キツネ

どうも、まさるんです。

よく神社に「狛犬」って居ますよね?

あれに似た形の奴で「キツネ」って見た事無いですか?本殿って言うのかな?メインのお参りする所じゃなくて、大体、そこからちょっと離れた場所にある小さいお参りする所によく居ます。

今日は、それに纏わるお話です。当然実話ですが信じられない人は厨二の戯言と笑って下さい。

みんな広場で待って居るのに、珍しくニキが来るのが遅い。今日は、何して遊ぶとか、危なくないか?喧嘩にならないか?全てニキが管理をしてくれてるので、俺たちは毎日楽しく遊ぶ事が出来ている。

「あっ!ニキと警部が帰ってきた!」

シロが叫ぶとみんなは二人の所へ駆け寄った

「ただいま・・・」

ニキと警部の元気が無い・・・ってか警部は普段からあんな感じかw

「どうかしたの?」

サチが心配そうに尋ねると・・・

「うーん・・・今日は、俺とまさるん抜きで遊んでくれ!俺の代わりに警部が遊ぶから、まさるんは俺に付いてきて・・・」

みんなは広場で警部を待ち、俺はニキの家に荷物を置きにより、ニキの後を付いて行った。ニキは何も話さない上、いつもより険しい表情が気になって仕方が無かった。

「ここだ・・・」

自宅から少し離れている上に近くに公園や広場などがない為、あまり来ない場所にぽつんと神社が立っていた。御神木なのか境内には大きな桜の木が立っていて凄く感じ良い神社だ。ニキは参道を外れ本殿の横を通り、裏手にまわった。

「キツネ・・・?」

そこには2体のキツネの石像が並べられており神棚の様な物とお賽銭箱、難しい漢字が書かれたのぼり旗、所々に千社札なのか御札なのか解らない何かが貼ってあった跡が多数見られた。

「なぁ、何か変な感じとかするか?」

ニキは俺に問いかけた。俺は正直に答えた。

「全く何も・・・」

「そうだよな・・・」

ニキは何か思い詰めながらその場を後にし、ちょっと先にある酒屋さんでジュースを買ってくれた。酒屋さんを囲むブロック塀に寄りかかりながら座り込み、一口ジュースを飲むとニキは語りだした・・・

「まさるんさぁ、四日前だったかな?晴れてるのに雷か爆発みたいな大きな音がしたの覚えてる?」

俺は頷いた。忘れる訳がない。凄く天気が良くみんなで遊んでいたら、大きな落雷の様な爆発の様な音がし、家に居た大人たちも慌てて外に出てきたんだから・・・

「実はな、この先にクラスメイトの家があって・・・」

ニキの顔が段々暗くなる・・・もしかして・・・

「友達の家が爆発・・・」

「違うよ!馬鹿!」

ニキは、いつになく真剣な顔をしてる。今日は真面目に聞く事に集中しよう・・・   

「あの日な・・・」

ニキの話によると、その友達は帰る途中でトイレに行きたくなったんで、さっき行った神社でトイレを借りようと寄り道したらしい。でも、境内にトイレは無く仕方がないので裏手に周り立ちションをしたら、さっきのキツネの前だったらしく、用を足してる時に例の音を聞きびっくりして走って家に帰ったそうだ。その詳しい状況を聞いたのは三日前の事。その日は普通に話し、勉強し、家に帰ったそうだ。その日の夜、急に高熱を出し動けないので次の日の学校を休む。昨日も休むのではないかと思って居たら、普通に登校。顔色が悪く何も喋らないまま午前中が終わり、給食の時間になると具合が悪そうだからと隣の席の子が給食を用意してくれた途端、手掴みと言うか直接口で食べる犬食いで給食を食べだす。それに驚いた女子が悲鳴をあげると彼は何も持たず走って逃げ出す。すぐに学校から家に連絡し近所を探すとこの神社で丸くなり寝て居たとの事。彼は家に帰ってもその獣の様な仕草を辞めず、親は精神科のある大学病院に連れて行かれ「原因不明」のまま入院させられてしまった為、しばらく学校には来れないと今日連絡があり、みんなに伝えられ何か心当たりは無いか?との情報提供を促されたので帰りが遅くなったと教えてくれた。

「ニキはどう思ってるの?」

思い詰めたニキに問いかけると、ニキはこう答えた。

「罰が当たったんじゃないかな?って」

彼に直接会った訳でも無く、神社で異変を感じた訳では無いので何も言えないが・・・そう考える気持ちは良く解る。実際、「狐憑き」と言ってキツネに取り憑かれると言った話もあるくらいだから。


それから数日後、彼はどんどん痩せこけ衰弱死してしまう。言葉も全く話さない状態で唯一発声するのは、遠吠えの様な鳴き声だけだったそうです。


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