還暦七夕Ⅶ

 日が経つのも早いものです。七夕から1週間、君を背中に感じながら生きています。一年なんてあっという間だよ、ただ何も起きずに居られればなのですが、いつ何時体調が悪くなるかわからない。リスクを背負ったまま生きなければならず、精神的にも辛い事です。君に逢えるという事が唯一私にとっての希望なのです。大袈裟かもしれないけれど‥‥。
 この間押し入れ整理したよ。思い出のアルバムやレコード、カセットテープなんかが出て来ました。君と二人でよく聴いたレコードを見つけると、次から次へと思い出の曲を口ずさんでいた。君の写真を探してみたけど一枚の色褪せた集合写真しか見つからなかった。そりゃそうだわ、元々君とのツーショット写真なんか撮った事なかったよね。そうだ、交換日記あったはず。手紙を手渡しで届けあってから大学ノートに変わっていったんだよね。早く返事が読みたくって、返事のもらえるまでの2、3日が長く感じたものでした。喧嘩もした、涙で滲んだ文字も‥‥今じゃSNSでいつでも何処でも交換んできる、なんて羨ましいいことか。思い出の詰まった箱は、再び封をして押し入れの片隅にしまっておこう。次開く時は君と一緒なら良いのにね。

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