見出し画像

薮ちゃん2軍降格に思う 2019年2月25日

 薮田選手が23日から2軍降格となりました。21日の練習試合・阪神戦で1回を投げ被安打2。押し出しのフォアボールもあり、苦しい投球となったようです。


 薮ちゃんはすごく思い入れの強い選手なんですよね……


 昨年4月3日。それまで「球場観戦・勝率ゼロ男」だった僕は、その日ついに呪いを解かれることになりました。そしてこの試合の勝ち投手が薮ちゃん。オープン戦から引きずっていたコントロールの悪さがそのまま出て、7四死球と乱れましたが、なんとか5回3失点にまとめ、僕に「初勝利」をもたらしてくれたのでした。

 同じく昨年。もうひとつの「記念試合」も、先発は薮ちゃんでした。5月31日のライオンズ戦。34年間カープを応援してきて、僕にとって初めてのホームゲーム参戦が、この日のマツダスタジアムだったのです。この試合、おぼえている人も多いかも……。2回にまさかの10点を取られ、打線は追い上げたものの7-12。僕の「初参戦・初勝利」の夢は、広島の夜にはかなく散ったのでした。


 と、完全に個人的な都合で薮ちゃんを語ってしまいましたが、実は思い入れが強い理由としてもう1つあるのが、純粋に選手としての凄さでもあります。


 2016年のあの歓喜に始まり、4連覇を目指すカープ。今年この大偉業に挑めるのは、ある意味で薮ちゃんのお陰だと、僕は思っています。2017年。15勝、最高勝率という記録だけでは語れないほど、彼はチームを救いました。この年カープは、春先にジョンソンとザキさんが離脱。8月にはリリーフ陣の疲れがかさんで、月間負け越し。先発陣も辛うじて祐輔が1年間ローテを守りましたが、絶対的なエースはいませんでした。


 薮ちゃんはそんな投手陣の傷口を手当てして、手当てして、手当てしまくりました。シーズンの初めはリリーフ。緊急降板した祐輔の後を受けて3回無失点という試合もありました(5月23日 vs スワローズ)。交流戦からは先発ローテ入り。CS 初戦まで任されましたが、中でも凄まじかったのが8月12日のジャイアンツ戦。菅野と投げ合っての 1-0 完封は、3連敗中だったチームに10勝に値する勇気をもたらしました。去年のフランスアのように 2017年の薮ちゃんは、まさに「いなかったらと思うとゾッとする選手」。余りの救世主ぶりに、僕は「不動のエース」への道筋を薮ちゃんに見出していました。


 中国新聞にあった本人の苦悩。ストレートの質について「伸びがなく(意図せず)動く。思う球筋に達していない」(2月20日紙面より)。佐々岡コーチからも「スピードが出ていない」と、指摘があっての2軍行きとのことです(2月23日同)。そうだ! もうひとつ薮ちゃんへの思い入れを語るなら、あの豪快なストレート。独特なフォームは「どこからあんな力が?」と、シロート目には魔法のレベルですが、そこから繰り出されるいかにも重い150km 超えの「弾丸」には、ただただ惹かれるばかりでした。


 大きな課題を背負っての 2軍降格。正直、開幕1軍は難しいかもしれません。しかし長いシーズン、「救世主」薮ちゃんの力が必要になる時が必ず来ます。誰かがダメなら誰かがカバーする。厚い選手層とぶ厚い絆で黄金時代を築きつつあるカープに、薮田和樹という「家族」は欠かすことが出来ないはず。

 月並みですが、焦らず自分の投球を取り戻して欲しいと願っています。薮ちゃん、遠巻きにですが、応援しています!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?