いなとかそう言う思考を持ちながら柔軟にお気に入りのペダルを見つけていくのも一つの手であろうと思う。
ペダルの裏蓋を開けてカラフルで大きな部品が入っていたら嬉しい気持ちもすごくわかるが、本質は好きな音なのかいい音なのかどうかである。


ちなみに私は地球はドーナツ状だと思ってる。
嘘。


以上











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