痔瘻&イボ痔の入院手術、術後外来通院の記録

よくある痔瘻の記録です。筆者は40代男性です。
似た症状の方の参考になるよう記録として残しておきます。
書こうと思い立ったのが1回目の退院後約2ヶ月経ってからなので、一部記憶違いもあるかもしれません。
拙い文章ですが、お付き合いいただければ幸いです。

強烈な痛みから通院の決意

自覚

2023年9月下旬
仕事中のトイレのウォシュレット使用時に強烈な痛みを覚え飛び上がり悶えた。
何かしらの痔がありそうなことは以前から自覚していた。恐る恐るトイレットペーパーで触れてみると肛門周囲の一部が腫れていることが分かる。
なんとか拭き終え仕事に戻るも気になって仕方がない。
春頃にラピュタのパズーのセリフを文字って冗談を呟いた際に、友人が怖そうな病名の可能性もあるからはよ通院しろとリプしてくれたことが頭をよぎる。
もはやこれまで。まずは病院を探さないといけないと考えた。

翌朝何故か痛みが少ないことに気づく。屁をすると水っぽい反動が尻から感じられ、慌ててトイレへ。拭き取ってみると見慣れない黄色い液体がペーパーについてきた。
…膿か?これは…
通院までの間はひとまず畳んだトイレットペーパーをあてておくことにした。

ネットで調べたり友人や家族に思い当たる病院がないか聞いてみた結果、地元では有名らしい松島病院という大きな肛門科に行くことに決めた。


1回目の入院まで

初診:1回目の肛門周囲膿瘍の切開

2023年9月末
初診は予約いらないようだが、初めての病院なのでどのくらい混むのか予想もつかない。念のため早めにと朝から病院へ向かった。
聞いた話によると以前は近くの別の場所にあったようで、今の場所になったのは最近なのか建屋とエントランスがやたら綺麗。受付で初めての旨伝えると、よくある初診時のアンケート的なものを渡され記入、内容が尻に特化してるなという印象を受けた。
5階の受付でなんかスマホでの入力をしろと言われアンケートに記載したものと似たようなものをまた入力した。いやさっきアンケ書いたじゃん、面倒くさい…。

正直今は痛みが落ち着いている、本当に来る必要があったのだろうか、怖い。ドキドキしながら2時間ほどで診察室へ。
エロ漫画やAVでしか見たことがないような銀色の器具が診察台に置いてあるのを見てビビる。こんなの入らないだろ…。
診察台に横になり体育座りのような姿勢になると、助手の看護師さんがバスタオルをかけてくれた。これが微妙に安心感をもたらす。ズボンをずり下げられるがあまりたくさん下ろされた感覚はない。これで本当に診れるのだろうかと疑問が浮かんだ。

前述の銀色の器具や触診はあっという間に済み、痔瘻であると即答される。こんなにすぐ分かるもんなのか。
絶対ではないが痔瘻は手術をしないとまず治らないこと、諸々説明を受ける。
ひとまず今溜まっている膿を抜かないといけない、診察の後の予定が問題ないようであれば今日切開しましょうとのこと。
えっ今日もう切るの!?原付で来てるんだけど!?
先延ばしにしても怖いだけなので了承し切開を受けることにした。

各種痔についての説明が載っている小冊子を見ながら時間を潰す。怒涛の展開に不安しかない。
再度別の診察室に呼ばれ先ほどと似た姿勢になる、もう少し膝を抱えるようにと指示が出る。切開が始まる。

とにかく痛い、多分痛いのは局所麻酔をした時で切っている時ではないのは頭では理解しているが痛い。
手を握る力が強くなって呻き声のような変な声が滲み出た。泣きそう。
でっかいガーゼのようなものをあてて貼りつけ、終わったら20分ほど部屋の前の待機用の少し固めの椅子に体重をかけて座る。これが止血になるのかな。

待機後処置室に呼ばれ確認後に次の予約をして帰宅。
頑張ったので帰りにラーメンを食った。
1週間酒禁止か…。


経過

でっかいガーゼは結局トイレでは外さないといけないので、翌日には外した。これがとにかくまた痛い。尻周りの毛が濃いのが多分に影響していると思う。
出血は特になく多少痛むが日常生活に支障はない。
浸出液とやらのため生理用ナプキンでも買った方がいいのかどうか迷う。


