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マスターデュエル【NR花札衛】デッキ紹介・NR環境考察

皆さんこんにちは!真佐まつりと申します。
普段はYoutubeやTwitterで、遊戯王マスターデュエルの配信をカジュアル中心に行っています。

先日、城下町デュエル様のチャンネルで開催された、【GP城下町04】 NR限定構築トーナメント という大会で、42人中 準優勝という結果を残すことができました。この記事は、その際に使用した【花札衛】というテーマを使ったデッキと、2022年9月17日構築段階での、NR環境考察を交えた紹介記事です。

長文ですが私の現状のNR環境考察の全てをここにぶつけますので、可能なら花札衛のテキストを横目に、最後までついてきて下さると幸いです。

大会動画はこちらになります。


1,デッキレシピ&概要

まずはデッキレシピ。これがNR花札衛で最も勝率が高い構築だと考えます。

【花札衛】テーマ紹介

ご存知の方もいるかとは思いますが、花札衛は「花札」をモチーフとしたテーマであり、大体のモンスターが以下のような共通効果を持っています。

自分はデッキから1枚ドローし、お互いに確認する。
それが「花札衛」モンスターだった場合、(メリット効果)
違った場合、そのカードを墓地へ送る。

そして、多くの花札衛は手札からの特殊召喚効果を持ち、いわゆる「名称ターン1」が付いていません。そのため、デッキ内の花札衛比率が高ければ高いほど、芋づる式にモンスターを大量展開する事ができます。罠を主体としたビートダウンが基本のNR環境では、1ターンで大量展開できるテーマは珍しいです。

このデッキは、そんな花札衛の展開力&アドバンテージ獲得能力を最大限に活かし、後攻からワンターンキルを狙う戦略のデッキとなっています。

2,このデッキを握った理由

私は普段、手軽に遊べるという理由からよくNR限定構築戦で遊んでいるのですが、中でも強いデッキと言ったら【メガリス】【メタルフォーゼ】の2強テーマがいつも君臨していました。(特にメガリス)。
カジュアル環境なら「メガリス見飽きたから使わない」と言えますが、今回は真剣勝負の舞台。いくら見飽きたテーマでも強ければ正義なのです。そして、甘え、妥協した者から敗戦していく……。デュエルは非情なのです。

きっと大会当日も、「メガリスに勝てるデッキ」と「そうではないデッキ」で大きく命運が分かれるでしょう。

そこで、私は何とか「メガリスに勝てる方法は無いか…?」「メタカードは無いか…?」と考えました。そしたらなんと、「NRプール全てのメタカードはメガリスへの致命傷になり得ない」という結論に至りました。なんと完成されたテーマなんだ。

巷で話題の《霧の王》も、《ライトニング・ボルテックス》も、実はメガリス側のプレイングでケアできてしまうのです!!!(詳しくは質問して下さい)

相手が初心者なら簡単に相手取る事ができますが、今回は歴戦のデュエリストが集まります。罠でアドバンテージを回収できるような隙は見せてくれるはずありません。

「やはりメガリスに屈するしかないのか……。」

しかし私はおもしろデッキビルダー。以前NRで遊んでいるうちに見つけた「メガリスと同等か、それ以上のパワーを持つテーマ」に目を付けました。
展開に運が絡み、弱点が多い。でも、「強いのに誰も使ってない!!!」

そう、花札衛です!

私の経験と構築力で、こいつを最強に押し上げNR環境に一泡吹かせてやろうと決意しました。

3,デッキプラン

NRの花札衛は凄まじい展開力はあるのですが、大きく3つの明確な弱点が存在すると考えられていました。

  1. 事故る
    初動が引けないと全く動くことができない。セットで耐えもできない。

  2. メインデッキの自由枠が無い
    デッキ内のほとんどを花札衛にする必要があるので、特定のメタカードやそれにたいする回答をほとんど採用できない。

  3. 打点が低い
    合計攻撃力は出るが、最高打点が2000しかなく、相手のエースモンスターと張り合えない。

基本的には、デッキ構築の工夫によってこれらの弱点を克服していくのが目標になります。

初動

花札衛は以下のような共通効果を持ち、特殊召喚効果を使うためには、基本的に自身以外の花札衛モンスターを必要とします。

〈攻/守100の花札衛〉
(1):自分フィールドに(自身のレベル-1)以下の「花札衛」モンスターが存在する場合に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は「花札衛」モンスターしか召喚・特殊召喚できない。

