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後継者不足で閉店してしまった大好きなカリー屋を、2年かけて復活させました

「早稲田メーヤウ」のオーナーを務めている高師です。

閉店してしまったカリー店「早稲田メーヤウ」を2020年7月4日オープンをもって、復活させることができました。

全国のメーヤウファンの皆様、大変長らくお待たせしました!

早稲田メーヤウはどんなお店?

東京都新宿区の早稲田大学近くにあるメーヤウ早稲田店は1997年に開業し、21年もの間、早大生に愛され続けてきました。多い日では、1日に300食以上も売れるカリー店でした。

こちらが人気のインド風チキンカリー(辛さ★★★★☆)

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スパイスが効いており、かなり辛い。一口でおでこに汗が滲みます。

初めて食べた時は、辛さゆえ「口のなかが痛い」という感想がほとんどですが、また食べたくなってしまうのが、メーヤウの魅力です。

突然の閉店と承継

繁盛していたメーヤウ早稲田店ですが、2017年3月に一時休業をし、理由もわからぬままそのまま閉店しました。一時休業からの閉店となったため、多くのファンに疑問を残し、SNS上では悲しみの声が広がりました。
店長の高橋さんは、2016年頃から体力的な問題から営業継続の難しさを感じていたそうです。そんななか、ある日をきっかけに僕と高橋さんは出会い、復活プロジェクトの話が進みました。

閉店から承継までの経緯は以前の記事にて投稿しております。

店舗オープンまでの道のり

2019年の2月ごろ、いきなり店舗を持つのではなく、まずは小さく始めたいと思っていた矢先、カリーの縁でお知り合いだった方から、高円寺にある「間借りカリー専門店」をご紹介いただきました。

そして復活第一弾として、2019年3月17日に高円寺の間貸しカレー専門店の豆くじらさんで間借りして1日限定営業をしました。Twitterでの告知だけにも関わらず、オープン前から100人近くのメーヤウファンの方々が並んでいただきました。

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メーヤウで働いていた早大生OBも手伝いに来ていただきました。そのときの雰囲気が伝わるキッチンの様子です。

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また、この限定復活までの道のりをNHKの「所さん大変ですよ!」にて1ヶ月取材を受け、その様子が2019年4月25日に放送されました。そして偶然にも、番組制作のディレクターさんが早稲田出身で、メーヤウファンでした。怒涛の1ヵ月が終わり、閉店した後に、ディレクターさんが「本当にこのカリーはすごいよ....」と涙を流して下さっていたのは、今でも鮮明に覚えています。

新店長の高岡さんとの出会い

新しい店長は「メーヤウのカリーが大好きであること」はどうしてもこだわりたくて探していたところ、元店長の高橋さんに僕と同じく熱烈なメーヤウファンの高岡さんをご紹介いただくことができました。高田馬場のカフェで出会ってすぐに、チキンカリーの食べ方について熱い議論を交わすほどに意気投合し、今のお仕事を辞める決意もあり、そのまま店長をお願いするのはとても自然な流れでした。その後、一緒に高橋さんから修行を重ね、味を承継していきました。

この出会いにとても感謝しています。

(写真はプレオープン後の、お疲れの乾杯。写真左が高岡さん)

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運命のお店が見つかった

無事、新店長が見つかりましたが、新しい店舗を見つけるのにとても苦労しました。

早稲田で出店するのは絶対条件にしたいと思っていたので、常に早稲田界隈の飲食物件の空き状況を見ていました。しかし、Webで見つけるころにはすでに数十人、数百人の方が閲覧していて、不動産会社に連絡したころにはすでに物件が決まっていたり、運良くまだ空いていても、実際に内見したら条件が合わず、ということが1年近く続いておりました。

そんななか、これもまたカリーの縁で知り合った方に、1日だけお借りできそうなお店をご紹介いただいたところ、オーナー様から1日だけでなく店舗を譲りたいというお話をいただき、その後トントン拍子で物件契約が決まりました。店舗の広さ、駅の近さ、内装の雰囲気など、考えていた理想の物件でした。

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開業資金のために、クラウドファンディングを実施

新店長、新店舗が見つかり、2020年の5月開店に向けて具体的な準備を進めました。

飲食店は始めにお金が多くかかることは知っていましたが、細かい出費の積み重ねがあり、その合計額は想像以上でした。日本政策金融公庫で創業融資でお金を借りつつも、それだけではなく、2020年2月に初めてのクラウドファンディングにチャレンジしました。

なんと、150万の目標に対して1日も経たず達成し、最終的には427万のご支援をいただきました。日本だけでなく、海外赴任されている方含めた世界中のメーヤウファンの想いが募り、大成功のクラウドファンディングとなりました。

CAMPFIREではご支援いただいた方からお一人ずつ応援コメントをもらえる仕組みがあり、300件以上の応援メッセージをいただきました。また、同時に色々な場所で応援メールも直接いただくことが増え、非常に目頭が熱くなるメッセージが多く、改めて感謝の気持ちで心がいっぱいになりました。

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残念ながらコロナによりオープンが延期

2020年5月のオープンに向けて順調に進んでいた開店準備でしたが、予想もしていなかった状況となりました。緊急事態宣言が出たタイミングで、スタッフ・お客様の健康を第一に考え、オープンの延期を決めました。店舗での売上がしばらく先になり、今後どうなるのか不安はありましたが、メーヤウを応援していただいているみなさまだけのことを考え、粛々とクラウドファンディングのリターンのカリーの仕込みや、冷凍カリーの通信販売を細々と開始致しました。

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その後、緊急事態宣言も解除され、7月4日を新たな門出の日と決め、準備を進めました。本来は店内でのご飲食も予定していましたが感染者増加の傾向を鑑み、2日前に急遽テイクアウトとUberEatsのみでのグランドオープンに切り替えました。

そして、2020年7月4日、遂にオープン

やっと迎えたオープン当日。

オープン2時間前から並んでいただいている方もいらっしゃいました。

そして、いよいよ営業開始時刻の11時30分。

プロジェクトオーナーの僕、元店長の高橋さん、新店長の高岡さんで店頭にてご挨拶をしました。大変ありがたいことに、みなさまからの拍手で新・メーヤウを迎えていただきました。たくさんのファンの方の拍手と共に「早稲田メーヤウ」は復活オープンを致しました。

そして、2時間で100食を無事完売しました。

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最後に

メーヤウの味を絶やしてはいけないという強い想いで復活することができました。今後、大事にしていきたいことは一つで、たくさんの方にこのメーヤウのカリーを食べてもらい、メーヤウがもっと親しまれることです。

また、今回の復活プロジェクトを通じて、数え切れないほど本当にたくさんの方にお世話になりました。飲食に関わる方々、中小企業を支えて下さっている方々、大変お世話になりました。この場を借りて深く感謝申し上げます。文章で表現するのは難しいのですが、「食」はとてもいいなと改めて感じています。色んな前提や説明をすっ飛ばして、「美味しい」「その味が好き」というシンプルな価値で、ここまで多くの、色んな方の想いが募り、繋がり、何かを成し遂げられるというのは、本当にすごい事です。

これからもメーヤウが愛されるカリーとして広まっていくよう、プロジェクトメンバー一同、取り組んでまいります。

今後とも、早稲田メーヤウを宜しくお願い致します。


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