診察

2023年10月上旬
診察はあっという間に終了。主に今後の検査と入院のための話。
入院前にはかならず大腸内視鏡検査を行うとのこと。なんでも内部の構造の個人差によって取れる術式が変わるのだとか。
仕事やイベントの予定で最速の検査プランが作れないのが悩ましかったが仕方ない。
なお後日仕事の予定が一部延期になり、それが事前に分かっていれば最速プランが組めたわけだがさすがに後の祭りである。

12月に検査の予約をし直前に使う薬を処方され帰宅。
ちゃんと保管できるだろうか。
ともあれ一旦酒と運動が解禁されたのが嬉しい。


大腸内視鏡検査

2023年12月中旬
検査日の3日前から整腸剤のような薬を飲む。前日は朝から晩まで検査食に適合した食事をする。
自分の場合は、すべておかゆにした。職場ではコンビニで売ってるレトルトのおかゆをマグに開けてレンジしてみた。物足りない。

検査ではモビプレップとかいう下剤のようなものを合計1.2リットルくらい飲むらしい。
家で飲んでからという方法もあると聞いたが移動中が不安で仕方ないので病院に着いてから飲み始める方式にした。

病院に着いて検査の受付と着替えをする。検査着のズボンのお尻部分が空いているのがなんとも不安を煽る。
10分毎に200ミリくらい、1時間程度かけて飲んだ。
排便回数を記録するらしいが、検査担当の看護師さんが言うほどすぐ出てこない。
最初座りながらお腹をさすったりしていた周りの人たちも徐々に立ち上がってうろうろしながらお腹をさする方式に移行していくのが少し面白い。謎の連帯感がある。

出始めたら後半は出たものを看護師さんに見せないといけない。これが最初ものすごく抵抗を感じる。
いやいやどうみてもグロ画像でしょう…見慣れてるんだろうけど。
出たものの透明度やカスの量で検査できるか判別するのだと。
なかなか出きらず周りの人たちが次の部屋に行き心細くなる。追加で1杯飲まされた結果なんとか最終的にはほぼ無色透明で細かいカスがない状態になったが、体重が飲み始める前の状態にならないとダメらしい。まだ出せと…?
少し待ってたら出た。体重許容範囲ギリOKをもらい、次の部屋へ。

扉を開けると診察待機室。景色が一変することで何故かカイジを思い出す。
軽い診察を受け検査のベッドがある場所へ移動し点滴を受ける。ほどなく移動されるが眠くなる薬が入っているのでよく覚えていない。
目が覚めた時には検査は終わっていた。

この後入院の日程決めかなと思っていたら、入院の日程は決めるがそれに応じた入院前検査というのをするらしい。
前段階多すぎだろう…
検査でポリープが見つからなかったのは嬉しいが変わりにイボ痔が2つ見つかった。
帰りはラーメンと餃子を食った。

なお入院前2~3週間はできれば禁酒しろと言われている。
1月中旬だから年末までは飲んでも…いいよな!

ちなみに部屋のランクは何段階かあって、最安は追加料金なし(6人部屋だったかな)、続いて5500円、7700円(4人部屋)が現実的なライン。追加料金がある部屋はWi-Fiが使える。さらに上もあるが割愛。
なるべく保険で出る額におさめたかったので5500円の部屋にした。
5500と7700の違いは通路側と窓側の違いらしい。

10月に入院の話が出始めてからすぐ職場には話して少しずつ調整をしている。術後2週間程度休めと言われたが、休みは問題なく取れた。


入院前検査:2回目の肛門周囲膿瘍の切開

2023年12月末
朝から入院前の検査、肛門内圧、診察、レントゲン、血液、心電図、身長体重、と順調に進んでいる…はずだった。
エコー検査の人によれば、痔瘻が管状になっていない膿がまた溜まっているらしい。
痔瘻の手術はなるべく管状になっている時でないと切る範囲が広がって筋肉や機能への影響が出やすくなる、今ならまだ膿を抜いても入院日程を変えずに済む範囲だとか。

