[黒鉛電極ニュース2021年7月21日]GRAPHITE ELECTRODE MARKET REVIEW IN THE FIRST HALF OF 2021 AND OUTLOOK FOR THE SECOND HALF OF 2021

今日のニュース元はこれです。

中国の黒鉛電極製造の中心地の内モンゴル自治区で停電があり、製造に影響があったようです。また大手黒鉛電極メーカーによる黒鉛電極の値上げが始まっていますが、それをチャンスとみた独立系のメーカーが低価格でシェアを奪いに来たため、価格の変動があったようです。商品価格の値上げが起こるときはこういうことが起きるのはよくあることでしょうけど、原材料価格が上がり続けたら、独立系メーカーもいつまでも薄利で商売を続けるわけにはいかず、おそかれ早かれ値上げを始めるでしょう。しかし逆にに原材料価格が下がれば独立系メーカーの戦略勝ちです。さあどうなるでしょうか。
コモディティ価格はこうやって上がったり下がったりしながら、上昇を続けるんだろうな。なので短期で一喜一憂していても意味がない。大きな流れを見つけたい。

< 要旨 >
2021年1Hの黒鉛電極の値段は中国において上がり続けました。値上がりの要因は3つ。

1)原材料コストの継続的な高騰
2)内モンゴル自治区と甘粛省や他の地域での停電が3月にあり、黒鉛化のプロセスに制限が発生。そのため供給がタイト化し、値段も底堅くなった。
3)   大手黒鉛電極メーカーの在庫が十分ではなかったこと

需要の面から見ると、通常、黒鉛電極メーカーは春節の時期に一定量の原材料を購入するが、2020年に原材料コストが上がったので、メーカーは購入を見送って様子見をした。その結果、黒鉛電極メーカーの原材料の在庫が少なくなった。さらに2021年のはじめにコロナで、大手メーカーは操業を停止。また、輸送の問題も発生し、4月には輸送費も高騰。

さらに1~3月に内モンゴル自治区と甘粛省や他の地域での停電で黒鉛化のプロセスの深刻なボトルネックになった。4月中に少し改善し始めたが、現在の稼働率は50-70%にとどまる。内モンゴル自治区は中国における黒鉛化の中心地。

※なるほど。中国の最大手のFangda Carbonの株価の2月の急落は停電による操業停止が原因??

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そのため大手黒鉛電極メーカーは4月頭と中に二度も大きく値上げを実施。その他の中小メーカーも4月末にそれに追随した。

いくつかの独立系の黒鉛電極メーカーは5月末の入札で若干価格を下げたが、多くの大手電極メーカーは高止まりする素材コストが、近い将来に黒鉛電極の価格に影響を与えるだろうと考えている。価格が下がることは考えづらい。


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