見出し画像

第20回 #書き出し祭り 第四会場感想(まさかミケ猫)


はじめに

 第20回書き出し祭り第四会場の感想を以下に書いていきます。以前Xで呟いたタイトル・あらすじへの感想(※本文未読時のもの)も一緒に掲載しますので、予想や期待をどのように突き抜けてくるのか、といった部分にも着目していきながら感想を書いていきたいと思います。

企画概要

第20回書き出し祭り 第四会場

https://ncode.syosetu.com/n9350in/

事務局ポスト

タイトル一覧

第20回書き出し祭り 第四会場 タイトル一覧

あらすじ一覧

4-01 天使な二人は俺の義妹

タイトル・あらすじ感想

 癖でぶん殴りに来る第四会場のトップバッターに相応しい意欲作ですね。カフィヤとスアラがどんな義妹なのか、わざわざ二人用意するからにはそれぞれ濃いのを期待してますよ!

本文感想

 トップバッターから魅せてくれましたね、これは面白かったです。あらすじから期待した通り、美少女な義妹二人に溺愛されて生活する主人公ですが、二人のキャラの違いがそれぞれ強調されていて読みやすかったです。良いですよねぇ。
 金髪のカフィアの方は家事もバリバリこなす、丁寧でしっかりものな美少女。銀髪のスアラの方は雑でちょろくて気さくな美少女。で、二人は抜け駆け禁止の約束をしながら主人公の義妹として生活していると。冒頭の出会いのシーンから、二人が実は人外(タイトル通りだと比喩じゃなく天使なのかなぁ)っていうのが推測できるので、都合よく義妹の座に収まっている理由も読者が勝手に「人外パワーかなぁ」とか想像できるようになっているのが引っかかりなく楽しめるポイントになっているかなと思います。
 ラブコメの構造としては「美少女に溺愛される男の子」という男性向けパターンになるかと思うんですが、天使二人という強力なダブルヒロインを置いてくれたので今後の展開をいろいろと転がせそうだなと思っています。第一話で見せてくれたようなラブコメの定番イベントはもちろん、あらすじにあるような人外の襲撃だったりだとか、そういった楽しい出来事を通してこの三人のニヤニヤする構図を今後も見せてくれると良いなぁと期待しています。面白かったです!

4-02 A Void

タイトル・あらすじ感想

 たぶん空は「から」と読むんですよね。voidだし。で、これは思考実験的な話になると思うんですが、キャラが登場する話なのか読者に考えさせる話なのかでだいぶ変わってきますよね。どっちでも面白そう。私は自分なりに答えを見つけましたが、どんな作品になるのかなぁ。

本文感想

 めちゃくちゃ面白いですね。これは作者様の考える脱出方法をぜひとも読ませていただきたいところだなと思っています。続きお願いしますね!
 さて、どこから考え始めるのだろうと思いましたが、自分自身が『何か』であるという考察になるほどと納得しました。きっかけがないところから思考の起点をここに持ってきたのは面白いなと思います。こういった手探り感がたまらないですよね。ルールがあるから戦える、というのはそうですよね。今回は空の世界ですが、別に普通の世界を題材にしたってどんな制約条件を与えるかで行動選択はだいぶ変わってきますし。
 それで、ルールが必ず「守られなくてはならない」という部分は私も実はあらすじを読んだときから気になっていた部分です。ここの言い回しが「ルールを守らなくてはならない」じゃないのがポイントだなと思ってまして。これはやはり自分への強制力だけでなく、世界そのものにも強制されるルールであるのだなと。それならば色々とやりようはありますもんね。例えばそう、「24時間に1回以上、脱出に向けたヒントを受け取らなきゃいけない」みたいなのもアリなんじゃないでしょうかね。
 さて、食事ルールに対して世界改変がどの程度起きるのかは分かりませんが、ここの世界の改変内容によって戦い方は大きく変わると思うんですよ。これが無味乾燥なカロリーブロックが登場するとかであれば「世界はルールを守るのに必要最低限の改変がなされる」という裏ルールが見えてきますし、逆に急に森が現れて狩猟生活をさせられる感じだと「世界はルールを守るのに苦労するような改変がなされる」という裏ルールになっていくと思うんです。こういった裏条件を、様々なルールを設定しながら検証していくとルールの穴もより精密に見えてくるんじゃないかなと思っています。
 本作はすごく考察のしがいのある面白い作品だと思いますので、ぜひとも「24時間に1話必ず続きを投稿しなければならない」というルールを作者様自身に課していただいて、次話以降を読ませていただければなと思っています。

4-03 聖女の愛娘

タイトル・あらすじ感想

 聖女である母親に憧れとコンプレックスを抱く娘の話かなぁ。妄想してみたんですが、魔術を使えないパターンと、魔術以外の資質不足で聖女になれないパターンで物語が大きく変わりそうですね。これは楽しみに待ちます!

本文感想

 なるほど、そう来るかぁ。これは面白かったです。
 主人公の出自については冒頭から匂わせてきますが、明かし方が良いですよね。王族に関しての見た目の情報提示、お母さんの頑なな態度、からのお守りを外しての末尾は大きく盛り上がる書き方だったなぁと思います。この流れが鮮やかで、私もこういう感じで書きたいなぁとふむふむと思っていました。いいですよね。
 お母さんの過去については明かされていないことがたくさんありますよね。実際のところはわかりませんが、今も王室付きの筆頭魔術師を続けているってことは、おそらく無理やり関係を持たされたわけじゃなくて密かに恋を育んだのかなぁなんて想像してしまいます。子どもへの愛情もちゃんと持っているみたいですし。そして、お母さんが主人公をあまり公に活躍させたくない理由……それが、その見た目から王族だという出自が露見することになれば、彼女が危険にさらされるから。これは母親としての愛でもあり、エゴでもあるなぁと思いました。
 主人公の将来を考えれば、誰かと結婚して子どもを産めば血筋が明らかになってしまうわけで。というか、王族の血筋が見た目から簡単に分かる世界で王族と恋愛するのって普通は軽率だと思うんですよ。それでもなお、子を産んで秘匿しながら育てた……というあたりの背景事情は、きっといろいろな出来事があって葛藤や欲求がいろいろとあるんだろうなと想像してしまいました。父親側は知ってるのかなぁ。
 今現在はまだ表面化していない色々な物語をぜひとも読ませていただきたいなと思いますので、続きの供給をぜひお願いしますね。楽しみにしています。とても面白かったです!