抜いてもらった。
待機中に診察室から出てくる後輩諸君()が待機用椅子に座る様子を見ると、ああ抜かれたんだな、お疲れ様と思う。
でもやっぱり自分の番がくると怖いし痛い。
この痛みは慣れることはないと思う。
突発なので処置も遅くなり、日中には数十人がごったがえすフロアだが自分が終わるころには2~3人しか外来患者が残っていなかった。

年明けから禁酒、切開後1週間は禁酒、つまり年内に飲める日は2日程度しかない。
諦めて年末までの予定を全てキャンセルした。年末は家で少しだけ飲もう。

1週間後年末ぎりぎりでの診察を終え、後は入院を待つばかり。


1回目の入院中

入院当日

事前の準備として下記のものを準備した
・下着(予備含め8着)
・サンダル(100均の)
・シャンプー&ボディーソープ(100均の小ボトルに詰め替え)
・タオル予備(1枚)
・ウェットティッシュ
・マスク
・歯ブラシセット
・ティッシュ1箱
・紙袋
・暇つぶしグッズ(タブレット、Switch、イヤホン)
・充電器類
着替えとタオルはレンタルなので中型リュックで済んだ。

朝指定された時間に病院へ。今日から入院の旨を1階の受付で伝えると5階の入院受付へ直接どうぞと言われる。
5階の入院受付に名前を書いて待つ。ほどなくして呼ばれ、申し込み書類関連の確認を行う。保険証も確認。ここでマイナカードを使って高額医療費の限度額表示に同意をしておいたので、退院時の請求では事前に引かれた額が請求されることになる。楽になったもんだ。
病棟の階に行けるカードを渡され移動、エレベーター内の該当フロアへのボタンはこのカードでピッとやってからでないと押せない。

7階に着いた後はソファで待機。血圧測定と検温をしてフロアの案内をしてもらう。自販機の位置とかお風呂の位置とか諸々。
トイレがやたら沢山ある、部屋のが空いてなければ他の部屋専用でないところは自由に使って良いとのこと。
各トイレには後述の坐浴で使うためのお湯が出る蛇口が付いている。

部屋に案内された後は棚の説明とかを受け、レンタルパジャマに着替える。
昼食後に明日手術を受ける人たち向けの説明があるらしいので時間になったらエレベーター付近のテーブルに集合とのこと。
水と麦茶をいくつか+入院セットを売店で買う。サイズは看護師さんに計ってもらって指定のもの。弾性ストッキング、丁字帯、坐浴トレー、パッドなんかがセットになっている。
入院セットと一緒に水・麦茶を買うと店員さんが察してストローをつけてくれる。

昼食は手術前日なので当然ながらそれに合わせたもの。の割にはちゃんと鶏肉なんかもあって味も薄味だけど美味しい。
固形ごはん、鶏肉の煮物、豆腐、おつゆ

前述の説明会では、手術の順番がいつごろ決まってお知らせがくるかとか、手術後起き上がり禁止なので必要に応じてカテーテルを入れるとか、坐浴の仕方とかがざっくり知らされた。
質問では、カテーテルを入れずに尿瓶にできる人の割合を聞いた人がいた。手術の麻酔が効いてる間に入れる人が半々、入れなかった人で尿瓶にできずカテーテルを入れてもらうことになるひとがさらに半々というなんとも無難なある意味はぐらかしたような回答だった。
…事前に入れるか!カテーテル。

痔瘻の術式としては、切開開放術、くり抜き、シートン法と大きく3つが主流のようだが、入院前に色々と体験談を見たものの結局自分が受ける術式は知らされていない。気になって仕方ないので診察時に聞いてみたところ、手術時に患部の状態を見ながら決めますとのこと。うーん…わからないのは不安なんだよな…

概ね入院当日としては他に昼間やることはなく、ただSwitchで遊ぶほどの心の余裕はないのでタブレットで動画を見たりして時間を潰す。
夕飯も昼食同様簡素なもの。
おかゆ、かじき、おつゆ
食後に下剤を飲む。大腸検査の時と違うマグコロールとかいう名前のドリンク。200ミリくらいか、炭酸オレンジっぽくてちょっとうまい。
ここからが本当の闘いだ。