〈攻/守1000の花札衛〉
このカードは通常召喚できない。
(同名カード)以外の自分フィールドの
「花札衛」モンスター1体をリリースした場合に特殊召喚できる。

〈攻/守2000の花札衛〉(桜に幕 以外)
このカードは通常召喚できない。
(同名カード)以外の自分フィールドの(自身と同じレベル)の
「花札衛」モンスター1体をリリースした場合に特殊召喚できる。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動する。
自分はデッキから1枚ドローし、お互いに確認する。
それが「花札衛」モンスターだった場合、そのモンスターを特殊召喚できる。
違った場合、そのカードを墓地へ送る。

そのため、一番初めに花札衛をフィールドに展開できるカードが初動となります。NR環境ではこの4種類。

  1. 《花札衛-松-》(召喚権を使って出す)

  2. 《花札衛-桜》(召喚権を使って出す)

  3. 《花札衛-桜に幕》(効果を使ってトップが花札衛なら出す)

  4. 《花合わせ》(デッキから花札衛を4体出す通常魔法)

全てフル投入して計12枚。そこそこの枚数。先行なら85.0%、後攻なら90.1%の確率で引けるらしいです。実際には、《桜に幕》の失敗や他の手札の兼ね合い、相手の妨害を加味すると、納得いく手札になるのは体感7割と言った所です。

逆に初手6枚(先行なら5枚)の中で1枚でもこれらのカードが引けないと、全く動くことができません。後攻特化型にしたのは、この初動を引ける確率を少しでも上げ、負け筋を潰す為です。

また、初動の中でも《花合わせ》は枚数判断が難しいカードです。

イラストに無い桜も出せる。

「1枚でデッキから4体特殊召喚」と聞くと強そうですが、墓地効果が無かったり、「発動するターン」に花札衛縛りが付いていたり、出す数が4体固定なので後半は腐ったりします。1デュエル中多くても2回しか発動タイミングが訪れないであろうカードを3枚入れる事は後半の失速に大きく繋がります。
また、シンクロが難しいNR環境では、「フィールドに花札衛が埋まってしまって逆に展開できない」といった事象も発生するので、一概に発動できたら強いカードと言うわけでもありません。

この枚数は直前まで2枚でしたが、初動が引けない時の負け筋があまりにも大きかったため、覚悟を決めてフル投入しました。

動かし方

メインデッキに汎用カードを積むスペースが無い事には、具体的に2つのデメリットが発生します。

  • 罠による防御・妨害ができない

  • 特定の環境デッキやメタカードに対しての対応力が薄い

これらの欠点を、EXデッキとプレイングでカバーしていきます。このデッキを回すとき肝に銘じておくべきキーワードは、「ワンショットキル」と「期待値」です。

常にワンショットキルを狙う事で、防御の必要性を無くし、メタカードを引かれる前に相手を仕留める事で、対応力の無さを隠し、全ての相手に対して勝ち筋を作ります。

”初動”が引けたら、まず初めに「ワンキルできるか?」を考えます。
「花札衛は運ゲーテーマだから判断つかない」って思いました?
そんなことありません。「期待値」を考えます。

「ワンキルに必要な札は何か?」「デッキ内の花札衛枚数とその他カードの比率は?」「それが引ける確率は?」「成功しなかった場合のリスクは?」etc…
そんな、シビアな思考(もはや勘)を巡らせる必要があるのがこのデッキです。

ここで、展開の助けとなる確定展開(?)できるカードをご紹介します。

  • 《花札衛-桜-》

  • 《花積み》

  • 《札再生》

桜は、デッキの一番上が花札衛だったら、デッキから同名以外の花札衛をサーチor特殊召喚できます。
花積み はデッキから好きな花札衛3種をデッキの一番上に固定できる効果と、次のターン以降使える花札衛の回収効果。
札再生 は墓地の花札衛を回収したあと、手札から花札衛を召喚条件を無視して特殊召喚できる効果。

