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データリテラシーの初歩の初歩②

②割合

データを使う・見るにあたって、最も重要だと個人的に考えているのが割合です。
割合を出すことによって、別のデータ集合(例えば、前年のデータや他社・他事業のデータなど)で数字の大きさ・規模が異なる場合でも、比較することができます。生の数字を見てもよく分からない場合でも、割合にすると、0〜100%に標準化されるので、感覚として大きいか小さいかが掴みやすくなります。

ですが、割合と言ってもいろんな割合があります。
例えば、こちらの割合はなんの割合でしょうか。

こちらは、1~12月の合計に対する各月の割合になります。
では、こちらはどうでしょうか。

こちらは各月の累積割合となっているので、最終月の12月で年の合計と同じになり、100%となっています。
他にも同じデータに対して、こんな割合も考えられます。

こちらは、最大(8月=70)を100%としたときの各月の割合です。
さらに、このような割合もあります。

こちらは前月比割合となります。
このように、同じ12個の数字に対して、ここで挙げただけでも4種類の割合がありますが、それぞれどんな時にどの割合を使うべきかを理解することが重要です。
以下は、それぞれの割合の解釈・使い方の例です。(教科書的なものではなく、個人の解釈です。)

割合①:全体を100%としたときのそれぞれ月の分布を把握します。
割合②:最終月までの累積を見ることで、100%に到達するまでのスピードを把握します。毎月ほぼ均等に積み上げているのか、前半もしくは後半で積みあがっているかなど、可視化するとさらによく理解できます。少し派生したものだと、対計画比を累積の数字で計画に対する達成率を見るというのはビジネスではよく見られる使い方です。
割合③:こちらは、例えば、人員などのリソース配置をする際に最大に対してどの程度負荷が平準化されているか(されていないか)を把握するときなどに効果的です。
割合④:こちらは説明は不要だと思いますが、似たようなデータだと、前年同月比もビジネスではよく用いられる割合です。

割合①については、元データの性質によっては合計を出す際に単純に足し算ができない(足し算すると間違いになる)ものもあります。その場合には、合計は正味の値を使用して割合を出す必要があります。例えば、(月のデータとは離れますが)アンケートの複数回答の集計のように、それぞれの数字の中に重複がある場合などが当てはまります。

まとめ
どの割合を使う・見るにしても、100%の意味を知ることは非常に重要ですので、割り算の分母が何なのか、を意識してください。
割合にもいろいろあることや、それぞれの意味となぜそれを使う必要があるか(その割合がどういう用途で効果的なのか)を理解しながら数字を見るためには、データ自体の性質や分析の目的・背景を理解することが重要です。


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