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現代アート「My fair prisoners!?3」の石橋湛山さんの調書とエッセイ※全文掲載

この方は、元日本の第55代内閣総理大臣経験者です。僕は本を持っています。年上の友人、ジャーナリスト佐高信さんに教えて貰った総理です。この方は、石橋湛山(たんざん)さんです。

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        My Fair Prisoners!?調書

囚人番号:20170926201327

名前:農家の親父

懲役:88年

服役する刑務所:東京市芝区芝二本榎

音楽:演歌 北島三郎「与作」

映画:若大将シリーズ

本:「人間の証明/森村誠一」、エドガー・アラン・ポー、荘子

罪:小学校に上がる前に、禁止されている場所で栗拾い

喜:総理大臣になった事。

怒:メディアの態度。政治家の態度。自分の軍に対する洞察の無さ。

哀:母との別れ。

楽:農家仕事。仲間との政治談義。

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            「農家の親父」さん

 父親は日蓮宗僧侶。当然自分も僧侶になるものだと踏んでいた幼少期。ガキ大将だった。喧嘩もしょっちゅうしていた。戦争ごっこばかりしていた。戦争の悲惨さの欠片も分からない子供だった。 学校の勉強は頑張った。今の早稲田大学に入り、世の中に必要なのは何かばかりを考えていた。この頃には、僧侶になる事は止めた。 親父は僧侶だったが、キリスト教の聖書をよく読んでいた。 

 大学卒業後、ジャーナリストの真似事ばかりをしていた。日本を変えるには、政治しかないと思っていた。だから、ジャーナリストの仕事を早く辞め、政治家もどきになった。GHQと喧嘩をしょっちゅうしていた。日本の為と思い始めたのはこの頃。いつかは総理大臣になり、日本を変えようと思っていた。

 実際に総理大臣なり、現実と理想の間で苦しんだ。その為、早く総理大臣を辞し、一家庭から日本を変えて行こうと思い至った。 それからは、農家仕事に精を出し、新聞を全誌取り、日本の問題点を自分なりに考えていった。

 総理大臣時代は、政敵に囲まれ、やりたい事に力を出す事が出来ず、現実と理想の大きな差に驚いた。一総理大臣がやれる事は限られている。それをもっと早く気付けたらと今は思う。 現在は好きな農家仕事に精を出し、亡くなった先輩や同僚、後輩たちと政治談義を楽しむ「農家の親父」だった。(了)

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※この方も刑期を終えました。

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