4-04 タイムバケーション

タイトル・あらすじ感想

 SF大好きっ子なので超期待してます。
 この世界観、彼ら(推定宇宙人)やら第四次大戦やら掘り下げに困らない世界を舞台に、タイムトラベルで青春再生物語させるの面白すぎでしょ。もはや本作の作者は私かもしれませんね。書きたい。

本文感想

 面白かったです。なるほどなぁ。彼ら――この感想ではあえて「宇宙人」という身も蓋もない呼び方をしてしまいますが、荒廃した地球を20年で再生した宇宙人というのが、SFとしての本作に一本大きく設定された「フィクション」部分になるのだと思います。彼らの技術によって地球は大きく様変わりできますし、身体を機械化することもできて、精神的に過去に戻ってやり直しができるような技術まである、という面白い世界観になっているのだと思います。
 さて、本作で大きな謎として横たわるのが、恋人だった桐木遥に関してですよね。過去で意味深な発言をして別れた彼女が、今は宇宙人と結婚しようとしている。そこにある真実は何なのか、とても気になるところです。セリフとしての「月が見えすぎる」はたぶん「月が綺麗ですね」と引っ掛けたなにかの感情の暗示だと思うのですが……これはあまり掘り下げるのは野暮ってもんですかね。すごく切ない予感がするので、ここは大人しく続きを待ちたいと思います。
 さて……別れを切り出した時の遥は、本当に当時の遥だったんですかね。時間遡行の方式が意識だけ飛ばす方式なので、何かしらの情報を持った未来の遥が過去に飛んで別れを切り出したという可能性も十分に考えられるなぁなんて考えてるんですけれど、ここはどのような真実をどのような切り口で見せてくれるのか、楽しみにしています。
 宇宙人の目的も気になりますよね。たぶん優しいだけじゃなくて、何かしらの利益があってやっている活動なんじゃないかと想像しているんですが、そもそも常識自体が地球人とだいぶ違うように感じられるので想像の域を出ませんね。これも、次話以降でどのように描写されるのかを楽しみに待ちたいと思います。
 そんな感じで、本作はつい色々と妄想が広がってしまうような作品だったかと思います。とても面白かったです。続きをお待ちしております!

4-05 とあるドラゴンの異世界転生 〜第二の竜生はコンビニバイト〜

タイトル・あらすじ感想

 ドラゴンから竜人に転生してやることがコンビニバイトですか! ってことは転生体はある程度育った姿かなぁ。コンビニがあるので時代はある程度進んでますよね。何がどうしてそうなった! これは楽しみに待ちたいと思いまーす!

本文感想

 なるほど、ガレオン→レオンへの転生ですが、竜人という違いはあっても時代背景はだいぶ現代に近い感じですね。コンビニがあるのでそれはそうか。で、ガレオン(レオン)がけっこう愉快なので応援したくなるキャラだなぁと思いながらふむふむ読んでいました。
 転生前のバトルはまさに暴竜といった感じ。普通に容赦なく人間に豪炎を吐きかけるので、勘違いとかも一切なく普通に悪役モンスターとしての竜だったわけですが……それにも関わらずガレオンにヘイトを覚えないのは、彼の誇り高い部分をしっかり読ませていただいたことかなと。自分を殺した人間を恨むのではなくて、勇敢な種族だと称賛して死んでいくのがすごく良い部分だと思っていて、だからこそ転生後の人生(竜生)を応援したくなるのだなと思います。
 転生後のシーンはだいぶコミカルに始まりますよね。緊張からの弛緩というか、ここはすごく楽しく書いていただいたなと感じています。母親がわりとちょっと過保護気味なのも笑えるところ。会話シーンがボケとボケの掛け合いみたいになっててずっと面白いです。そして、元のレオンと普通に脳内会話できる状態だったり、早々に母親に正体を打ち明けるのも楽しんで読めるところだなぁと思います。
 さて、末尾はコンビニでバイトを始めるレオンですが、店長さんが戦士そっくりなのは偶然なのか、何かしらの繋がりがあるのか。今後もすごく楽しい作品を読ませてくれそうだなと期待しています。面白かったです!

4-06 『たとえ君が全世界を敵に回しても』的なやつ

タイトル・あらすじ感想

 的なやつ、とか言ってコミカルな感じを出してますけど実は結構な純愛を叩きつけるつもりじゃないですか? わりと可哀想な状況の年下少女すぐるが朴念仁な主人公相手に全力でアプローチかけるのをニヤニヤ見たいです先生!

本文感想

 すごいなぁ、これは期待を突き抜けて面白い作品を読ませていただきましたよ。とにかくスピード感がすごい! そして、予想してた主人公が朴念仁なパターンじゃなくて、ヒロインが残念なパターンだったのも面白かったです。これは良かったなぁ。
 冒頭、いきなりスピード感マシマシなの良いですよね。いきなり追いかけられてるところからスタート。で、あれよあれよと色んな人に殺意を向けられる状況が不可解なんですが、そんなことを考える余裕もなくとにかく走り続けるのが面白すぎます。そして走りながら告白してくるすぐるを見て、すごく残念な子だぁと思いながら大好きになりました。こういう変な子大好きなんですよねぇ。いいなぁ。
 主人公とヒロインの掛け合いが常に面白くて、笑ってるうちに転がるように全世界を敵に回してて、また笑いました。タイトル回収というか、タイトル通りの構図を見せてくれたなと思うんですが、そんな状況でも恋愛面のアピール(それも絶妙に残念なアピール)をしているのがまた良いんですよねぇ。追い詰められていて可哀想ではあるんですが、こういう部分がすごく面白いので読み味が一切暗くならずに楽しめるのだと思います。
 本作はとにかく面白い残念ヒロインを読ませていただいたなぁと思っています。もっとたくさん残念エピソードを読ませていただきたいと思っているので、続きをぜひ書いてくださいね。よろしくお願いします。

4-07 【急募】異世界への戻り方!

