月の妹たち 第二章 ~犯行~
カエルの鳴き声がすぐ近くでコントラバスの響きを真似て聞こえる夜、それは周囲の青さに溶け込んで、永遠を手にしたように繰り返される。
夏が迫っていた。
片方だけ開け放たれた重いカーテンが創り出す、長方形の薄明かりが、部屋の中に冷たい月の光を投げかけている。窓辺に置かれた扇風機の微風が、廻っては通り過ぎ、まるで闇が規則的に大きなため息をついているようだ。
ベッドの上のふたつの人影は、そのため息に包まれて、安らがずに起きていた。
眼が四つ、月明かりに向かって視線を伸ばしている。
まっ