錬金術の終わり 貨幣、銀行、世界経済の未来 THE END OF ALECHEMY - Money Banking and the Future of the Global Economyを読んで

 ……とか題名を掲げたけれど……まだ途中。飛ばしてようやく第7章。ちゃんと書名とか書いておこう。

『錬金術の終わり 貨幣、銀行、世界経済の未来 THE END OF ALECHEMY - Money Banking and the Future of the Global Economy』マーヴィン.キング Mervyn King 著 遠藤真美 訳,日本経済新聞出版社,2017年(平成29)

 「錬金術(ALECHEMY)」と言っているのは「現代民間銀行」全般のこと。和名「リーマンショック」に対する元イングランド銀行総裁のキングさんによる、銀行を「真人間」に戻すための考察と提案の本である。

 銀行さんは真人間でした。ギャンブルには「あんまり」手を出さず、手堅く生きてきたのです。世界的な金融解禁が到来するまでは。
 「賭博」(証券だの株券だの)は投資専業銀行(日本なら証券会社など)だけに閉じ込め、銀行さんはもっぱら「手堅い」預金とローンだけという縛りは解除され両方やって良いよとなった。途端に銀行さんは身を持ち崩したのでした。
 しかしそれも仕方がない面がありました。手堅いご商売による儲けは減り続け、「賭博」に手を出さねば「生活費」すら賄えない、そんな情勢となった背景がありました。

 銀行さんが「賭博」に手を出すのはヤバい。だって、自前でカジノのチップを野放図に産み出せるから。ギャンブラー兼カジノです。これじゃぁいくら真人間の銀行さんでも賭け狂いに走っても……まあ、わからなくはない……気がします。

 キングさんの提案は(まだ7章なので最終章で別のオチが待ち構えているかもしれないけれど)、銀行の通貨創造ではなく、手持ちの土地などの不動産や動産を「賭け金」の上限にする、というもののようです。雑な括りですが(汗)。金融危機に際してセントラルバンキングが流動性(簡単に言えば「預金を返せ」という預金者に返す金をちゃんと用意しておくこと)を維持できるよう「貨幣紙幣を貸し出す」際の担保を「ちゃんと、銀行は用意しておけよ!」ってこと。国家から資本注入などとという国民の「血税無駄遣い」な詐欺紛いなことは、二度とやらねえからテメエでしっかりしろよ!って(だいぶ乱暴な言い回しだな)こと。
 賭博で借金が踏み倒せるのはチャイニーズだけである。しかもそれはチャイナ共産党の指導層に限る!のだろう。まあ、チャイナの「ご商売」はまた別途といたします(苦笑)。
 (この本の冒頭でも、チャイナのセントラルバンカーとの対話というものが出てくる。「この頃」はまだUKとチャイナは蜜月だったのだろうか、と考えさせられる「歴史的文献」の面もあるなあ……)

 特にオチはない。よってまとめもしない。これにておしまい。 

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