タイトル・あらすじ感想

 異世界から戻ってきた後を題材にした作品っていろいろあると思いますが、再び異世界に戻りたい奴らがバチバチに争うのは新しいですね。設定が予想できないぞ……これは楽しみにしてます!

本文感想

 面白かったです! はー、こうなるのかぁ。これはワクワクすると同時に、今後の展開をいろいろと妄想させてくれる面白い作品だったと思います。なるほどなぁ。
 冒頭から異世界バトルシーン、その中途半端なところで元の世界に飛ばされた東寺、というところからスタート。それで、現代世界での魔術の活かし方がまた良いんですよね。SNSを使っての認識誘導魔術を応用した情報収集、ここでタイトル回収もしているのですが、やり方が面白いですよね。しかもその結果として、他の転移者も引き寄せてしまうという。
 それで、バラバラの世界に飛ばされて帰ってきたにしては、彼らの状況が似通っていると思うんですよ。時間の流れも世界によって違うはずなのに、みんな同時期に、一ヶ月制約の中で帰還しなきゃいけない転移者が四人重なるなんてことが、偶然起こりうるのか……というのを考えていくと、この事態の裏で糸を引いてる「何か」がいるんじゃないかなーという部分も楽しみになってくるんですよね。
 さて、それぞれクセのありそうな奴らが集まってきての、異世界帰還に向けた共闘になっていくかと思います。キャラがみんな立っていて面白いですよね。一筋縄ではいかない関係になっていくことと思いますが、彼らが果たしてどうなっていくのか。今後の展開を楽しみに待ちたいと思います。

4-08 神獣の召喚士 ~転生少女は、世界で唯一のもふもふ・サモナー!~

タイトル・あらすじ感想

 今回のもふもふ枠、来ましたね! お待ちしておりました。けっこう可哀想な状況でももふもふな癒やしとドタバタで楽しく読ませていただけるのを期待してます! きっとほんわか枠(´ω`)

本文感想

 いいですねぇ、もふもふサモナー。ストーリーラインはまさに追放モノという感じで、これから始まるもふもふ大冒険を予感させてくれますよね。もふもふな神獣と心を通わせながら活躍していってほしいです。
 さて、辺境伯令嬢だったアリーシャですが、冒頭は彼女にとって厳しい世界から始まります。なるほど、貴族的にはサモナー自体が軽視されている世界なんですね。個人的には、比較対象として妹の置き方が良いなと思いました。シンプルですが構図がすごく分かりやすくなるので。
 後半は、子犬とともに逃げるアリーシャと、それを助けるサモナー協会の男。子犬が元気になって(しかも大きくなって)良かったなぁと思います。貴族的にはサモナーを見下しているような状況ですが、民間で実利中心に考えると非常に便利なスキルだと思いますので、今後は活躍が期待できるなぁと。懸賞金をかけられているため身分を隠す必要はありそうですが、楽しい話になっていきそうだなと思っています。
 物語としては最初に思いっきり谷を作ったので、ここから先はじわじわほのぼのと、もふもふストーリーを味わえるのかなぁと期待しています。ぜひぜひ続きも読ませていただけると嬉しいです!

4-09 占い結果は異世界ハーレム!?〜女神様からのお願い〜

タイトル・あらすじ感想

 社内の女性占い師に「貴方の未来は……異世界ハーレムです!」って言われるの、なかなかぶっ飛んだ状況ですよね笑 女神様のお願いとか絶対ろくなやつじゃない! 楽しいの期待してまーす!

本文感想

 なるほど? 占い師にわりと直球で「異世界です」って言われてて笑っちゃいました。主人公はかなりオタク気質な感じに見受けられますので、これから楽しい話になっていきそうだなと思っています。停滞した文明を進めるのって、現実世界に準拠してやると結構な血を見ることになりそうですが大丈夫かなぁなんて思いつつ……笑
 冒頭からの流れで主人公はわりと平和な脳みそしてるなーと思っているので、これは転生先の世界によってはだいぶ騙されるやつじゃないかなと少し心配してたりもします。ハードな世界の可能性もあると思うんですが、大丈夫かなぁ。まぁ作品自体がけっこうライトな世界観なので、あまりえぐい感じにはならないかと思うんですが、転がし方によってはヤバい作品にもなりえるなと思いまして。
 それで、停滞した文明を進めるのってけっこう大変だと思うんですよね。世界が違うとベースになる技術が変わるのはもちろんそうなんですけど、新しい物事を導入するときってだいたい古い物事でメシを食ってる人たちから大きな反発があるじゃないですか。主人公が「よっしゃなんとか農法だぜ」などと考えたとして、それをどういう流れでみんなに納得させられるのか……そういった部分の難しさも読ませていただきたいなと思っています。
 検索スキルは現代知識だけじゃなくて、異世界で見聞きしたことを思い出せるようになると思うので、いろいろな使い道があるんじゃないかなと思っています。実はかなりのチート能力だと思うので、いろいろと妄想が広がりますよね。面白かったです!

4-10 怪獣の魂はどこへ行く

タイトル・あらすじ感想

 はい、あらすじがないので妄想しまーす!
 ウ●トラシリーズだと倒された怪獣や宇宙人が「怪獣墓場」に行くじゃないですか。本作は怪獣の魂について研究してる男がこの「怪獣墓場」に迷い込み、怪獣たちもわりと楽しくやってんだなぁ、みたいになる話だと嬉しいでーす!

