「同一性」「アイデンティティ」と「貸借関係」

「人間関係」について「貸借関係」という視点から捉え、それを成立させている「媒体」(目に見えるもの、目に見えないもの)のあり方について考えてみました。
https://bit.ly/3vvmwGc

さて、簿記の基本に「貸借対照表」というものがあります。
これは企業の財務状況を示すものであり「バランスシート」とも呼ばれています。
この表は、左側を「借方 (debit)」、右側を「貸方 (credit)」として、一つの企業をこの2つ側面から表すことを可能にしているものです。簡素化すると右側の「貸方 (credit)」が企業の財源左側の「借方 (debit)」は財源を基に生み出される企業の財やサービスといいますでしょうか。
要するにその企業が財源をきちんと財やサービスに結びつけているかどうかを判断する材料となる表であると言えます。そして左側の「借方 (debit)」から右側の「貸方 (credit)」、またはその逆の循環がちゃんと機能しているかどうかが分かることになります。

この表について、あえて誤解を恐れずに言えば需要と供給という視点から捉えてみるとします。つまり需要と供給(需給関係)のバランス、その循環によって、企業を財務的な側面から、社会環境における位置づけやその安定性を示すものと言っていいかもしれません。ある企業が一つの企業として社会環境の中で存続し続けることができているか、できうるかどうかを示しているということになります。

社会環境における存在という意味では、企業だけではないのはもちろんで、「人間」という存在も同様ではないか。

「求めること」と「与えること」のバランスと循環によって、社会環境における(一つの主体としての)存在意義が確立される。
一つの主体として存在意義が確立されるということは、「心」の視点に立てば「同一性」の問題であり「アイデンティティ」の問題でもある。

バランスシートは「目に見える」お金(という資源)の循環を可視化するものでしょう。
しかし、「目に見えない」資源の循環によって存在の「同一性」や「アイデンティティ」を支えている力学的なものが、この社会環境あるいは「心」の根底部分にもあるのではないかということです。

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