20.日本のロケット4(H3ロケット)

またまた自分の趣味に付き合ってくださる方、
ありがとうございます。
今回はH3ロケットです。

次期基幹ロケットとも言われていましたが、
名前が正式に決定しました。
H-ⅡCでも、H-Ⅲでもなく、H3です。

液体酸素と液体水素を燃料とするのは同じですが、
全く今までとは異なり、新しい設計となるため表記が異なるようです。

そして、1段目のメインエンジンが、
エキスパンダーブリードサイクルのエンジンだということは以前書きました。

なんだ!?それ?と思ったあなた!
LE-7の二段燃焼サイクルとは異なり、
より単純化された高信頼度のエンジンなのです!

二段燃焼サイクルのエンジンは燃料効率はいいですが、
部品の数が多くなったり、組み立てに手間がかかったり、高くついたり…
短所もあります。

そこで、世界で唯一実用化しているエキスパンダーブリードサイクル方式のエンジンである、
LE-5A/B(H-ⅡAの2段目エンジン)を基に、
さらにパワーアップさせたものを1段目エンジンに使おう!
となりました。

多分、世界初です。
1段目エンジンとしてはパワーが足りないため、
2基ないし、3基のエンジンをクラスター化し、
1段目エンジンとして使用する計画です。

youtubeに燃焼試験の動画があります。
3基同時燃焼、すごいですよ!
リンクの付け方がわからないです…。
興味のある方は検索してみてください。

エキスパンダーブリードサイクルとは…
ノズルと燃焼室から熱を受け取った燃料を気化し、
その圧力でターボポンプを駆動させます。
その際、ターボポンプの駆動に使った気体は廃棄します!
二段燃焼サイクルでは、
1度不完全燃焼させた燃料の圧力でターボポンプを駆動させています。

違いは燃焼させるか、させないか。
でも、燃料を燃焼させると高温、高圧になるため、部品の耐久性を上げる必要があります。
つまり、製造費用が膨らみます。

H-ⅡAはだいぶコストダウンに成功しましたが、
それを上回るコスト削減を図り、国際衛星打ち上げ市場に乗り込もう!
という計画です。

H-ⅡAの打ち上げ費用は85〜120億円です。
これでは世界に太刀打ちできません。高いのです。
H-Ⅱはもっと高かったんですけど…。

これを半額程度の50億円にして、
世界の衛星をどんどん打ち上げよう!
ということです。

H-Ⅱは国産にこだわったため、打ち上げ費用が高騰しました。
H-ⅡAは安い部品を輸入し、コストダウンに成功しました。
自前の技術があるため、
「安くしないなら買わないよ?だって、自分で作れるんだよねー」
と、言うことができたのでしょう。
大事です。

早くH3の打ち上げを見てみたいですが、
今後はLE-7Aのエンジンを作る必要がなくなります。
技術が失われるのではないかと心配しています。

世界最高レベルのエンジンです。
何とか残せないものでしょうか。

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