本文感想

 はい。ウ●トラシリーズではなかったですね。ごめんなさい。
 本作はとても不思議な話だったなと思います。怪獣の霊が見える、という設定だけでも面白いのに、まさかその世界観で先輩との甘酸っぱい青春模様を描いてくれるとはまったく予想だにしていなかったです。しかも先輩が怪獣を見れなくなる→死ぬ→幽霊になる、という流れはまったくもって想定外でした。すごく面白かったです。
 それで、冒頭から作品の雰囲気がいいんですよ。直面している事態はわりと大きいのにも関わらず、主人公の内面が凪いでいるじゃないですか。すごく静かに淡々と描写される感じが凄く良くて……先輩との青春模様についてもいろいろ思うところがあると思うんですが、この穏やかな感じを引き延ばそうとするような主人公の性格がなんだろう、すごく青春を感じると言うか、等身大の若者っていう感じがして良いなと思うんですよね。
 そして幽霊になった先輩との再会。ここからどう物語が進んでいくのか、あまり先が想像できないのですが……先輩に見守られながら彼がどんな時間を過ごしていくのか、それと怪獣の霊については解明されるのかされないのか、いろいろと楽しみにしながら続きを待ちたいと思います。
 独特の設定と静かでノスタルジックな雰囲気が素敵な作品でした!

4-11 つばさを取り戻すために

タイトル・あらすじ感想

 再生医療って近未来SFの医療技術としてめちゃくちゃ面白いテーマですよね。私も直近で似たテーマのやつ書いたりしてますが、部分的にしろ人のクローニング技術は倫理的な問題を孕んでるのでそこをどんな時代背景や思想の変遷、どんな仕組みや規則を用意するかで文字数

本文感想

 ほう、これはあらすじ時点ではSFかなと思っていたんですが、ちょっとテイストが違いますね。ホラーの方が近いんでしょうか。リハビリの方法が幽体離脱っていうのは全然予想できなかったですね。面白かったです。
 美月ちゃんにリハビリを頑張ってほしいなと思う反面、最後に出てきた白衣の男が何をしていたのか気になりますね。何かを隠している様子ですが……主人公の魂が抜けている間に何してたんですかねぇ。いろんな選択肢があるので、想像が膨らむなぁと思っています。
 さて、本作は幽体離脱が医療技術の一つとしてちゃんと定義されている世界観なのが面白いところですよね。途中の話しぶりから、魂の存在や役割については科学的に解き明かされていそうな感じなのが良いなと思いまして。おそらく生身で幽体離脱はなかなかできないと思うので、病院のベッドには幽体離脱用の装置とかが仕込んであって、医者と患者それぞれ幽体離脱ができるようになっている――といった仕掛けがしてあると、SF好きとしては大変うれしいと思います。空中に浮かばないように調整をしている描写があったりするので、たぶん医者と患者でそれぞれ操作権限が違うのかなぁなんて思っていたりしますが。
 さて、今後の物語がどう転がっていくのか……これは予想できませんね。技術の一つとして確立しているので、身体に戻れないといった不具合は考えづらいですが、そこは白衣の男が何をしてたか次第かもしれません。どんな物語が展開されていくのか、今後を楽しみにしたいと思います。

4-12 灯龍遊行

タイトル・あらすじ感想

 ふむふむ、完璧主人公が退屈していたところ、和風少女と出会う。灯籠が本作において何のシンボルなのかはまだ分かりませんが、遊行だからウロウロするのかなぁ。和風少女と、灯籠に照らされた夜道を。これはエモエモな感じじゃないかなぁ(ワクワク)

本文感想

 ほう、こうなるのは予想外でしたね。カガリの人外味が強くて超然としていて良かったですね。面白かったです。
 久遠の造形は「日常に退屈している男子」で、テストすらまともに受けなくて呆れられているレベル。それくらい突き抜けているからこそ、人外に目を付けられたのかもしれませんね。で、違和感に気づいて追いかけていった先でカガリと出会うと。
 カガリは愉快犯のようなキャラクターで、人を手のひらで弄ぶわりとろくでもない系の人外のように受け取りました。すごく良いですよね。やっぱり人外にはこれくらい人の感覚とズレていてほしいものです。
 二人の会話が私はけっこう好きで、表面的な言葉としての会話は成り立っているのですが、内面では隔絶して一切歩み寄っていないあたりの叩きつけ合うようなやりとりに「人間と人外の会話だなぁ」と感じさせられました。今のところ歩み寄れる気がしないと言うか、立っている場所が違いすぎて久遠はカガリに相手にもされていない感じだと思っています。もちろん物語が進めば、だんだんと興味を持ってもらえるくらいにはなるのかもしれませんね。どういった変化があるのか楽しみにしています。
 それで、久遠は神社にやってくると。流れとしては異世界転移のそれと似ているのですが、独特の雰囲気がありますよね。ここからどうなっていくのか……いろいろな可能性の考えられる第一話だったと思うので、作者様が思い描く先の展開を楽しみにしたいと思います。面白かったです!

4-13 チート令嬢のパグとして召喚されましたがやることがありません

タイトル・あらすじ感想

 パグ可愛いよねぇ。そりゃあチート令嬢に無条件で甘やかされてもしょうがないよ、パグだもん。でも本作は彼なりに頑張って役に立とうとするんですね。良いなぁ。うまくいく気はなぜか全くしませんが……これは楽しい作品だぞ!

