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◎韓国女子プロゴルフ事情②

◎韓国女子プロゴルフ事情②
韓国女子ゴルフツアーには広報大使というシステムがある。実力と美貌を備えた女子ゴルファーがゴルフ記者会やKLPGA関係者が投票して選出するもので、すでに十数年以上、続いている。広報大使の目的は韓国女子プロゴルフ協会(KLPGA)を世界的に宣伝するためで、スポンサー誘致、韓国ゴルフの世界的レベルに押し上げるために国際競争力をつけるためでもある。いくら美人でも実力がなければ広報大使にはなれない。毎年初めに発表されるが、今年も10人の広報大使が選ばれた。ジュニア時代から「天才」と呼ばれたチェ・へジン(22歳)、5年連続のパク・キョル(25歳)、米ツアー帰りのチャン・ハナ(29歳)などが選出されている。アンシネに続くセクシー・ゴルファーと評判のユン・ヒョンジュ(27歳)は残念ながら、選ばれていない。コロナ禍に襲われた昨年の韓国ツアーでは彼女の成績は109位で、広報大使の選出対象にすらならなかった。現在、賞金レースのトップを走るパク・ミンジ以上に注目されるのは21歳の広報大使パク・ヒョンギョンだ。現在賞金レース三位を走っている。コロナ禍の昨年も二勝。17試合に出場して16試合に予選通過と着実な成績だ。今季も7試合に出場して全試合に予選通過している。今年すでに一勝と勝負強い。
 故郷はビビンパで有名な全羅北道全州。父親は2002年までツアープロだったパク・セスム氏。引退後、全州市内で室内ゴルフ練習場を経営している。彼女が本格的にゴルフを始めたのが、2008年小学校二年の時から。父親が経営する練習場で始めた。初優勝は小学4年生の時。全国パクセリ杯小学生大会でのこと。実はその三か月前にも優勝する機会があったという。しかしその時はグリーン上での二メートルの短いパットを片手で沈めようとして、カップ外外しただけでなく、また打ったボールが自分の足元にあたってしまい、思わずボールを手で拾い上げてしまったのだ。自分はそのままホールアウトしようとしたが、その光景を見ていた父親が寄ってきて、「お前はミスをした。自分で失格を自己申告しなさい」と言われて、スコア係に正直に自己申告しなければ、数打差で優勝できるはずだったが、失格した。その時の経験がプロになってからも教訓になっているという。ゴルフのルールをよく勉強すること。さらにいつでも自分のプレイを見ている人がいること、を知った。その後中学一年で常備軍、14年から17年まで国家代表。2018年にプロ入りした。中学一年の時、中国で開かれた「BMWジュニア選手権」では初日2イーグル、9バーデイの13アンダーを記録、三日間で通算20アンダーで優勝。15年と16年には国家代表として日本でも知られる「クイーンシリキット杯」に出場、個人、団体戦で優勝して、「スーパールーキー」として頭角を現した。その時、知り合った外国の選手から、「どうしてそんなに強いの?」と聞かれた。その理由は簡単だった。外国の選手は試合日程がまだ終わらないのに、毎日のように外へ出て、パーテイや外出を楽しんでいた。宿舎に残っていたのは韓国と日本の選手だけだったという。少し羨ましかった気持ちもあるが、パーテイを楽しむ人たちと自分たちはマインドが違うことに気がついた。韓国のアマチュア選手権はアマチュアの登竜門として有名で、男子のペサンムン、キムギョンテ、女子のパクセリ、朴インビなどが優勝しているが、彼女も三日間合計、29アンダー通算259という最小スコアで優勝している。この記録は今でも破られていない。プロ入り後、ドリームツアー(二部ツアー)で一勝、賞金ランク7位という好成績をあげている。当時、KLPGAの新人三銃士と呼ばれていたのが、チェ・へジン(2000年生まれ)、パク・ミンジ(98年生まれ)、そしてパクヒョンギョン(2000年生まれ)である。彼女のロールモデルは現在、米ツアー中のイ・ジョンウン6である。イジョンウン6は親孝行娘だけでなく、後輩たちへの面倒もよいことで知られている。「私は強いだけでなく、尊敬される選手になりたい」と申ジエのようなことをいう。大食家としても知られる。好きなのは鶏肉料理。サムケタンやタッカルビなど。中学時代は少し太めで、鶏を一匹平らげたあと、サムギョップサルを三人分食べたというエピソードがある。ゴルフ記者の評判も高く、「実力も性格も国家代表にふさわしい」と絶賛されている。取材記者たちも一度話しただけでも彼女の性格に魅了されるという。
ゴルフ記者たちは本来、中立的立場を守らなければならないが、彼女にだけは特別で、「必ず優勝して、オッパ(お兄さんの意味だが、年上の親戚といったニュアンスで使う)のことを喜ばせてくれ」と人前でも彼女を直接、激励している。韓国のゴルフ記者の一人は「パク・ヒョンギョンにはスター性があり、まだ原石だが、もう一つの新しい輝かしい宝石を発見した気持ちだ」と語っている。国家代表時代に学んだのか、12ページのノートをいつも試合会場にも持っていく。内容はメンタル的内容や専門家の言葉を書いたもので、自信を失いかけたり、怒ったりした場合に気を落ち着かせるために目を通すという。申ジエがジュニア時代からバイブルの一節を書いたメモ(ラミネートしたもので、汗をかいても濡れない)をもってプレイしたのと似ている。

wrote by masaki tachikawa

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