住民税非課税ということを語る前の予備知識
こんばんわ、まっさんです。
市民税県民税、住民税についてのお話です。よく、住民税非課税世帯はいくらまでだ、だとかの記事を目にすることがあります。おおむね、書いていることは間違いないのですが、かなり大事なことが抜けていることが多いので、その補足部分のみ記載します。
その大事な部分とは、お住まいいただいている市区町村が、生活保護における級地制度において何級にあてはまるのか、ということです。
これが何かというと、生活保護を受けるにあたって、生活水準に地域差がうまれるので、保護の需給額を地域によって変えようねって制度ですね。なんとなくのイメージで大丈夫です。大事なことは、この級地制度が大きくわけると1級から3級まであり、これが、非課税を決める「35万」という数字に影響します。あとで細かいお話はしますが、1級地は「35万」、2級地は90%になり「31.5万」、3級地は80%になり「28万」になります。
住民税が非課税の人の要件の中で、前年の合計所得金額が135万円以下(2020年分以降)で、障害者・未成年者・寡婦または寡夫に該当する方というのがあります。この制度には生活保護の級地は影響しません。
大概、市区町村のホームページで記載してある項目では、生活保護世帯、未成年等の記載の次ですね。
前年の所得が次の計算式で求めた数字以下であれば非課税、と記載された計算式の数字が、生活保護の級地制度の影響を受けます。よく、35万円×(本人+控除対象配偶者+扶養親族の人数)+21万円(21万円の加算額は控除対象配偶者または扶養親族を有する場合のみ)と記事には記載があると思います。ここの、「35万円」が上で記載しました生活保護の級地によって変わってくるところになります。あと、21万円の加算額にもですが。
なので、お住まいいただいている市区町村が生活保護の級地でいう1級地であれば、非課税か計算する際の、35万円×(本人+控除対象配偶者+扶養親族の人数)+21万円でいいのですが、3級地であれば、28万円×(本人+控除対象配偶者+扶養親族の人数)+16.8万円となるわけです。35×0.8=28と、21×0.8=16.8となります。所得割がかからない制度は、35万円×(本人+控除対象配偶者+扶養親族の人数)+32万円の計算式でどこの市区町村でも変わりません。
これと同じで、本人のみの所得でも1級地域35万円以下から3級地域28万円以下と均等割非課税になる所得に差がありますので、注意が必要です。給与収入でいうところの1級地ですと100万円まで非課税ですが、3級地ですと93万円を超えてくると均等割が課税されます。所得割非課税は100万円以下で市区町村によって違いはありません。
平成23年の資料でしたので古いものなのですが、厚労省が出している資料で生活保護の級地として1級の地域は東京23区や福岡市など108市区町村、2級の地域は金沢市や佐世保市など200市区町村、あとは3級地となります。多くの市区町村は3級地となりますので、非課税ギリギリまで働こうと思っておられる方で、本人、配偶者、子ども2人の世帯であれば1級地所得161万円以下から3級地所得128.8万円まで差が出ます。
扶養の人数を加味した上で均等割非課税まで働こう、住民税も所得税も非課税でアルバイトをしようと思っておられる方、お住まいいただいている市区町村のホームページで非課税所得を確認していただくか、生活保護の級地を確認していただくかをして計算するようにしましょう。