本文感想

 パグかわいいなぁ。お嬢様がガチで有能なので本当に出る幕があるのか疑問になってきますが、地味に王子と戦うジョセフィーヌ(オス)がすごく可愛かったです。鳴き声が良いんですよ。力が抜けるぅ。
 冒頭、パグなりに王子からお嬢様をお守りする彼が良いですよね。うん。これがパグにできる精一杯だ。きっとこの物語の一番の活躍ポイントだったぞ。よく頑張ったなパグ。
 それと有能お嬢様がパグ大好きなのがまた良いですよね。地味に肉球を揉みしだいたり、パグに危害を加えられそうになったらキレたり、吸ったりと、パグを溺愛している感じがほんと良くて。有能なキャラって作者の予想外に読者にとって鼻につく感じが出ちゃうこともあるんですけど、本作はその心配は不要ですね。パグを溺愛しているって要素が突き抜けているのでめちゃくちゃ好感度の高いヒロインに仕上がってるなぁって思います。
 さてさて、物語は婚約破棄に関連して、王子の可哀想な未来がチラチラと見え隠れしながら終了したわけですが。いやぁ、やっぱりパグ視点っていうのが新しくて良いですよね。もちろん、例えばドラゴンとかでも似たようなストーリーは作れると思うんですけれど、パグほどの効果は出ないんですよ。ここであえてパグを持ってきたからこそ、この力の抜け具合というか、王子からの舐められ具合とお嬢様からの愛され具合のバランスが絶妙なのが良いんですよねぇ。そしてお嬢様の有能さと優しさが際立つと。
 書き手としてこの作品の構図からは見習いたいことが多かったですし、読み手としてもニコニコしながらずっと読んじゃって、もうずっと面白かったです。やっぱパグ可愛いですよねぇ。とても素晴らしい作品だったと思います!

4-14 PEARL 君の心が晴れる時

タイトル・あらすじ感想

 鬱々とした暗い話になりそうでめちゃくちゃ楽しみです。なにせ遥翔は彼女持ちですからね。珠代とどんな関係になろうが何かしらの破滅が待ってるじゃないですか。で、常識、折り合い、共依存でしょ。心晴れなさそー! 楽しみにしてまーす!

本文感想

 あ、好きですね。これは期待していた感じの鬱々とした青春の話ですごく良いです。今のところ心が晴れそうなビジョンが全く見えてこなくて、良くてビターエンドかメリーバッドエンドくらいしか着地点の見つからない感じがすごく良いですよね。実は私こういう暗い話も大好きなんですよ。
 それで、冒頭から萌々愛が想像していたよりもずっとどうしようもない女だったので私はちょっと楽しくなってしまっていたのですが、この「常識」って言って振り回してくる感じが絶妙に小憎たらしいんですよね。この流行り物に流されやすくて絡み方が鬱陶しい感じ、もはや遥翔がなんで付き合ってんのか分からないレベルだなぁと思ってワクワク(本当はワクワクしちゃいけない方向のワクワク)してたんですが。
 まさかねぇ、第一話で裏切りカードを切ってくるとは思わなかったんですよ。これがもうほんと面白いなぁと思って。
 それで、第一話末尾まで読んでみるとメインのストーリーは珠代とのエピソードにあるんだなというのが朧気ながら見えてきたなと感じています。大枠の構成的な話から考えていくと、最初に「常識」について語るあたりで作品全体のテーマを見せつつ、裏切りシーンで遥翔から「何か」を欠落させたところで、本編のエピソードの入りまでが第一話なのかなと思っていて。これから特殊清掃なんかのエピソードを通して遥翔が珠代と交流していくと。それで色々あって、最終的には裏切りによって欠落した「何か」が補填されるようなものを遥翔が見つける、までが大きな物語の流れになるのかなと思っています。結末では最初に示した「常識」というものに遥翔なりの答えを出せるようになっているんだろうなーと想像しているわけですよ、あくまで私の妄想ですが。
 それで、珠代との交流についてはこれからだと思うのですが、あらすじからしてめちゃくちゃ不穏ですし、一話末尾が「特殊清掃」でしょ。これはもうすごく暗い話になっていくんじゃないかなぁって思って、私はけっこう鬱々とした感じを期待してしまっているわけです。すごく続きを読ませていただきたいので、ぜひとも書いてほしいなぁと思っている次第です。よろしくお願いします。

4-15 球体関節人形の血は赤いのか。

タイトル・あらすじ感想

 ほらほら、怖いの来たじゃないですかぁ。いっそお化けであってくれた方が怖くないのにぃ。特等席なんていらないよぉ。見世物小屋風なのめちゃこわなんですけど……えぇーん、怖いよぅ。すごく楽しみだよぅ。あらすじ最高だよぉ。

本文感想

 ひゃー、怖かったですねぇ。これはグロ系の怖さのあるすごい作品を読ませてくれたなぁと思います。コレラさんの口上からすると最初はだいぶ怪しい人物なのかなぁと思っていたのですが、背景を聞くとヤバそうなのは兄のコロリの方ですかね。それで、見世物小屋をやりながらレイスちゃんを知っている人間がいないのか探しているのかなぁ。とにかくゾクゾクしました。
 さて、見世物小屋の仲間たちですが、みんな独特の味があって面白いですよね。とにかくみんなが芸人なんですよ……今の時代だと芸人って言ったらお笑い芸人を連想してしまいますが、彼ら彼女らはもっと広い意味での芸人としてプロフェッショナルだと感じました。冒頭から蛇兄さんの大活躍によってこの見世物小屋に集まった人を釘付けにし、もちろん読者もぐいぐいと独特の世界に引き込まれたなぁと思います。千佳姉さんもプロですよね、舞台裏のギャップが好ましいです。小人症の泰造兄さん、達磨の大佐、みんなそれぞれ独特なんですが、すごく人間味を感じられるのは、ここが「舞台裏」という本性の見える場所だからなのかもしれませんね。
 それで、ここまで書きこんでいるのにエグみよりも美しさの方を強く感じられるのは、すごい文章力だなぁとひたすら感嘆しています。だってねぇ、同じプロットでみんなが作品を書こうとしたら大変な騒ぎになると思うんですよ。私は絶対書けないです! もうこれは、作者様の上手さが如実に現れてるなぁと思いました。面白かったです。

4-16 終末飛翔

タイトル・あらすじ感想

 ゾンビアポカリプスで鳩に転生かぁ。何を食べたらこんなコンセプト思いつくんだろう。鳩、鳩か……これは淡々とした感じで私好みのシュールなSFになるのを期待しましょうかね! 想像したより鳩だった、みたいな読後感があると嬉しいです。

