時と味

「ラテ、作れるようになったから飲んで欲しい！」

なかなかバリスタトレーニングの順番が回ってこなくて
長いことウェイターをしていたカフェで働く友人から

ひょんっとメッセージが来た

どうやらコロナ休業中に自力で練習したようだ
機械触って、YouTube見て、機械触って

2,3年の付き合いになる
彼が大学生だったときから。
ホスピタリティを専攻し卒業してもなかなか職が見つからず
あっちこっちの面接受けて
あっちこっちでインターンをして
ようやく入れた今のカフェ

その苦労も含めての味
一連を共にした日々を越えて、手元に差し出された
バニラシロップ使ったあたたかなラテ

苦くもなく 甘くもなく

なんだか嬉しくって味なんて感じていられなかったから

失った味覚は時間差で効いてくる
思い出すたび舌以外も溶けそうになるんだ