翌朝までの排便回数を記録しろと言われていたが、寝るまでに固形のものが出たっきり朝方まで全く出る気配がない。焦る。よく眠れない。
まあ術後にいくらでも寝られる機会はあると心を落ち着かせる。
出始めたのは4時、5時過ぎくらいからだろうか。なんだかんだ4回くらい出て検査時とまではいかないものの、大分透明感のある状態になった。


入院2日目(手術当日)

朝6時に起床、ここからは水を飲めない。
腸内に残った最後のものを出すためか、坐薬を入れてもらう。
15分は我慢しろと言われた。20分くらいで限界を感じ排便、点滴が始まった後も順番がくるまでにもう1回は出たはず。点滴が繋がっていると拭きにくい。
そわそわしながら順番を待つ。午後からの人は昼食も取れず水も飲めずでもっとそわそわするのだろう、午前中で助かった。

順番が来ると看護師さんに連れられて職員カード専用の扉の先にあるエレベーターに乗る。
秘密基地感がすごい、少しテンションが上がる。
手術室は複数部屋が並んでいる。扉を挟んで手前のエリアでリクライニングシートに座り待機する。
ここにもすぐそばにトイレがあり催したら行けるようになっている。
行った。

順番がくると扉を隔てた手術室へ移動し腰椎麻酔を行う。ここで眠くなる薬の希望とカテーテルの希望を出した。
他のブログとかで見たじわ〜っと下半身が暖かくなるような感覚はなかったが、先生から冷たいのあててるのわかりますか?と聞かれ触られてる感覚はあるが温度感覚が無かったので問題なかったのだと思う。
目が覚めたら病室に戻っていた。

意識はあるけど下半身は動かない。いや指先は少し動くか、くらい。少しずつ麻酔が解け始めているんだろう、痛みはまだないので心に余裕ができる。
とりあえずお腹すいた。
夕食は栄養ゼリー、もはやなんでもうまいと思う。

麻酔が解けた後は創部の痛みよりカテーテルの違和感がすごい。尿意が最大なのに出せないのが続いてる感じ。
しばらく我慢していたが心が折れて看護師さんに言ったら痛み止めを入れるとやわらぐとのことで入れてもらえた。
丁字帯はよくズレる。まあ今は見えてしまおうがどうでもいい。
痛みと違和感をごまかしながら少しずつ寝て、なんとか手術当日夜を乗り越えた。


入院3日目

6時起床、と言っても寝たり起きたりを繰り返していたのできっちりしてはいない。早く起き上がりたい。
点滴とカテーテルが取れ一応の起き上がりを許可される。抜ける時は変な情けない声が出た。
トイレに行ってみるもなかなか尿は出ない、ちょろっとだけ出たものに少し血が混じっていてビビったが初回だけだった。

朝食は常食、いきなりそうなるとは他のブログ等で見ていたが本当で驚く。反面次回の排便が怖い。
朝の診察が終わると本格的に自由になる。とは言え行動範囲は3階の売店まで。自由に飲食していいわけではないので行く意味はあまりない。

この日から坐浴が始まる。最初は勝手がつかめないがすぐに慣れた。気持ちいいし一時的な痛み止めにもなる、暇なので苦にならない。手術翌日は2回程度が目安。
昼食も夕食もうまい。


入院4〜6日目

座浴はこの日から4〜6回が目安。これの回数の他に水分の摂取量、排便の回数や量・固さ、痛みの具合を冊子にメモを取って記録し、検温時等に看護師さんに申告する。便の硬さは段階で1〜7があり4〜5が正常範囲で他はナースコール対象、退院まで特に注意されることはなかった。
6(泥状)が出ることもあったし退院後もあったが、軟便剤の酸化マグネシウムの回数を調整して良いとのことだったので、落ち着いてからなら特別深刻に考えなくても良さそう。
退院後も出具合で、う〜ん今日は5かなとか考えるのがくせになっている。