本文感想

 これはすごい面白かったです。鳩目線でのゾンビパニックかぁ。自分の身体が鳩を捕まえようとしていたのは理由があるのかな。冷静にボコボコにしてましたけど。凄いアイデアの作品だったなと思います。
 本作の良いのは、主人公の語り口がわりと淡々としているところかなと思っています。ここで感情的になって冷静に判断できなくなる主人公はゾンビアポカリプスで生き残れませんからね。まぁ主人公は生き残れなかった側なんですけれど。けっこう悲惨な状況なのに読み味が重くならないのは、彼がわりと呑気に状況を見ているからなのかなと思います。さすが平和の象徴。
 それで、本作のゾンビウィルスは哺乳類にしか感染しないというのが一つポイントかなと思っています。いや、ゾンビものにあまり理屈を求めるのは野暮だと思うのですが、作品によっては水棲生物なんかにも感染して海が使えなかったりとか、蚊が感染してて「あ、終わった」ってなるやつとかあるじゃないですか。そのあたりの制約のさじ加減で、わりと簡単に世界が終わっちゃうので、本作の「哺乳類」という限定の仕方は続きの妄想する上ですごく良い条件だと思いました。
 改めて全体を見返して、やはり鳩というのは良い設定だなと思います。このジャンルの面白さをしっかり残しつつ、他のゾンビ作品と明確に差別化できていると思うので、すごく良いです。何よりインパクトがありますからね。ぜひ続きをどんどん書いちゃってください。妹が出るのも楽しみにしてます!

4-17 100日後に結ばれる魔女と王子 ~なぜ惚れない薬を飲ませたのに求愛するの?!~

タイトル・あらすじ感想

 100日ワニからどんどん広がって、今や婚約破棄から世界崩壊まで色んなものに納期設定される世の中になりましたね。結ばれるのは確定なので、安心して期待できるのはやっぱ強いなぁ。楽しいの期待してます!

本文感想

 あー、これは第百話までちゃんと読みたいやつです。読みたい読みたい読みたい読み(略)、絶対続き書いてくださいね、約束ですからね。
 さて、これはとても良い第一話、いえ第一日目といったところでしょうか。本作は百日形式の強さを存分に活かして、すごく続きの読みたくなる作品を仕上げてきてくれたなぁと思います。これは良いなぁ、私も今度この形式の作品を作ろうっと。
 まず読者がどんな期待感を持って読めばいいのかについては、もうタイトルにしっかりと書いてあるので、すごく安心感があるじゃないですか。この「安心して期待できる」って要素はすごく大きいと思っているのですが、本作の強烈な強みですよね。
 その土台があるからこそ、恋路を妨げるあれこれについても読者はニヤニヤして見守れるんですよ。魔女側にも王子側にも謎が設定されていて、魔女の過去に何があって心を閉ざすことになったのかであったり、王子に薬が効かない理由や魔女を口説く理由について、気になりつつも「なんですぐに教えてくれないの」にはならずに「今後99日の中でじっくり明かされていくんだろうなぁ」と素直に楽しみに待てると思うんです。これは百日後というゴールをしっかり設定してあるからこそ、純粋に楽しみにして読んでいられるのだと思ってます。
 そういう構図の上で、やはりメインとなる魔女がしっかり可愛いからこそ引き込まれるんですよね。だって最初のセリフが「……はっ、まあな。当然だ」ってモジモジしてんですよ。少し褒められてこの反応、すごくチョロ可愛いじゃないですか。
 本作は百日目までぜひぜひ読ませていただきたいので、続きの執筆を伏してお願いしたいと思います。本当によろしくお願いしますね? めちゃくちゃ可愛かったです!

4-18 プルガトーリォの少年たち

タイトル・あらすじ感想

 シチリア島なんてマフィアの本拠地を舞台にして「組織」「規則」「裏切り」だなんて絶対スリリングなやつじゃないですか。これは粋で尖った会話劇が読みたくなるやつですね。期待してます!

本文感想

 面白かったです! マフィアごっこをしている少年たちの身に本当の殺人事件が起き、狂熱の中でごっこ遊びがガチに変わる。これはアクションとミステリの混ざった感じになっていくんですかねぇ、青春要素も大事なテーマだと思いますし。ヒリヒリとした緊張感のある物語が始まったなぁ……タイトル・あらすじでの期待を綺麗に突き抜けて、面白い作品を読ませてくれたなぁと思います!
 冒頭からガツンとインパクトのあるシーンを持ってきてくれたのが良かったですよね。ロレンツォの号令に冷や汗を流しながら従うジョバンニ。緊迫感があって、どうしてこうなったのかと非常に気になります。
 それでルカとのシーンに入っていくわけですが、ここがまた良いんですよ。二人の関係もとても良いと思いますし、くすりと笑える会話の中で自然と「お遊びでやっている組織の規則」というものを理解させてくれます。ジョバンニはルカを尊敬しながら複雑な感情を抱いていることはあらすじでも示されていますが、より深いところまで読ませてもらったなと感じています。
 さて、仲間の一人が殺されて日常が壊れる。ここから本格的に物語が始まっていくわけですが、どうなるでしょうね。一人実際に死んでいるため、本気度が違うなと思いながら。これはもう、ドキドキしながら続きを待ちたいと思います。面白かったです!

4-19 千と一人の勇者の話

タイトル・あらすじ感想

 しっかりとした重厚なハイファンタジーを見せてくれそうな期待を持ってます! あらすじから想像するに、人の記憶に残らないのは制約か何かですかね。姿が変わるのはそういう能力でしょうか。可能性の幅が広いので、どんな作品になるのか楽しみです!

