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物理苦手でも気象予報士試験に合格したい!#26 数値予報-9 短期・中期予報

こんにちは、まさごんです。
気象予報士試験の合格を目指すべく、日々の勉強内容を記録しています。

勉強内容

天気予報は予報期間によっていくつかの種類に分類されます。その中でも、今日・明日・明後日の天気予報を短期予報、一週間先までの週間天気を中期予報といいます。短期・中期予報では数値予報が主体で行われますが、最も精度よく予報できるのは、数値予報の格子点の特徴から、空間スケール2000~5000kmの総観規模の気象です。今回は総観規模の気象の中でも、傾圧不安定波について学習します。

学習ポイント 傾圧不安定波と温帯低気圧

地球大気はいつも太陽からの熱エネルギー(太陽放射)を受け取っています。この太陽放射は、地球の緯度別で受け取るエネルギー量が違うことは以前に学習しました。太陽放射を垂直に行けとる低緯度では受け取る熱エネルギーが大きく、太陽高度角が大きい高緯度側では受け取る熱エネルギー量が少ないのです。

このため、緯度方向に不均一さができることにより、南北には温度傾度が生まれます。

南北の温度傾度が大きくなると、空気の密度に差が生まれ、上空に行くほど風の鉛直シアが大きくなります。これを温度風の関係といいます。
温度風の関係から、鉛直シアが大きくなることで、上空に行くほど西風が強くなりますが、南北の温度傾度が限界まで大きくなると大気状態は不安定となり、波長が数1000kmの傾圧不安定波が発生します。

傾圧不安定波は、南北の温度傾度を弱めようとして、暖気を北へ、寒気を南へと輸送する働きをします。つまり傾圧不安定波とは、温度の不均一を均一にするための自然のパワーなのです。

そして日本付近で発達することが多い温帯低気圧は、この傾圧不安定波の一部です。温帯低気圧も傾圧不安定波同様に、南北の温度傾度が大きくなる中緯度帯において熱エネルギーを輸送する役割を持っています。

温帯低気圧の前面(東側)では暖気が上昇しながら北へ運ばれ、温帯低気圧の後面(西側)では寒気が下降しながら南へと運ばれます。

大気は暖かいと密度が小さく、冷たい空気は密度が大きいです。(気体の状態方程式より、P=ρRT、気圧Pが一定の場合、温度Tが小さいほど密度ρは大きくなります)
密度の大きい寒気が下降し、密度の小さい暖気が上昇することにより、有効位置エネルギーが運動エネルギーに変換され、低気圧が発達します。
(有効位置エネルギーは、すごく簡単に言うと、重いものが高いところにあると生まれるエネルギーです)

このように温帯低気圧と傾圧不安定波には密接な関係があるのです。

気づいたこと

気象予報士試験には実技試験があり、様々な天気図をを見ながらある現象を予想する問題が出題されます。中でも温帯低気圧は頻出問題で、温帯低気圧がこれから発達するか、衰弱するかの決め手の一つになるのは「前面で暖気上昇」「後面で寒気下降」があるかどうかです。この条件を天気図で読み取れるかどうかが問題を解くカギとなるので、しっかり覚えておきたいところです。
ありがとうございました。


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