いずれも状況次第ではありますが、全ての花札衛になれるジョーカーのような役割を果たします。これらのカードをうまく使えるように立ち回りましょう。

ここから、「ワンキルする」「ワンキルしない」の2プランに分けて展開をご紹介します。

「ワンキルする」判断をした場合

花札衛の攻撃力は、2000,1000,100の3種類のみです。攻撃力上昇効果を持っているのは、モンスター同士の戦闘時《花札衛-桜に幕-》の手札から捨てて1000UPする効果のみ。

よって、ワンキルできるフィールドのパターンはほぼ決まっています。

(相手の場がガラ空きで)「攻撃力2000が3体と、1000が2体」=8000LP

花札衛の縛りが効いている状況では、出せるのは5体なのでほぼこのパターンしかあり得ません。当然2000が多くても問題ありませんが、100が一体でも残ったり、2000が2体しか並ばない状況なら達成できません。

回していると意外と達成できる事が多いので、2000は展開難易度が高めですが、上手く出せるように意識しながら展開しましょう。

幸い花札衛にはテーマ内でモンスター破壊と魔法・罠破壊が揃っています。しかも攻撃力1000なので最終版面にも参加できる。しかも対象に取らない!後手捲りとしてめちゃくちゃ優秀なので、状況に応じて桜でサーチしましょう。あとは神頼み。

「ワンキルしない」判断をした場合

残念ながらワンキルできそうにない場合は当然ですが相手の妨害、自分の生存を目標に動きます。そして次のターン、場に残った花札衛を使ってEXデッキから展開したり、少し減らしたLPを詰めに行ったりします。

NR花札衛はテーマ内に妨害カードが無いので、シンクロやエクシーズといったEXデッキを使って最大限の妨害に努めます。そのために、攻撃力100の効果をできるだけ使わずに攻撃力2000の展開効果を使ったり、《札再生》を使ったりして可能な限り花札衛縛りが付かないような立ち回りを意識しましょう。

そして防御面で最も活躍するのがこのカード

私が花札衛使ってて一番楽しいカード

デッキの一番上が花札衛だったら、相手のデッキの上を操作できます。
これで、相手の採用カードの情報収集&腐るカードを引かせます。

このカード2体を並べたらランク6のエクシーズが出せます。

メガリスに対して有効

また、このカードはレベル6のチューナーなので、レベル1の松とS召喚して《PSYフレームロード・Z》をS召喚できます。

NRシンクロの中でも優秀な妨害力

そしてさらにEXデッキの自由度を上げたのが《水晶機巧-クオンダム》というカード

この動きを思いついたとき自分を天才だと思った

クオンダムは、相手ターンにシンクロ召喚できるレベル4チューナーで、花札衛チューナーの「全てのレベルを2として扱う」効果を使えば、花札衛2体で出せます。

このカードを一度出しておき、その後は好きなように花札衛で展開してしまえば、相手ターンに縛りを回避して任意のシンクロ召喚が可能です。

花札衛3体でレベル6シンクロしたり、先述のように1+6で7シンクロを狙って運用するのは消費が大きすぎますが、このカードを経由して展開を組み立てる事で、レベル1花札衛を残しながら展開する事が可能になります。

レベル1花札衛は、桜をはじめとした「攻守100花札衛」の召喚トリガーになり、可能なら場に残しながら展開したいのでとても重要です。

そして残ったレベル1とクオンダムで、相手ターンに《水晶機巧-アメトリクス》を出せば、かなりの確率で花札衛が無事に帰ってきます。

打点も2500で優秀

この防御方法はメガリスに対してもかなり有効に働くので、環境対策としても充分です。

もし初動が《花合わせ》だったり、どうしても縛りが付いてしまう場合は、《花札衛-桐-》が良い壁になります。

アホ面が好き

このカードを戦闘で突破するには相手も効果無効等の消費を伴うので、多少の防御になります。また、このデッキの横並びを1枚で解決し得る《スターダスト・チャージウォーリア》への解答にもなります。

このカードが生き残って帰ってきた時はリリース素材にしたり、もう一体縛りを避けながら桐を展開して、セブンシンズを出せば相手の場を一掃できます。デュエル中に意外と求められる事の多い展開です。

出せたら超強い

あとはリソースの許す範囲で壁を出して、耐えられるよう祈りましょう。

打点不足の解消

このデッキの弱点である「最高打点が2000」という点についてです。メガリスに代表されるように、「2000以上の壁が複数体」という防御に対して極端にワンキル率が低下します。