冊子に各種項目をメモしておき看護師さんに申告する


待望の風呂も4日目からは入れた。一人一人お湯を張り替えてくれてるらしいのが素晴らしい、浴室内にいざと言う時のためのトイレもある。
自分が入れる時間は事前に伝えられ、制限時間は15分。拭いたり着替えたりの時間配分を考えないと思いの外あっという間に過ぎていく。入れる人を割り振る都合もだが、長湯しすぎると出血の危険なんかもあっての時間制限なのだろう。
初回は勝手が分からず慌てて着替えた。これトイレ使う事態になったら時間絶対オーバーするだろ…。

入院生活にも大分慣れてきて、Switchで遊ぶ余裕も出てくる。今回の入院のためにLiteを買おうかとかも思ったが通常版で正解だった。ベッドを起こし画面だけテーブルに置いてJoy-Conで遊ぶ体制が快適すぎる。

執刀医の先生が診察に合わせて手術時の創部の写真をまじえながら説明をしてくれた。痔瘻は管の腸内側を一次口、お尻の皮膚側を二次口と言うのだが、自分の場合前方右側に二次口がきているとのことで、前方の場合は切開開放術だと括約筋に影響がでやすく、かと言って浅いためくり抜きもしづらい状態だったらしい。
なので切開して開放したうえで、一部を縫うという手法にしたそうだ。写真も見てるのでなるほどとは思ったが実物が見えないのであまり実感はわかない。

2ヶ所あったイボ痔については、結紮(けっさつ)術という方式を取ったとのこと。縛ってその部分に血が通わなくすることで壊死させる仕組みのようだ。
こんなやり方もあるのかと驚いた。

しかしまさか自分の尻の写真をモニターで見る事になるとはなあ…


入院7日目(退院前日)

基本的に前日までと同じ事をするだけだが、夕食が退院前日は特別食になっている。松島病院の恒例らしい。
食後のどら焼きまでついている。これまで甘いものを食えなかった反動もありとても美味かった。
三食勝手に飯が出てきて何もしなくていい生活も終わりかと思うと少し残念と思ったりもしたが、やっぱり早く帰りたい。

退院前日祝い膳
食後のどら焼き

退院日

予定通りの退院日、朝食後に最後の診察がありそれが終わるまでは着替えられないので荷物だけ準備して待機。
早く外に出たい。
無事診察も終わりお会計して退院。外の空気が新鮮。
どこかで昼飯を食って帰るような時間じゃないので仕方ないがまっすぐ帰宅した。どこか寄ろうにもでかい紙袋に入れた坐浴トレーも持ってるしな…。
帰宅すると入院中に注文していた座布団の楽じろう君が届いていたので開封して使い始めてみるもあまり効果は感じられない。まあないよりはマシなんだろう。


1回目の入院と術後の経過

退院後3日

2024年1月末
退院後初回の通院、経過に特に問題がなかったので特筆すべきことがない。
入院で体力が落ちているので駅からは歩いて帰ることにした。

家での坐浴も徐々に慣れてきた。さすがに病院みたいにトイレにお湯の出る蛇口はないので、風呂場で椅子にトレーを乗せて排水板を抑えつけながら手すり替わりにバスタブに手をついてかかる重量を調整しながら尻をつける。
坐浴は気持ちいいのでこれなら家でも続けられそう。


退院後1週間

2024年2月初旬
退院後2回目の通院、ここまでは退院時に予約を取らされる。
経過は悪くない、イボ痔の方はもう触診でほぼ分からないくらい消えているらしい。少しずつ気が緩んでくる。
仕事を休んでするゲームは楽しい。


職場復帰と謎の衝撃

2024年2月上旬
休みなのに家で基本じっとしていないといけないもどかしいシレン6が楽しい生活も終わり、職場に復帰した。自宅で使っている楽じろう君のグレー版を職場の椅子に設置。
初動の忙しさも落ち着きそうになり始めた3日目あたりで座った瞬間尻の中でプツッと謎の衝撃を感じた。慌ててトイレに駆け込むも特別出血があるわけではなかったので、ひとまず安心し仕事を再開したがなんだったんだこれ…。
帰宅後から怪しさが増す。屁が妙に創部に響く。出きっていない屁が細かく創部から抜けていく感覚がある。どうみてもおかしい。

不安がいっぱいになり病院に時間外だが電話した。
24時間受け付けてもらえるのはこういう時本当に助かる。
次回の診察までまだあるし、不安であれば予約外で一応診てもらえるとのことなので急だが半休を取り行くことにした。