本文感想

 面白い! これは素敵ですねぇ、なるほど。でっち上げた勇者がひとり歩きして、後には退けない状況になって……だから誰も勇者の顔を知らないって話になるのかぁ。これはすごいですね。
 冒頭からダンの追い詰められた状況はかなりハードな世界観だと思いました。あらすじにも「腐敗した王国」とありますが、辺境警備隊という名の山賊どもに対してかなり悔しい思いをしているのが感じられ、読者も手に汗握りながらダンを応援したくなると……そんなところから、勇者をでっちあげて妹を救出、辺境警備隊を追い出すという大戦果をあげるわけですね。ここは物語を転がすための起点になるエピソードであると同時に、この先やっていくエピソードの先出し(読者に対し、こんな感じで王国をひっくり返していくんだよ味見をさせるようなエピソード)だったかと思います。ここをしっかり挟んでくれたのはすごく良かったですね。
 そして末尾、嘘の噂が広がって行って読者はタイトルの意味を知るわけです。これは鮮やかなタイトル回収でしたよね。なるほどとニヤニヤしてしまうような素晴らしい情報の出し方だったと思います。これは続きを読みたくなるなぁと思うので、ぜひぜひ執筆がんばってくださいね。

4-20 天使に神と俺。

タイトル・あらすじ感想

 意味深なので色々考えたんですが、全然分からないので妄想します。
 週刊誌の「神記者」として天狗になってた主人公は、自分の記事で「天使」と呼ばれた美少女を自死させてしまう。書くのをやめた主人公。しかしある日、死んだ子にそっくりの美少女が現れて……こわぁ。

本文感想

 ほう、これは興味深いです。いろいろと気になることがあるのですが、情報が隠されていてまだ状況を読みきれないなというのが正直なところですねぇ。これはいったいどうなってるんだろう。少しずつ情報開示されながら状況がをちゃんと解釈できるのは次話以降という感じになりそうですかね。考察しがいがあって面白かったです。
 まずは冒頭の「この物語はフィクションです」というところから、読書感想文の話に繋げるところ。このシーンは何かを示唆しているような気がしないでもないのですが、わたしはちょっと読み取れなかったんですよねぇ。主人公が書けなくなっている、以上の情報が先生の態度なんかから読み取れそうではあるんですが、これは伏線として次話以降に引っ張る感じでしょうか。そして、書けなくなった理由の事件についても「事件があった」以上の情報がなくて悶々とするんですよね。これは何があったのか気になります。
 さて、アスィミと名乗る天使が家に現れると。それで堕天使(シャドウ)を倒すために協力してくれと言われるわけですが、具体的に何をどうするんだろうなと疑問に思うんですよね。バチバチのバトル展開なのか、小説家のスキルを活かして何かを書くこと自体がバトルなのか、とかそのあたりどうなるんだろうなと色々想像していました。
 そして最後に「妹の死」が示唆されて終わると。ここもめちゃくちゃ気になるんですけど、もう一歩掘り下げた情報は作者様が第一話ではまだ意図的に隠している状態だと思うんですよね。果たして背景には一体何が起こっていて、これからどんな物語になっていくのか。すごく気になります!

4-21 飛竜士の航空力学

タイトル・あらすじ感想

 ファンタジーにおいて竜の飛行原理って作品によって色々じゃないですか。そこに航空力学を持ってきた本作は、きっとファンタジー飛翔との合せ技で面白く魅せてくれるんじゃないかなぁと、私はひたすら楽しみにしてます! これはロマン!

本文感想

 いいですねぇ、特技を持って異世界に渡るパターンっていろいろあると思うんですけど、航空力学を携えて竜に乗る主人公は新しいなと思います。竜閃という競技も面白く魅せてくれそうだなと期待が高いです。すごく面白そうなので、ぜひ続きを書いて欲しいところ。
 本作はアイリスが可愛いなというのがポイントですよね。白銀の竜↔美少女の姿になれると。それで、すごく親切だったり、主人公のピンチを救ってくれたりと、ホッとするキャラになっているかと思います。あらすじで「秘密」とあったり、竜閃の申し入れに対してギョッしていたりするので、飛行能力に何かしらの難がある感じなのかなと予想していますが、果たしてどうなることやら。ここは続きで読みたいところですね。
 それからやはり恋愛的な要素がどうなるかというのもポイントになってきますよね。アイリスの見た目はけっこう幼い感じだと思いますが、竜の年齢なんて分かりませんし(そもそも人化するときの年齢ってどういう基準なのか分かりませんが)、展開次第ではけっこうちゃんとした人外ラブコメが展開されていくのかなぁと期待しています。世界ごと違うので常識の差異があったりするかもしれませんが、このあたりがどうなっていくのかも着目して期待ポイントになります。
 そして最後に、本作のロマンはやはり航空力学をいかにファンタジー世界で役立てていくかという部分になっていくと思うので、その点をぜひぜひ面白く書いていってほしいなと望んでいます。面白かったです。続きの供給もぜひよろしくお願いしますね。

4-22 俺を好きすぎる幽霊と僕の日常〜想いのルーツを求めて

タイトル・あらすじ感想

 タイトルの「俺」と「僕」は意図的ですよね。これは、あらすじで示された通りの切ない恋物語からもう一捻りあるという理解でいいでしょうか。真実なんて放っておいてキャッキャしてほしいなぁ……なんて思いながら楽しみにしてまーす!

本文感想

 幽霊でも美少女だったらアリになってしまうのはなぜなんでしょうね、人間って不思議なものだなぁと思います。本作は読んでいて楽しかったですし、謎に満ちていて想像しがいがありました。面白かったです!
 さて、冒頭から明晰夢の中で美咲ちゃんと出会いますが、可愛くて触れる上に自分のことを大好きな幽霊ってちょっと反則なくらいすごく惹かれますよね。そして目が覚めても再び現れると。え、それは既に普通に現実の女の子なのでは、と思っているとふよふよ浮いていたりするので、どうやら幽霊っぽくはあると。これは思春期男子への破壊力がヤバいです。彼の性癖が変な方向にねじ曲がらないといいですね。
 で、問題の交差点シーンですよ。ここから分かるのが、美咲がこの場面で淳也を静止するためにここに来たのだということ。また来ます、ということは既にこの場面をなんらかの形で知っているということ。そしてここで淳也を救うことで美咲は「淳也が助かった」と泣いてしまうほど喜んだということ。この場面の違和感がすごく強くて、どんな真実があるのか気になりますよね。
 ここからは可能性がいっぱいあって想定しきれないのですが、私はSF的な転がし方ならいくつか思いつきますし、ホラーにもできると思いますし、ローファンタジーみたいな感じにもできるかなと思います。美咲との関係の結末も、ハッピーエンドからちょっとビターなやつまで色々と考えられるなぁと思っているので、妄想しているだけで楽しい作品だなと思いました。
 これはぜひ続きを読ませていただいて、作者様の思い描いた結末を見せていただけるとすごく嬉しいなと思っています。面白かったです!