一体程度の壁であれば、《花札衛-萩に猪-》の効果で破壊出来ますが、デッキ内に3体しか採用できないため、長期戦でも辛くなっていきます。

そこで、「《ライトニング・ボルテックス》の採用」と、「除去能力を持つEXデッキ」によって対応しました。

《ライトニング・ボルテックス》については後述するとして、EXデッキのモンスターは、先述した《PSYフレームロード・Z》や《No.77 ザ・セブン・シンズ》の他にも、ランク10,11やランク3といったあらゆる状況で除去を飛ばせるように構築しました。

対象&破壊耐性も突破できる
除去した後にセブンシンズ(攻4000)になれる


打点上昇率が凄い&除去もできる

また、リンクモンスターである《落消しのパズロミノ》は、

玄人デュエリストを中心に人気のパズロミノくん

レベルがバラバラな花札衛のエクシーズ召喚や、2000花札衛の展開をサポートするだけでなく、②の効果で除去も飛ばせるといった最高の相性のモンスターです。

《ライトニング・ボルテックス》という最強カード

さて、ここまで花札衛の考察と紹介をしてきましたが、ここで全てのピースを揃えるNR界最強の除去カードの紹介です。

今NR界で最もアツいカードかも

《ライトニング・ボルテックス》は、以下の点で優れています。

  1. 打点が高い壁が並んでいてもワンキルが見える

  2. 後攻1ターン目からメガリスのリソースを消費できる

  3. 初動が引けてなくても《札再生》との2枚初動にできる

普通に使えば相手モンスターが2体以上いなければアドバンテージになり得ないカードですが、このデッキと全体除去が噛み合っています。
先述のように高ステータスのモンスターが複数いると勝ち筋が薄れるデッキなので、除去カードは萩に猪以外にも必要であると考えました。
1ターンだけでも全ての壁を剥がす事ができれば、あとはワンキルを通すだけなので、仮にディスアドバンテージが生じても気になりません。

また、メガリスが主な仮想敵となる今大会では、「メガリスへ明確に有利になるカード」の採用が不可欠でした。メガリス側からこのカードはケアの難易度が高く、良い手札でもエマージョンを使って「ベトールの妨害を切らさない」程度が限界なため、萩に猪で後処理をし、牡丹に蝶で疑似ハンデス、紅葉に鹿の効果で魔法・罠を破壊していけばリソースを大きく削っていく事ができます。

3つ目の、初動としての役割と言うのはあまり回数自体は多くないのですが、確実にデッキの安定性の底上げを担ってくれます。手札コスト系のカードは相性が良いので優先して採用できました。

その他のカードの採用理由

ざっくりと紹介いたします。

  • 《コードブレイカー・ウィルスソードマン》
    どんな組み合わせでもアタッカーとして運用でき、メガリスフールを突破したり、6体目のアタッカーとしてワンキルに貢献できる

  • 《スリーバーストショット・ドラゴン》
    戦闘を重視するデッキなので、リバースモンスターや戦闘破壊耐性持ちに対してキルを狙いに行ける

  • 《パワーコード・トーカー》
    《ダブルバイト・ドラゴン》への解答はこのカードと《激撮ディスパラッチ》しかなく、こちらは破壊耐性持ちのモンスターを突破したり、攻撃力100の花札衛を実質2300にまで引き上げる事ができるので、相性が良いと判断して採用

  • 《超量機獣グランパルス》
    NR環境には魔法・罠除去がマストになる相手が一定数存在するが、紅葉に鹿はあくまでも不確実性を孕んでいるカードである為。

  • 《No.76 諧調光師グラディエール》
    モンスター除去の必要性が生じ萩に猪を展開し過ぎてしまった場合に、ワンキル力を低下させない為にランク7エクシーズが必要。
    効果も優秀で、特に対メガリスにおいては相手を詰ませる程の威力を持つ墓地干渉能力と耐性がある。

4,まとめ

ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。
花札衛は癖が強い代わりに、一度回りだすと他のデッキを寄せ付けない展開自由度と盤面解決能力、ワンキル力が備わっています。
グルグル展開や大量ドローで、上手く回った時は脳汁がドバドバ出るテーマです。
とっても楽しく、意外と奥深いテーマなので、皆さんも是非一度組んで遊んでみてください。めっちゃ安いので!

ではまたお会いしましょう。真佐まつりでした!

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