AWSとは?
AWSとは?基礎知識からメリット、デメリットまで分かりやすくご紹介
<目次>
・AWSとは?
・AWSと従来の物理サーバーとの違いは?
・AWSを導入するメリット
・AWSを導入するデメリット
・AWSの料金体系
・AWSの主なサービス
AWSとは?
AWS(アマゾンウェブサービス)とは、Amazonが提供するクラウドサービスの総称です。サーバーやストレージ、データベースなどを提供・共有するパブリッククラウドの一種で、業務を円滑化する多様なサービスを展開しています。
AWSと従来の物理サーバーとの違いは?
AWSは、クラウドサービスの一種のため、インターネットなどのネットワーク経由でサービスを利用できます。これまではハードウェアを購入し、ソフトウェアやデータをパソコンにインストールしてデータの送受信に利用するのが主流でした。
しかしクラウドが登場したことで、オンライン上でのソフトウェアの利用やデータの送受信が可能となり、ハードウェアが不要となりました。これにより、ハードウェアの購入費用を削減でき、その他のビジネスに費用をあてることも可能になりました。
AWSの主なサービス
1.Webサイトの構築と運用:Amazon EC2
Webサイトの構築や運用のサービスとしてAmazon EC2 (Amazon Elastic Compute Cloud)があります。EC2は、必要に応じてスペックを変更できる仮想サーバーを作成し利用するサービスです。設定が簡単なタイプであれば、5分程度でサーバーが構築できます。
WindowsやLinuxなどのOSや、CPUのメモリ容量、Core数を必要に応じて自由に選択、変更できるなど柔軟性や拡張性が高く、仮想サーバーの幅広いカスタマイズが可能です。
また、仮想サーバーを複数作成して冗長化する際も、仮想ネットワークの環境が自動で用意されています。そのため仮想環境の準備の必要がなく、画面上の簡単な操作だけで柔軟に インスタンスを実行することができます。
2.基幹・業務システムの構築:AWS CodeStar
AWSには基幹・業務システムの開発を補助するAWS CodeStarが用意されてます。顧客管理や販売管理、給与計算といったシステムの構築に利用できます。システムをクラウド化することで、ハードウェア機器のサイジング作業やセキュリティアップデート、障害対応の負担がオンプレミスで運用するよりも軽減します。
3.データのバックアップ・コンテンツ配信:Amazon S3
AWSの提供するサービスにAmazon S3 (Amazon Simple Storage Service)があります。Amazon S3はオンラインストレージで、保存できる容量やファイル数に制限がありません。また、画像やテキストなど静的コンテンツの配信も可能です。
保管データは最低 3つの管理単位(アベイラビリティゾーン)に自動的に複製して保存されます。Amazon S3の耐久性は99.999999999%(イレブン・ナイン)と非常に高く、データ消失の心配はほとんどありません。
また、CloudFrontというコンテンツ配信ネットワークサービスを併用することで、インターネット経由で静的なコンテンツにアクセスし、Webサイトで配信できます。
こうした可能性や耐久性の高さにより災害が発生した場合でもデータを紛失せずに済み、災害発生後も早期に復旧が可能です。昨今、主流になっているオンラインでのデータ保管にも対応できます。
4.データベース利用:Amazon RDS
AWSのデータベースサービスにAmazon RDSがあります。フルマネージドで管理負担を抑えられるデータベースサービスで、MySQLやOracleといった主要なデータベースが簡単な操作で作成、管理できます。フルマネージドであるため、データベースサーバーを管理する必要がありません。
5.ビッグデータの解析:Amazon EMR、Redshift、Kinesis
AWSではビッグデータの解析にAmazon EMR、Amazon Redshift、Amazon Kinesisなどのサービスを利用できます。中でもAmazon EMRは、膨大なデータを高速処理するサービスです。
Amazon EC2やAmazon S3などを用いて、集積したビッグデータを分析することができ、機械学習などに活用できます。
AWSを導入するメリット
1.コストが低い
AWSを利用するとサーバー機器などの購入費用がかからないため、初期費用を抑えられます。また、サービスを使った分だけ料金を支払う従量課金制により、月額料金のサービスに比べコストを調整可能です。例えば、Amazon EC2の場合ストレージの容量、データ転送量、サーバーの台数で料金が決まります。
2.拡張性が高い
AWSのサービスはCPUやメモリ、ストレージの容量などの拡張性や柔軟性が高く、簡単に変更することが可能です。現在稼働中のサーバーや複数の中から1つのサーバーだけを対象にする場合でも、簡単にCPUやメモリ、ストレージのサイズを変更できます。
また繁忙期にはサーバーの台数を増やし、閑散期にはサーバーの利用を停止するなど、利用する目的や用途に合わせてカスタマイズできます。
3.管理者の負担が減る
AWSを利用すると、従来は多くの費用と手間がかかったハードウェアの管理やソフトウェアのアップデートを行う必要がないことがメリットです。管理者の負担がかからないため、その分の人的リソースを他の業務に有効活用できます。
また、従来の運用では保守の担当者が退職し、設計書が残っていないなどブラックボックス化しているケースが多々あります。このような場合に、より専門性の高い人材を確保しなければならないという問題も解決できるでしょう。
4.セキュリティ対策
AWSのサービスは最新のセキュリティ対策が施されているため、AWSのセキュリティサービスを組み合わせれば、機密情報や顧客データなどを安全に保護することができます。重要情報を処理する際に適していて、政府の機関や金融機関などもAWSを利用しています。
コンプライアンスの事例としてよく取り上げられる、荷物の置き忘れによる個人情報やデータの流出なども防ぐことができます。
5.リスク分散
AWSは世界中にデータセンターを設置しているため、業務が停止するリスクを分散できます。システムトラブルや大規模災害などが起こった際は、別のデータセンターへ自動でトラフィックが移動し、負荷が分散されるよう設計されています。
長期にわたってAWSが高い業界シェアを維持しているのは、リスクに備えた対策を常に講じている信頼性の高さと実績があるためです。
AWSを導入するデメリット
1.コストを見積もりしづらい
従量課金制はコストを調整できますが、利用頻度によっては定額制のサービスより高額になる場合があります。また、利用した分だけ料金が加算されるため、事前に費用の見積もりを出すことが難しく、予算化しづらいです。
稼働した分だけ利用料が変動するため、利用量を削減することによるランニングコストの調整が必要です。
2.トラブル対応が必要
AWSはサーバー構築の環境を用意していますが、各サービスの設定や管理はユーザーが行う必要があります。システムトラブルなどが発生した場合は、自社で対処することになるため、トラブルシューティングのノウハウがあると良いでしょう。
一般的なトラブルシューティングの質問に対する回答は、AWS Support ナリッジセンターに記載されています。
3.メンテナンス日を自社で決められない
AWSのメンテナンス中はシステムが停止するため、その間は別のハードウェアを利用するなどのダウンタイム対応が必要です。自社でメンテナンスを行うことはありませんが、事前にスケジュールが通知されるので、AWSのメンテナンス日にスケジュールを合わせる必要があります。
AWSの料金体系
AWSの料金は利用量に応じて価格が変動する従量課金制を採用しています。必要な時に必要な分だけサービスを利用し、不要になったら利用を停止することで無駄な料金も発生しません。また、初期費用や月々の基本料金もかからないため、導入や運用のコストを削減できます。
さらに、AWSには設定した利用料を超えた場合に知らせてくれるアラート機能もあるため、設定しておけば予期せぬ請求も避けられます。サービスによっては、一定量を無料で利用することができます。
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