#3

昔の話

特段落ちとかはないけど語る。

高校に入学して最初にアイスブレイクの意味合いも込めて自己紹介をしたことがあった。名前・出身中学・趣味特技・一言みたいな流れだったのだが当時自分にはこれと言ってはまっている趣味も無ければ他人に発表できるほどの特技も持っていなかった。あれこれ考えている内に僕の番になり、一瞬のひらめきで答えた趣味が「ラジオ」だった。ラジオが好きでよく聞いています。ラジオ好きな人がいたら話しましょう!的なことを言った気がする。すると案の定周りからは「え、ラジオ??この時代で??」みたいな空気が漂い、高校生活初日で浮いてる奴に認定されたかもしれない。例えるなら佐々木健介が試合開始と同時に相手に挨拶代わりのラリアットを見舞い振り返ったら対戦相手が失神して倒れており、そのまま3カウントで試合が終了したときの観客の雰囲気くらい変化球をぶん投げて自分の自己紹介は終わったんや。自分の世代的にラジオを聴いている人なんてごく少数ということも理解はしていたが、趣味特技はありません。と答えるよりは良いと思った。ありませんだと完全に自分をシャットアウトしてしまい友達なんてできないだろうと考えていたからである。

その後全員の自己紹介が終わり10分休憩の際に1人の女子が「私も実はラジオ聴いてるんだ」って話しかけてくれた。自分の中では浮いたなと思っていたがその女子の一言で少し救われた気がした。女子が何のラジオ聴いてるの??って訊いてきてくれたから自分は素直に深夜ラジオが好きでJUNKとかよく聴くんだ~伊集院とか特に聴いてるかなみたいなことを言った気がする。するとその女子は「そ、そっか~~」の一言、1ラリーで会話が終了しそそくさとどこかに行ってしまったんや。自分は正直に話しただけだしその女子を不快にさせるような発言もしてない。それなのに「そっか~~」で終わり?(テメーで話を振れよ) と当時は思っていた。

4月の後半になり、友達もでき量産型高校生の日々を過ごしていたある日、友達ずてに以前ラジオを私も聴いていると言っていた女子が唯一聴いているラジオが若者に流行のschool of lockだということを知り、自分は何や今時の若者はしょーもなって思ったね。ハハハ。あの時嘘でもイイから土日にラジオで競馬中継聴いてるんだ!とか言った方が話は繋がっていたのか?なんて思い返す日もあったり無かったり。そんな自分だが深夜ラジオは今でも大好きだ。

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