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春を前に。

朝晩の寒さに未だ上着を手放せずにいるのは、よちよち歩きの春のせいか。

明日は21世紀に入ってから6回目となる2月29日。過去、荒天が多い日らしい。4年に一度の日が荒天は嫌だなと思いながらも、そういえば、息子が生まれた2012年も大雪だったっけなんて思い返した何らいつもと変わらない帰り道。

ご丁寧に暖房を効かせてくれている車内。そんな気遣いも満員近い車内と上着を着こんだ僕には全くもって無用だった。駅に着くたびに流れ込む冷たい風が心地よく思えた。

電車を乗り換え、あと一駅のところで上着にいれていたスマホが鳴った。

メッセージ1件の通知。

開いてみれば、あなたが逝ったとの報せ。あれだけ暖かかった車内がまるで嘘かのように一瞬で血の気が引き、スマホを持つ手が震えた。

あの日から2週間が経つ。

最後に顔を見ることができたし、今までの感謝を伝えることもできた。

息子の誕生日前日があなたの命日。
この先も忘れることはない。

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