「これがすべてを変える」ナオミ・クラインの覚書


世の中のあらゆるものが変わる気候変動の恐怖から目を背ける

リベラルに多い中道主義ではもはや間に合わない

「化石燃料経済との経済的な利害関係が大きい場合は支持政党に関係なく、気候変動の事実を否定する傾向が
強い」

政治的、身体的、文化的にがんじがらめになっているところからの解放

新自由主義の時代の三つの柱である、公共部門の民営化、企業部門の規制緩和、所得税と法人税の減税はどれも、温室効果ガスの排出を安全なレベルまで引下げるために必要な対策と両立しない大きな壁だ

気候変動は自主的な取り組みて、違反への罰則も緩い。対して貿易協定違反の罰則は厳格

多国籍企業が安価で求められる労働力の搾取と生産物の国家間の売買によるグローバリゼーションで放出されるCO2は増加

消費が狂乱する1980年代以前の1970代のライフスタイルに戻す必要がある

再生可能エネルギー開発には、市場や民間投資家の高額な公的助成金システムより政府の関与がはるかに重要

1970年代の10年でおきた自然災害は660件だったが、2000年代は3322件と五倍に増えていた。この30年間は公的領域を民営化した時期と重なる

原発は核廃棄物を生み出すと共に、
建設に要する10~19年の間にCO2が排出され続け

市場原理に任せれば、グリーンイノベーションは促進されるだろうが、化石燃料の技術も促進されてしまうだろう

ビジネスと手を組む環境保護運動

地球工学研究の傲慢で征服的な態度
そのパトロンがビル・ゲイツ

地球上の自然災害の中で火山噴火ほど世界的に何年も続く乾燥による食糧や水不足による甚大な災害はない。その噴火を擬似的に作り出す、成層圏への二酸化硫黄注入を提言する地球工学者の皮算用は、その影響が北半球、サヘル地域やインドにもたらすことを知っているからだ

「私たちが取り組むべき課題は、人類から地球を救うというより、地球から人類を救うことなのだ」

一つ一つの勇気ある抵抗運動の勝利が他の人々の決意を強固にしていく

シェールガス、シェールオイルは従来のフラッシング(水圧破砕)の水量の70から300倍を使用し、使用後の水には放射性と有毒性か帯びる

「なぜなら現在の経済システムでは、貧困軽減を最もたやすく安上がりに行うには、さらに大量の化石燃料を燃焼させるのが早道であり、それは気候変動危機をいっそう深刻化させるからだ。途上国が助けなしにこの行き詰まりを打開するのは不可能であり、その助けを提供できるのは、こうした不当な収奪に多くを負って豊かになった国々と企業をおいてほかにない」

「グローバルなCO2削減の負担を各国がどのように分担するのが公正かを考えると、それは二つの重要な要因によって決定される┈┈歴史的な排出に対する責任と、その国の発展のレベルに基づいた貢献能力である」

偉大な環境学者スタン・ローの言葉
地球は単なる「資源(リソース)」ではなく「源(ソース)」なのだ

機構問題で勝利するには、市民一人ひとりが活動家になるのだ

人々が当たり前だと思っているイデオロギーを変えるには、人々の思考回路そのものを変える政策を行い、根本的な価値観をめぐって大声で議論すること

社会学者カリ・ノーガードは
「否認は、人間が共感や同情を抱くことができる能力、そしてたとえ実際には対応しなくても、心の底には対応すべきという倫理的要請をもっていることの証として理解できるものであり、またそう理解すべきだと考える」

倫理的に訴え共感を得ることによって勝利できる

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