#医師も人間です

今回、自分が患者家族になって思ったことを
共有させてください。

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月曜日に、元気だった父親が急変した。

胆石の処置をする際に、前投薬の強いアレルギー反応から
窒息の状態となった。

非典型的な経過であったため
初期対応が遅れ
(このこと自体は、ある程度致し方なかったと理解している)
7-10分ほど窒息となり
現在、低酸素脳症に対して治療を行なっている。

発症から2日間
病院で家族と共に、父親に付き添っている。

予定していた医療行為の中の
予期せぬ有害事象によって
元気だった親が、意識のない姿へと変わったことは
医師であるわたしにとっても、大きな事であった。

今回投稿したいのは
わたしの主治医の話である。

わたしの主治医は
父親が急変になった月曜日の朝から勤務がスタートし
そのまま当直業務を行い
火曜日の夜遅くまで、約40時間の連続勤務を行なっていた。

わたしの父親は
火曜の夕方より血圧が上がり
けいれん発作が再出し
血圧とけいれんのコントロールを始めた。

当直明けで、夕方からの患者の状態悪化への対応がスタートしたのだ。

これが、医師の日常である。

わたしは、医師としてではなく
患者の家族となって思う。

「きちんと休んでほしい」

医療安全と言われる問題なのだが
疲れ果てた状態での
大事な判断、処置、患者への説明というのは
本当に大変なことである。

医師は、限界を超えても
目の前の患者のために
命を削って、診療にあたる。

しかし、その結果
きちんと休めた時と比較して
患者の病気の経過が悪くなり得ることも
いろいろな研究で明らかになっている。

医師の超長時間労働は
医師だけの問題ではなく
患者・患者家族・いつか患者になるみんなの問題なのだ。

患者の家族となって
今回、改めて強く思った。

自分の父親のことをSNSに投稿することが正しいのか迷いもあったが

オンライン署名、提言作成、記者会見、議員との面談と
日本の医療を変えようと全力で動いている仲間たちの議論のメッセを見て
そして、父親の診療に携わる地方の医師の働き方を目の当たりにし

ぜひ、多くの人に届いてほしいと思って、今回投稿した。

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現在、医師の時間外労働時間が
過労死の2倍である1,860時間を
考え直して欲しいと
仲間とオンライン署名の活動を行なっています。

しかし、オンライン署名が我々のゴールではありません。
日本の医療がより良い方向へと変わるよう
実際に動いていくことです。
しかし、今回のオンライン署名がその原動力になると思っています。
金曜に締め切るオンライン署名をもっと多くの方にお願いしたいと思っています。
ぜひ協力やシェアをお願いします。

最後に
父親の急変の連絡があった日は自分が当直業務でしたが
「自分が代わります」とすぐに言ってくれた医局の後輩や
翌日の妊婦健診を代わってくれた後輩
低酸素脳症に対して不安な中、夜中まで付き合ってくれた神経内科医の友人
今週のすべてのスケジュールを代わって、あずかるこちゃんを前進させてくれている仲間たち
父親の処置に全力を尽くしてくれている医療機関の方々
本当にありがとうございます。

家族の急変を通じて
改めて、家族や仲間、友人に深い感謝の気持ちを抱いた事を添えて
noteを結びたいと思います。

#医師も人間です

オンライン署名は、コチラ⬇︎
ぜひ、お願いします。


CI Inc. Founder / CEO 産婦人科医(東京大学 産婦人科) 産科婦人科学会 未来委員会、医療改革委員会、中央専門医制度委員会