2回目の入院の決定

診てもらってよかった。やはり一部穴が開いているらしい。これでは結局管状ではないが痔瘻と似たようなもんだ。
創部を薬品できれいにしますねと言われされた処置がものすごく痛い。多分これまでで1番痛かったと思う。
診察後そのまま帰りたかったがペンギンのような歩き方で電車に乗り出社した。出社前にどこかでメシでも食っていくかと考えていたが痛みで食欲がまったくわかずコンビニで適当に買って済ませた。

創部。だいたいこんな感じ(のはず)

元々予定していた日に創部の様子をみてもらい、やっぱり穴が残っていたため1泊の入院が決定。レントゲンだけは前回入院時のものは期限が切れて使えないらしくその場で検査をしてもらって続けて入院の手続きをした。

入院日の朝に使う坐薬を処方され帰宅。
坐薬なんて自分で入れたことないんだけどこれどうやって入れるんだ…?


2回目の入院と術後の経過

入院当日~退院

2024年2月下旬
2度目の入院、今回は1泊予定。
前日は夜9時までに夕食をすませること、当日朝坐薬を入れたうえで排便回数を覚えておくこと、前回の手術時と違い大分簡易的。
坐薬を入れて15分は我慢しろと言われていたが、きっちり15分で我慢しきれず出てしまいその後出ていなく不安が残る。
入院手続きは慣れたものでほいほい進んだ。病棟の施設説明も簡単に済ませてもらい部屋へ。

5500円の部屋の予定だったが、病院都合で6600/7700円の部屋に変更とのこと。追加料金はなし。
窓側にはなったが、ベッドの頭側に柱部分があるのであまり見渡しはよくない。明るいことは明るいが正直1100/2200円の差額の価値はあまりないと思った。
自分の感覚では前回同様通路側の方がトイレには行きやすいので、1回目の入院の時のような何泊もする場合は、トイレの回数や坐浴もあるのでより顕著に差が感じられるんじゃなかろうか。

悔しいことに前回退院時にモウコネーヨ!と弾性ストッキングはゴミ箱に入れてでてきてしまったため売店で買いなおす。セット内容の丁字帯がオムツに変わっていた。まあそうだよな、あれ意味あったのかよく分からんし。
午前中の後の方の順番らしく、手術着への着替えを済ませ待っているとほどなく点滴が始まった。
順番が来た後看護師さんに連れられ手術室へ向かう際のエレベーターの緊張感は前回ほどない。またこれに乗ることになるとは…。

手術室前のエリアでの待機は変わらず緊張する、クラシックが流れている部屋に手術着と点滴をした自分がリクライニングできる椅子に座っているという謎の異世界感のせいだと思う。
腰椎麻酔の姿勢も慣れ、初動の痛みは特に辛くなく、麻酔科の先生らしき人から眠くなる薬を入れる旨を伝えられる。ありがたい。
よく覚えていないうちに終わったようで、意識が戻ったら病室だった。
結局どんな処置をしたのだろうか。

手術後は前回同様翌朝まで起き上がりが禁止される。これが何気にきつい。
トイレは前回と違い尿瓶にするわけだが、ケガで入院した経験がないので人生初尿瓶である。うまくできるわけがない。
結局ベッドにこっそり膝立ちして尿瓶にした。

夕食は前回の術後と同じゼリー、案外うまい。
徐々に麻酔が切れ足が動くようになってくるも痛みがくる気配がない。前回はカテーテルの違和感、解消不可能な尿意が痛みより強く感じられたので対策として痛み止めを入れてもらっていたが、今回は翌朝まで痛み止めが不要なほど楽だった。朝食が待ち遠しい。

朝食後、退院前に軽い診察がありその時にシートン法のゴムを入れたことを聞く。
手術前の診察ではやっぱりどういう術式を取るのかはその場で診ながら決めると言われていたが、これは予想外だった。切れてしまった部分をまた縫うのかと予想していた。
術後初回の通院は2週間後とのこと。結構長いのは前回みたいに大出血の危険はないからなのだろうきっと。


