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恋愛備忘録

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事実は小説よりも奇なり。 信じてもらえないようなことがいくつも重なり、 時間を共有するようになった彼とわたしの備忘録。 信じてもらえなくても、すべてノンフィクション。 ちなみに彼…
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2024年2月の記事一覧

恋愛備忘録|振り回し、振り回される

 わたしの旧知の友人ならお馴染みの光景だろうが、わたしの恋人や、それに近しい関係になった相手は、総じてわたしのマイペースに振り回されている。  例に漏れず、今回もわりとそうである。  ハグをして、キスをして、どんなに甘い雰囲気になったとしても、それを一瞬でぶち壊してしまう。勿論悪気はない。断じてない。  例えばわたしはよく笑う。ゲラである。声は高くて大きいからよく響く。学生時代はふたつ先のクラスまでわたしの笑い声が聞こえていたらしいし、今の職場でも広い店内にわたしの声が響

恋愛備忘録|恐らくそれはやきもち

 真面目で誠実で優しくて穏やかで、とびきり頑固。それが彼の基本的な特徴であるが、やきもち焼きでもあるな、と。最近思う。  彼は聞き上手だ。  言語化が難しいけれど話しておきたい心の内や、過去の出来事に関する自分の考えを、時間をかけて話している間、「うん、うん」と丁寧に相槌を打ち、「それで?」と優しく声をかけ、頭の中で単語を探している間はそっと頬や髪を撫でて待っていてくれる。穏やかな眼差しをわたしに注いでくれる。  けれど話題が異性のことになると、途端に顔を背けたり、わたし