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知財業界での夢と希望(弁理士の日記念ブログ企画2021)

ドクガクさん企画の弁理士の日特集、今年のテーマは「知財業界での夢と希望」です。この企画に参加させていただくのも初めてですが、本アカウントでnoteを作成するのも初めてです。

1. コロナ禍を経て(現在進行中)

2020年から現在進行中のコロナ禍により、世界の状況は一変しました。特に2020年の春頃から、コロナ禍の長期化を見据え、日本の大企業は知財予算を(一時的にでも)大幅カットしたという話をよく聞きます。

これにより、知財業界にも多大な影響が出るのかと思われました。実際に、周りでも一時的に案件が減少したという話も聞いております。ちょうど2018年4月に特許業務法人IPXを設立し、オフィスも移転してメンバーも10人を超えたころでしたので、この先どうなるかヒヤヒヤしたものです。

2. "With コロナ"を覚悟して行動する

2020年4月に初めての緊急事態宣言が発令され、多くの企業が在宅ワークへの移行、オフィスの縮小/解約に動き始めました。この頃は、「今年の夏か秋くらいにはコロナ収束するやろ」と思う一方、「あと1年以上続くかもしれん」と悶々としていました。

しかし、夏ごろになると、コロナ禍の長期化、つまり"With コロナ"を意識するようになりました。コロナ禍が長引こうが、経済を止めるわけにもいきません(みんなの給料を稼がねば!)。そうすると、コロナ禍により人類がアップデートされるこの時代に、コロナ禍にいち早く適応した組織が既存の組織を喰えるようになる(下剋上)はずだと考えました。

3. 知財業界の希望

ようやく本題です。コロナ禍になろうがなるまいが、そもそも知財業界には希望が溢れていると信じておりました。今では、コロナ禍により、さらに知財業界の希望が大きくなったと感じております(こういうことをいうと「コロナ禍を歓迎しているのか!」と勘違いされそうですがそういう意図ではありません)。

これはどういうことかというと、コロナ禍により、世界のルールは一変しました。人々の働き方、運動の仕方、時間の使い方、価値観などが劇的に変わり、それを支えるテクノロジーやサービスが急増しています。これはつまり、今までの世界にはなかったようなアイデアが今後ますます生まれるということであり、これからの企業はこれらのアイデアを受け入れないと生き残ることができないでしょう。

もうお分かりかと思います。どう考えても”知財”の重要性がますます増えるということです。どんどん資源の枯渇する地球への配慮もしつつ、第2、第3のコロナウイルスに打ち勝つようなアイデアを生み出すためには、従来の「知財の創出→権利化→活用」にとどまらず、グローバルレベルでのアライアンスを実現するための知財戦略の重要性が増えるということです。

さらに、2021年6月に、コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)に知的財産の活用などを促す内容が加わったことも追い風になりそうです。知財戦略(知財活動)について、投資家への説明責任を果たすべく、上場企業は今まで以上に知財についての丁寧な説明が求められます。ここにも新たなビジネスチャンスがありそうです。

4. 知財業界での夢

このように、知財業界は夢と希望に満ち溢れ、アイデアと行動力次第では無限の可能性があると感じています。

個人的には、特許事務所としての活動以外に、いろんなアプローチでこの業界を発展させ、イノベーションを促進させたいです。以下、個人的な野望を列挙します。

■知財金融:INTELLECTUAL VENTURESがすでに開始している"頭脳ファンド"による頭脳への投資(※)、知財の証券化、知財担保などによる知財の流動性の向上→資金等の調達

■グローバルマッチング:優れた(広義の)知財(ヒト、モノ、アイデア、サプライチェーン、人脈etc)を有する人達をグローバルレベルでマッチングさせる

■海外進出支援:知的財産の内外出願(日本→外国への出願)では無体物である知的財産権を”輸出”しているが、これに”有体物”を加えたい

■知財サービスのテクノロジー化:知財系のスタートアップによる、知財サービスのテクノロジー化

(※)彼らへの一部の批判、日本市場からの撤退などに関わらず、仕組みとして純粋におもしろい

5. 最後に

いろいろと書きましたが、この業界は夢と希望に満ち溢れており、やり方次第ではとんでもなくおもしろいことが起こせます。

IP関連のユニコーン(PatSnap社)がとうとうシンガポールで生まれましたし、ますます"IP Tech"(事務所の方ではない)は盛り上がっていくはずです。

弁理士の仕事も従来の「事務所 or 知財部」ではなく、フリーランス弁理士、VC所属の弁理士、スタートアップで働く弁理士、今まで知財活動がほとんどなかった分野の企業での知財部設立支援をする弁理士、そしてスタートアップを作っちゃう弁理士など、いろんな人が登場してます。

これからこの業界に飛び込む方も、すでにこの業界におられる方も、コロナ禍をきっかけにガラっと思考を変え、一緒にゲームチェンジャーになりましょう!



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