経過1

退院後数日、シートン法のゴムが煩わしい。トイレでなかなか拭き終わらない。永遠にペーパーに色が付く気すらしてくる。鏡で見ると4本ほど尻からピロピロ出ているのがわかり少し笑える。ホイミスライムかよ。
今回は術後の週明けから仕事を再開したわけだが、当然ながら家にいない間は坐浴ができない。痛みが全然ないのが救いではあるが、2回目の手術前には少し減ってきていた浸出液はかなり増えたし、創部周辺の衛生が不安になる。
…ウォシュレット、使っちゃっても…いいか…1番弱いので…
だいぶ拭きあげが楽になった。


2回目の退院後初回通院

2024年3月初旬
2度目の術後2週間の初通院。
退院時に聞けていなかったどうしてシートン法に切り替えたのか、これからどういう形で直っていくのか、運動をそろそろしたいが大丈夫なのか、飲酒は…諸々疑問があったが、診察時には頭から抜けてしまい結局聞けたのはこれからどういう形で直っていく(予定)なのかだけだった。
仕組み的には一般的なシートン法と同様、ゴムの伸縮とズレが切開を進め、進んだ部分は徐々にくっついて直っていくためいずれゴムは抜けるとのこと。
結構切れてきているので次回の診察までには取れるかもしれないらしい。
まあ気休めだろうと思った。

傷口を薬品できれいにしますねと言ってされる謎の処置がやはりとても痛い。やると聞いて車で来ていることが急に不安になるが、前に同じ処置をしてもらった時ほどではなく問題なく帰ってきた。
むしろ尻的には座ってじっとしていられる分車の方が楽だったかもしれない。
この処置の半日後くらいに浸出液を拭き取ると、まるで腐肉のようで怖くなるのは相変わらずだった。


経過2

退院後初回診察翌日
トイレで拭いている最中ゴムの感覚が見つからず不安になる。
割り箸で拭いた後のペーパーを探ったりしたが見つからない。もし俯瞰視点でこの様子をみたらなんとも情けない挙動をしていたんじゃないかと思う。
次回までに取れるかもとは言っていたが昨日の今日で取れるはずがないだろう。通院した方がいいのだろうか。いやしかし…
結局夜の風呂で洗っている最中にゴムの手ごたえが見つかりホッとした。

フィットボクシングの初音ミク版の発売をきっかけに運動再開。
大分なまっているが当然、仕方ない。
多少ゴムのひっぱられる感はあるが、痛むわけではないし大丈夫そう。
自転車に乗れるようにはやくなりたい。


経過3

2024年3月中旬
職場のトイレで拭いている途中、シートン法のゴムが取れた。結び目もちゃんと残っている。本当に抜けるもんなのか…。
一応持って行ったほうがいいかもしれないと取れたゴムを洗い、手拭き用の紙に畳んでポケットにしまう。少し気分が良い。写真も撮っておくかとゴムの写真を撮ったが洗ったのに微妙に黄色いのがSNSに上げて良いものか悩む。

取れたゴム

尻のピロピロ君がいないだけでトイレがすごく楽になった。痛みもほぼない。浸出液は出てくるが、量は減った気がする。次の診察が楽しみなんて通院を始めてから初めてかもしれない。

余裕が出てきたと思いきや通院前日に濃い血の塊のようなものがペーパーにつき少し不安になる。
これ入院前はよく二次口あたりからちょくちょく出てたんだよな…まさかまだ穴があるのでは…いや穴はゴムで切開したからなくってるはず…


経過4

2024年3月下旬
退院後2回目の通院、前日の血の塊のようなものの話をするか迷ったが、話さないと診察時に何か関係する所がないか注意してくれないので、ゴムが取れた話とあわせて話した。
特に問題はなさそうで順調に回復しているとの嬉しい診断、少し治りが遅い部分を薬品できれいにする処置をしてもらった。少し慣れた気もするけど相変わらずこれは痛い。
初めて軟膏が処方された。注入タイプ。使用法としては少し出して創部に塗ったうえで肛門内に注入するのだとか。
朝晩はなかなか面倒だな…特に朝の出勤前。目覚まし5分くらい早く設定した方がいいかもしれない。