4-23 この魔法、昔と比べて弱いんですが……光る物があります!

タイトル・あらすじ感想

 これは楽しい話になるんじゃないかなぁ。一見すると役に立たなそうな古い魔法を有効活用していこう、みたいな話だとお見受けしました。そういうの楽しいじゃないですか。ランプの魔王も愉快なキャラだと嬉しいですね!

本文感想

 これは期待していた何倍も楽しかったです! どんな感じになるんだろうと思いましたが、そう来たかぁ……最低限、基礎魔法2つと応用魔法1つは使わなきゃいけないところに、古代魔法をどういうカウントになるのかも気になるところですね。5つの制約の中に入ってくるのであれば選択肢は絞られますが、体を生やす魔法はかなり有効に使えそうですよね。
 さて、冒頭からだいぶゆるい感じで楽しく始まります。三日に一回、できる範囲で叶えようとか微妙な感じの魔王と、性癖が捻じ曲がった長吉。ここが緩かったので気を抜いて素直に楽しめたなと思います。
 魔王から教えてもらう古代魔法が現代魔法に負けるというのはあらすじから示されていることですが、次々とダメを出されていくのが愉快で楽しかったです。無詠唱というメリットがありつつも効果の面では現代の基礎魔法に全く太刀打ちできないと。こういった魔法をどのように活用していくのかは長吉の腕の見せ所かなと思います。
 そんな中、イングリースはかなり有効そうな魔法ですよね。口を生やして煽りまくってもいいですし、腕を生やして詠唱の邪魔をしたり視界を遮ったり武器を叩き落したりしてもいいですし、かなり使える魔法になるんじゃないかなと思います。無詠唱で使えるっていうのが強いですよね。決闘にはルールがあるので、その制約をひっくり返すような活躍をしてくれるんじゃないかなぁと期待しています。
 さて、長吉と魔王はかなり良いコンビになりそうだなと思っています。最初の決闘もその後の物語もぜひ見せて欲しいなと思いますので、続きの執筆をよろしくお願いしますね。長編として連載していただいて長く読みたい作品だなぁと思います。面白かったです!

4-24 微睡みの魔法使いが見る夢は

タイトル・あらすじ感想

 情報不足なので妄想で補完しながら考えていきますが、きっと何らかの罪悪感を抱えながら「微睡みの魔法」を使っていく話なのかなぁと。幸せな白昼夢を他人に見せながら、その分の悪夢を自分が引き受ける……みたいな話だといいなって思いました! 妄想です!

本文感想

 なるほど、これはハードなハイファンタジーでしたね。すごく良いと思います。特にこの、魔法を使うのに色々と必要なものがあって、なんでもかんでも魔力があれば解決とはならないらへんの不自由さがすごく楽しくて良いと思いました。何より、主人公が自分を捨てる覚悟でクートを蘇らせようとしているのが痺れるポイント。だからこそ、彼女は彼に真実を悟らせてはいけませんし、夜中にこっそりと準備を進める必要が出てくるわけですね。
 それで、前半はクートにお世話されるがままのダメ人間なのがいいですよね。どうしてクートはここまでして世話を焼くのか、と素直に疑問に思い……ちゃんとそう思わせてから後半で過去情報の提示があると。ここの誘導がちゃんとしているのが情報の押し付けになっていなくて、すごく良いと思いました。
 そして、まだ明かされていない設定についてもいろいろと気になりますよね。そもそもどういう経緯でクートが命を落としたのか。それにシィナはどう関わってくるのか。彼女が罪悪感を持つような出来事とは何だったのか。蘇生が禁忌魔法になっているのは倫理観以外になにか重大な欠陥があるのではないか。必要な素材を夜の活動だけでどうやって集めていくのか。こういったもろもろについて想像を広げさせてくれるような第一話だったと思います。
 シィナが目的を果たしてクートを蘇生できるのか。また、その時に本当に命を代償にしてしまうのか、他の何かがあるのか。また、クートも何か隠している情報があるのではないか。そういったことを気にしながら続きの物語を待ちたいと思います。面白かったです。続きの執筆がんばってくださいね!

4-25 転生失敗魔法少女隊ワーストキッズ!

タイトル・あらすじ感想

 私たち、このまま二人で怪物になって……こんな祭り、何もかもめちゃくちゃにしちゃおっか。嫌な感想も、悲しい得票も、全部無かったことにしちゃえるぐらい……壊して、壊して、壊しまくってさ。それはそれで、良いと思わない?

本文感想

 勢いだけで突っ走りましたね!? 楽しかったです、ありがとうございます! ちょっと全部の原作は分からなかったんですけど、分かるやつは分かったので「そっから持ってきたんかい」「だいぶ古いな!」とかツッコミながら楽しく読ませていただきました。
 冒頭からスピード感がすごかったです。必要最低限の文字数で死亡→女神面談→転生失敗→ファーストバトルとサクサク場面転換するいっそ清々しいほどの素早い進行には笑ってしまいました。それで、ほむほむと一緒にピンチに陥ったところに出てくるのが魔法少女ジャスティス☆ライブラでしょ。絵面が酷くてねぇ笑 とにかく笑いながら読んでいたんですが「テクマク・マヤコン」じゃないんですよ。これは酷い。そして取ってつけたように能力を得るエルくん。いやぁ、すごく楽しいのを読ませていただきました。
 おそらくはリザーブ枠で急いで執筆したのかなーなんて想像してるんですが、ここまでネタに極フリして楽しませていただけるともう感嘆しか出ないです。面白かったなぁ。楽しませていただきました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?