帰宅後トイレでそこそこの量の出血、ポタポタ垂れる感じ。これまで見たことない量で少しビビる。朝通院前に出なかったからと言って便意もないのに力んだのが悪かったのかもしれない。今日は傷口の処置もされていて弱まっている。
この翌日は問題なくて少しほっとした。注入型の軟膏は思っていたより簡単。夜は風呂の後の着替えついでに入れることにした。

傷口の痛み方がピリピリするような擦れた時に痛むような感じでこれまでと様子が変わった感じ。ゴムで切っているわけだから当然ではあるのだが、痔の痛みというよりは切り傷や擦り傷みたいなケガの痛みに近いのかな。
トイレで拭く時とか歩く時に微妙にパッドが当たって擦れるのが地味にきつい。
軟膏を創部に少し塗って注入する作業は慣れてきたけど、注入直後に屁が出ると軟膏が出るんじゃないかと不安になる。おもむろにパッドを確認するが出ていない。

診察から1週間、創部が擦れる痛みが大分減ってきた。パッドにつく浸出液も減ってる。
たまに姿勢を変えたりするときに痛みはするけど楽になってきたのが実感できると気分がいい。
楽になったのに軟膏…面倒だな…なんて思ってしまうが塗ったおかげなんだろうから油断しないで朝晩ちゃんと塗らないと。


経過5

2024年4月上旬
次回の診察を1週間後に控えているが、ほぼ痛みと浸出液がないので花見がてらスポーツタイプの自転車に30kmほど乗ってみた。
パッドがあるので下は短パンにしたが、レーパンのパッドに重ねて貼ってもよかったかもしれない。年単位でご無沙汰なのでレーパンのパッドのクッションなしは地味にきついが、走行中創部に痛みなく安心した。
そもそも創部が痛んだらすぐ帰るつもりだったが、思いの外良い花見になったと思う。

帰宅後のシャワーが沁みた…。
浸出液が少し普段より多い気がする。
まだ少し早かったかもしれない。

経過6

2024年4月中旬
診察で少し傷は残ってるものの順調のよう。
軟膏はもう不用と感じて3日くらい前にやめてたんだけど、診察時にも軟膏はもうやめてよさそうですねとのことだった。
次回は来月、入院前にやった内圧検査をもう一度やって問題なければ晴れて卒業になる。1度目の手術の後からずっとだけど、屁の我慢があまりきかないから多分圧力は下がってるんだと思う。まだないけどお腹下してる時の限界値も低くなってるんだろうしそこだけ少し不安が残る。

完治、松島病院卒業

2024年5月下旬
特に前回の診察以降何事もなくその日を迎えた。
前項で書いた屁の我慢なんかは問題なくなった気がする。
内圧検査の結果も標準値だったとのこと。以前弱いと言われていたのはなんだったのか…。ともあれ一安心である。
初回の通院から約8ヶ月と結構な期間がかかったが、本当に楽になった。

御礼

松島病院の医師やスタッフの方々には感謝しています。
1回目の手術後イレギュラーなことはあったのかもしれませんが、適切な対応で回復に至れました。
病棟や外来のスタッフの方も親切で通っていて安心感がありました。
もちろんもう通うような状態にならないことが理想ですが、今後別の部位にまた痔瘻や痔核ができないとは限らないですし、もしまた何かあればお世話になりたいと思える環境でした。
最後になりますが、本当にありがとうございました。

ここまで読んでくださった読者の方もありがとうございました。
もし通院を始めるか迷われている方がいらっしゃるなら、早めの通院開始をお勧めします。

おまけ

費用関連のまとめを以下有償記事として掲載する。
自分で事前に検索もしたがなかなか見つかりにくかった保険の倍率関連もこちらに記載しておくので、もし興味があればどうぞ。
見たくない方のためにざっくり最終費用を先に記載しておく。

・入院手術費用は1回目が約13万円、2回目が4万円
・保険で戻ってきた金額が2回合計で15万円
・領収書を細かく取っておいていないパッド関連
 約80日分、1日2~3枚消費の200枚程度利用で計算
 M(10枚入り)10パック、S(20枚入り)5パック程度で大体1万円
最終的な支出は、日帰りの手術費や診察代、薬代交通費駐車場代諸々含めると約10万円程と思われる。

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